リアクション
小鳥遊 美羽（たかなし・みわ）は、コハク・ソーロッド（こはく・そーろっど）と模擬結婚式をすることにした。教会での模擬結婚式を選んだ。
「どのドレスが可愛いかな？」
美羽は、衣装係の人に見繕ってもらって、いくつかのドレスの候補を絞った。どれも快活な美羽に似合いそうなデザインだったが、最終的に選んだのはとびっきりかわいい膝上ミニ丈の、純白ウェディングドレスだ。
ウェディングドレスに着替え終えると、美羽はベアトリーチェ・アイブリンガー（べあとりーちぇ・あいぶりんがー）とタキシード姿のコハクの待つ場所に真っ直ぐ向かった。
「えへへ……どう、似合ってる？」
コハクとベアトリーチェの前ではにかみながらそう言って、ツインテールを揺らしてクルリと回ってみせる美羽。
「うん、似合ってるよ」
コハクは美羽のウェディングドレス姿を見て、思わずドキッとしながらそう答えた。
「本当！？ 嬉しいな！」
「美羽さんもコハクくんも、よく似合っていますよ」
ベアトリーチェもそう言って、二人に微笑みかけた。
美羽とコハクの模擬結婚式が始まった。
模擬とは言っても、結婚式。ベアトリーチェは、美羽とコハクのことを心から祝福して見守っている。
「健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しき時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、固く節操を守ることを誓いますか？」
「誓います」
コハクは誓いの言葉を述べながら、内心で心が揺れ動いて行くのを感じていた。
かつて、何もかもを失い孤独になったコハクだったが、シャンバラに来てたくさんの人たちと出会った。今は、大切な友達や仲間がいる。恋人の美羽がいる。姉のようなベアトリーチェがいる。
そして、美羽と結婚したら、家族が出来る。
「健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しき時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、固く節操を守ることを誓いますか？」
「誓います！」
美羽の誓いの言葉を聞きながら、コハクは思う。
いつか、美羽と本当の結婚式を挙げたい。そして、美羽と家族になりたい、と--。
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