リアクション
■□■6■□■ ざんすか暴走
一方、そのころ。
ざんすかは。
ヤジロ アイリ(やじろ・あいり)が、
「トリック・オア・トリック!」
とジャック・オ・ランタン仮装で着飾らせたペット達で足止めしていた。
「この子達もぶっ飛ばすのかい?
そんな乱暴者にはセレスティアーナ様を幸せにする事は出来ないぜ!
俺は今、お前が彼女と契約するに相応しい器を持っているのか試しているんだ!」
アイリは、パートナーのネイジャス・ジャスティー(ねいじゃす・じゃすてぃー)に視線を送る。
(あんな乱暴者が女王様のパートナーになろうだなんて許せません!
ぜぇーったいに契約させませんからね!
ヤジロが隙を作ってるうちに、
忘却の槍でさくっと刺してしまえば、
ざんすかからセレスティアーナ様の記憶が奪えるでしょう。
ふっふっふ、目当ての人物が判らなければ契約出来まい!
パーティが終わるまでハロウィン会場を彷徨ったり
うっかり誰かと勘違いの契約して記憶が戻った時にがっかりすればいい!)
ネイジャスはそんなことを考えて、こっそりざんすかに近づこうとする。
ネイジャスにとって、アムリアナ女王は憧れの人であり、
ざんすかの行動は許せないのであった。
ハルミア・グラフトン(はるみあ・ぐらふとん)も、
ざんすかを止めるために、パーティー会場にあるものを投げまくる。
「ちょーしに乗りすぎた子はお仕置きが必要なこともあるのです!
そおい!」
デッキブラシやら、教科書やらをぶつけられて、ざんすかはキレる。
「何しやがるざんす!
ミーはザンスカールの森の精ざんす! 獣達は退けざんす!」
「ええっ、ザンスカールの森の精様だったんですか!?」
メイドなので肩書に弱いハルミアは、ただの子どもだと思っていたざんすかが地祇だと知り、驚く。
「いえ、地祇って言っても、パラミタの『神』とは違うのです。
アムリアナ女王のようなお方と、
このちんちくりんのざんすかとは違いすぎます!」
ネイジャスが言うが、
「何言いやがるざんす!」
ざんすかは、ネイジャスをハルミアごとぶっ飛ばした。
走り去るざんすかを見て、アイリはつぶやく。
「さすがざんすかだな、己の欲望の前には血も涙もないぜ……」