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リアクション
■□■4■□■ イコン軍団、スラム強襲
七那 夏菜(ななな・なな)の潜入もあり、
【紅桜】達、レジスタンスの武装蜂起はバレてしまったため、
静香の部下になった、未来のエヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)が、
無人イコン軍団を率いてスラムを強襲する。
テクノクラートの技術を活かして、
混乱に乗じてイコン関連のデータを盗み、それを土産に静香に取り入ったエヴァルトは、
小型化・地上専用化でコストを抑えたモノアイの無人イコンを開発し、
パイロットのデータからモーションを構築して、暴徒鎮圧用装備で大量投入したのであった。
「5mほどの無人イコン……造ったの誰だ?
え、俺?
さすが俺、分かってるじゃないか。
モノアイだって格好良いものな。
陸戦型というのもロマンが溢れている。
それでいて、暴徒鎮圧用にスタンガンやトリモチが武器とは……そこまで俺らしいな。
あ、俺だから当然か」
現在のエヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)はその様子を見て言う。
「って、のんきなことを言っている場合ではないな。
人死にがでないように作られているようだが、相手はイコンだ!」
現在のエヴァルトは、レジスタンスメンバーとともに、
無人イコン軍団と戦う。
★☆★
現在のクライス・クリンプト(くらいす・くりんぷと)は、
レジスタンスのいそうなスラムを回っていた。
(……女顔の僕が男物じゃ目立つだろうから、
しかたなく魔女っ娘の格好できちゃったけど)
「って、イコン軍団!?」
現在のクライスは驚き、叫ぶ。
「駄目じゃないですか!
無辜の民に向かって、
イコン軍団を投入するなんて!
騎士とは、民を守るものであり、
傷つけ、踏みにじるものではありません!」
目の前に、未来のクライスが現れる。
「あー……何故魔女っ子が騎士道を説いているのだ?」
薔薇学をやめて宦官にされ、十嬢侍メンバーとなったクライスは、
対レジスタンス向けのスラムの見回り兼男狩りで、
民間に埋もれた可愛い男の子を見繕い宦官にしようとしていた。
また、部下にそうして宦官に仕立てた荒事専門の元モヒカン部隊を連れている。
自分が宦官にされた腹いせにあんまり可愛くなくても宦官にして道連れにしようとしているのであった。
「クライス様のお通りだー!
男は皆宦官にするんじゃー!」
未来のクライスの部下のモヒカン部隊が、スラムの人々を襲う。
「み、未来の僕!?
まさか、宦官に!?
許せない!
バニッシュー!!」
現在のクライスはバニッシュを使用しようとしたが、何も起きなかった。
「スキル設定してないので使えない!?
く、ならパワーブレス!
スキル設定してないので使えない!?
く、来るな光術!」
現在のクライスは何もできずに両手を地面につく。
「魔法、もっと勉強しておけばよかった……」
「何をしてるのだ?
過去の私か。
ふふふ、どうせ宦官になるのなら、自分の手でそうしてやろう!」
「ちょ、何言って……うわああああ!!」
現在のクライスは、深緑の槍を振り回す。
「ぐはああああ!?」
未来のクライスはぶっ飛ばされる。
「あ、冷静に考えたら、僕、パラディンだから、
魔女っ娘っぽく戦う必要はなかった……」
現在のクライスは我に返り、未来の自分と戦う。
★☆★
「【未来から来た人工生命体】かつ【未来戦士】かつ【時の旅人】の私の出番だな!」
現在から来た【未来戦士】のイレブン・オーヴィル(いれぶん・おーう゛ぃる)は、宣言する。
「つまり、未来にはちんこが足りないから人類が滅亡するんだよ!」
「「「「な、なんだってー!?」」」」
二人のエヴァルトと二人のクライスが同時に叫ぶ。
「今から人のちんこを増やすのは無理。
ちんこの聖像(サロゲート・エイコーン)を作るしかない。
なんか、イコンって流行っているしな。
ヴァイシャリーにある木を切り倒して丸太にし、ちんこの形状にしてみたのだ。
車輪もつけて動かしやすいように、名づけて『ちんこカー!』
日本のちんこ祭りをイメージして作ってみた。
まさにジャパニーズワビサビと言うべきだな」
現在のイレブンは、一人うなずいている。
「さ、みんな、早くこのちんこカーに乗って、未来へ出発するんだ!
すでに未来にいるとか気にしてはいけない!
私たちのちんこが世界を救う鍵となる!」
ペットの狼や、大型騎狼、オリヴィエ博士改造ゴーレム、スライムに牽引させ、
現在のイレブンは未来のエヴァルトのイコン軍団に突っ込む。
その時、和服の懐からデビルゆるスターの鳴く声が聞こえる。
「おっとすまない。デビルゆるスターのとっとこマラ太郎くん。君も行きたいか」
現在のイレブンは、ちんこカーの先っぽにある段差にマラ太郎くんを置いた。
「なせばなる、なさねばならぬ、何事も!」
「ぐわああああああああああああああああ!?」
現在のイレブンと「ちんこカー」が未来のエヴァルトに激突し、
未来のエヴァルトは倒された。
「この時を待っていた……。
今こそ、黒幕たるラズィーヤ・ヴァイシャリーさんに天誅を下す時……!
実は、ヴァイシャリーさん……小ラズィーヤさん……を過去に送るよう頼んだのは
俺だったり違ったり……」
「違うのか!?」
現在のエヴァルトのツッコミののち、未来のエヴァルトは爆発に巻き込まれる。
すると、無人イコンのモノアイの色が、赤から緑に変化し、
レジスタンスに協力するように動き始める。
現在のクライスは、未来の自分を倒して、イレブンをぶん殴る。
「いろいろダメでしょう!」
最終的には、すべての無人イコンは爆発した。
「やはり、悪事を働いているように見えても、俺は俺だったな……」
現在のエヴァルトはつぶやく。
★☆★
未来のイレブンは、未来人なので子どもであったが、
その日の絵日記を書いた。
「○がつ×にち はれ
ぼくわ みらいでうまれた いれぶん・おーヴぃるです
みらいの せかいをすくうため れじすたんすの ひとたちと
まいにちべんきょうお しています
きょうわ いこんについて べんきょうお しました
たくさんのいこんが すらむに やってきましたが
『ちんこかー』という のりものが つっこんで やっつけました
そのあと まじょっこさんが 『ちんこかー』にのってたひとお
おこっていました
いこんお たおしたのに なにがいけないんだろう
しょうらいのゆめは かこにたいむとらべるして
みらいのせかいお すくうことです
ぼくも かっこいい いこんがたくさんいる
かこのせかいに いってみたいです
このあいだ しょうらずぃーやちゃんが
かこにいったと きいたので ぼくもはやく かこにいきたいです
おわり」