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リアクション
【ウルディカ・ウォークライ(うるでぃか・うぉーくらい)の一日】
朝。ウルディカとロア・キープセイク(ろあ・きーぷせいく)はグラキエス・エンドロア(ぐらきえす・えんどろあ)の体調を見る大事な役目を負っている。
グラキエスの体調は非常に不安定であるため、ウルディカ、特にロアの管理がないと非常に危険なのだとか。
この朝のチェックで、今日は出かけられるのか、何をしては駄目なのかを判断する。
「……今日は、無茶をしすぎないならば大丈夫ですね」
「そのようだな」
ロア、続いてウルディカの言葉を聞いてグラキエスは一息ついた。
―今日は何をするんですか。
「魔物や崖等の難所がある遺跡までのルート調査兼開拓だ」
ウルディカが一日の予定を教えてくれた。我々は果たして生き残れるだろうか。
撮影は困難を極めて。我々一般人にはきつすぎる道中であったのだ。
「……少し休憩するか」
「おや、お優しいですね。あなたらしくもない」
ロアの物言いにウルディカの眉がぴくりとするが、彼は何も言わなかった。
彼の優しさには感謝したい。
「エンドロアもだ。少し休め」
「ああ、分かった」
しばしの休憩。あたりからは何の音も聞こえない。静寂だけが聞こえる。
と、不意にモンスターが飛びだしてきた。
「させん!」
誰よりも早く銃を抜き、襲い掛かってきたモンスターの脳天目掛けてトリガーを引くウルディカ。
たった一瞬の出来事だった。ウルディカは何の躊躇もなくトリガーを引いた。
冷徹な目を持ってして、トリガーを引く指に単純な殺意を乗せて、だ。
「あなたたちもお気をつけなさい。怒らせると、あんな風になってしまいますから」
ロアの言葉が嫌に心臓を突っついた。
ウルディカの目が、変に恐ろしく見えてしまう。
「安心しろ。お前等が変なことをしなければ、何もしない」
「ウルディカはそんなことしない。俺が保障する」
グラキエスがウルディカは怖くないと言ってくれる。
我々は思い切ってウルティカの目を見てみた。
先ほど、モンスターを撃ち殺した時の目とあまり変わりはない。だが、殺意もありはしない。
強いて言うならば、瞳の奥には優しさみたいなものが垣間見えた。
ウルディカたちは無事に遺跡へと辿り着いた。
グラキエスの体調管理を済ませ、今日の情報をまとめながら明日は別ルートを開拓するか話し合う。
話し合いが終わると先にグラキエスは眠ってしまい、ロアとウルディカが見張りを行う。
「彼女にカッコイイ姿が見せられるといいですね」
「……今は任務だ。いつも通りをやるだけだ」
そうからかわれ若干戸惑っているように見えるウルディカに、我々は少しだけ親近感を覚えた。
これがウルディカ・ウォークライの一日――