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パラくる!!

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パラくる!!
パラくる!! パラくる!! パラくる!! パラくる!!

リアクション

海京にある、極東新大陸研究所海京分所。

イコンの研究・開発を行うイーリャ・アカーシ(いーりゃ・あかーし)は、
リポーターのジークリンデを迎え入れる。

「ようこそ、ジークリンデさん。
ここがイコン開発の最前線、極東新大陸研究所の海京分所よ」
「こんにちは。
イコン開発、私もあまり詳しくはないのですが、
わかりやすく教えていただけるとうれしいです」
イーリャは微笑んだ。
「ええ。もちろんよ」

ディスプレイには、さまざまなイコンの設計図が、順番に映し出される。

「第一世代と言われたイーグリット、
BMIの先駆け・レイヴンシリーズ……。
最新の第三世代機、ストークやセラフィムまで、様々なイコンがここで作られてきたわ。
まぁ私は生みの親……というわけではないのだけどね」

イーリャは、「アジャスト・スペシャリスト」と呼ばれている。
「量産職人……なんていう人もいるけど、
人の作った試作機を量産可能な状態に落とし込むのが私の仕事なの。
いわば育ての親、教師役ね……思い入れでは開発者には負けるけど、
携わった機体には全て、ひとしおの愛着があるわ」

「なるほど、教師、ですか。
イーリャさんは、ご年齢の割に落ち着かれていますよね」
「ふふ、そう見える?」
実際に、イーリャは母性を感じさせる人物だった。
それは、パートナーとの関係にもよるものだったが。

ふと、イーリャは咳こむ。
「大丈夫ですか?」
「ええ、ありがとう。
今日は、体調がいいと思っていたんだけれどね……」
気遣ってくれるジークリンデに微笑を浮かべ、イーリャは答えた。

しばらく休んでから、イーリャは
「撮影を再開しましょう」と言い、
ジークリンデたちはそれに従った。

「教師……うん、やっぱり教師役というのがしっくりくるわね
生徒……イコンや開発者たちは私を追い抜いて世界に羽ばたいていくけど、
それが私にはすごく誇らしいの。
私が死んで忘れられても、彼らは世界に残るわ。
それだけで私は生きてきた価値があったって、そう思えるの」

ジークリンデは、イーリャの言葉にうなずく。
「ええ、技術者であるあなたの力もあって、イコンが開発され、
多くのパイロットが活躍し、
この世界が救われる力になったはずです。
イーリャさんのこと、きっと、皆、忘れませんよ」

ジークリンデもまた、自分の記憶を失い、
女王の力を継承して、ただのヴァルキリーになった。

もしかしたら、ジークリンデは
自分の境遇に思いを重ねたのかもしれない。

イーリャはふっと笑い、うなずいた。
「ありがとう。これからの世界が、もっと素晴らしいものになるといいわね」


そこで、急に、電波ジャックが起こる。

「はーっはっはっはっは!
俺はドクター・ハデス(どくたー・はです)! 科学の力なら負けんぞ!」

「ハデスさん!?」
ジークリンデが辺りを見渡す。
「電波ジャックですって?
ハデスさん、かなり、できるようね」
ジャックされたのは、もちろん、テレビ局の機器だけだが、
イーリャが感嘆する。