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リアクション
画面が突然切り替わる。
そして、
秘密結社オリュンポス秘密基地からの中継が始まった
「フハハハ!
我が名は世界征服を企む
悪の秘密結社オリュンポスの大幹部、天才科学者ドクター・ハデス(どくたー・はです)!
ククク、今回は、我らオリュンポスの秘密のアジトを特別に大公開しようっ!」
「ねえ、秘密のアジトを全世界に教えちゃっていいの?」
理子のツッコミに、ハデスはちっちっ、と指を振る。
「わかっていないな!
ここはたくさんあるアジトのひとつ!
ゆえに、そのくらいではオリュンポスはびくともしないのだ!
フハハハハハハ!」
白衣を翻して、ハデスは、カメラ目線でポーズを決める。
「……。
まあ、ともかく。
悪の秘密結社のアジトとか気になることは事実ね!
さっそく紹介して!」
「ククク。よかろう!
順番に案内してやる!
このアジトでは、日夜、この俺が世界征服のための研究をおこなっている!」
謎の機械類がごちゃごちゃと置いてある部屋。
「そして、世界征服計画を練ったり!」
征服計画が書き込まれた巨大なパラミタの世界地図が置かれた作戦室。
「さらには!
俺が、戦闘員たちの食事を作ったりしているのだっ!」
大勢の戦闘員の食事が作れるように、道具が揃えられ、
使いやすいように、整えられた厨房。
そして、大勢の戦闘員がゆったり食事できるよう、広いスペースのとられた食堂……。
「ねえ、オリュンポスってこんなに戦闘員いるの?」
「もちろんだ!
未来の戦闘員や、日雇いのアルバイトも含めてな!」
理子の問いに答えつつ、
ハデスが、なぜか、料理番組のように、
料理を開始する。
「ここに、クッキングタイマーロボと、
圧力鍋ロボがある!
どちらも人工知能付きで、料理を行える優れものだ!」
ハデスは、手際よく料理を進める。
「悪の秘密結社の戦闘員たちが腹をすかせないよう、
この俺が、しっかりとした栄養管理をしているのだ!」
「……お母さん?」
「お母さんではない! せめてお兄さんと呼べ!」
理子のツッコミに、ハデスがこたえる。
理子と、合流したジークリンデはおいしく料理をいただいていた。
「ジークリンデ、オリュンポスでバイトしないか?
もちろん、3食まかない付きだぞ!」
「いいんですか、じゃあ……」
「って、待ちなさいよ! ジークリンデを餌付けしないで!」
そんな、なし崩しななか、CMとなる。
「パワードスーツさえあれば、
どんなかよわい乙女でも、身を守ることができます!
悪の秘密結社が、大挙してやってきてももう安心!
何も心配はいりません!
パワードスーツ!
パワードスーツ!
1人1台パワードスーツ!
今、注文すると、もれなくもう1台ついてきます!
お友達へのプレゼントにも最適です!
お申し込みは、すぐに、こちらの電話番号か、インターネットのこちらのアドレスへ!
キシャー!」
ロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)による、
パワードスーツの宣伝であった。