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【蒼フロ2周年記念】未来の君へ

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エピローグ 新時代の幕開け

ツァンダ、七枷 陣(ななかせ・じん)の宅。

「こんにちは!」

今日は遠野 歌菜(とおの・かな)月崎 羽純(つきざき・はすみ)の夫妻が訪ねてきていた。
歌菜たちは結婚10周年を記念して、子供を実家に預け旅行の最中だったのだ。
普段は地球で母として歌手として忙しい歌菜はこの機会に旧友に会おうとパラミタに上がってきたのだが。

「お邪魔します♪
陣さん、これ地球のお土産!」

「歌菜の故郷の名産の饅頭だ。
美味しさは保障する」

羽純の言葉に反応した二人がいた。

「え、貰っていいの?」

「早く食べようよ!」

陣の双子の子供、奈々乃と恭也は歌菜と羽純の元に駆けつけ、お土産を回収した。

「ほらほら、お土産はみんなで食べないとダメだよ!」

二人の母親であるリーズ・ディライド(りーず・でぃらいど)は注意したのだが。

「イヤだよ、お母さん大食いだから全部食べちゃうんだもん!」

「子供の分も残しておいてよね!」

「そんな〜、ボクお母さんなのに……」

「奈々乃、恭也、母親を困らせるものじゃない」

「「はーい」」

いじけるリーズを見て仲瀬 磁楠(なかせ・じなん)は子供たちをたしなめた。
鋭い風貌の磁楠だが、その眼差しはどこまでもやさしかった。

「ふふふ。今日はお客様も来ているし、にぎやかですね」

陣のもう一人の妻である小尾田 真奈(おびた・まな)は暖かく見守りつつも、
お茶の準備をテキパキと進めていた。

■□■


「うちは家族5人でバタバタしているけど、楽しくやってるよ。
そっちはどう? 上手い事やれてるんか?」

饅頭を頬張りながらの陣の言葉に、歌菜は羽純に腕組みをした。

「うん、こっちは上手くやってますよ♪
ね、羽純くん!
ラブラブっぷりでは、陣さん達に負けませんからねっ」

「ラブラブって……ハァ、相変わらずだな、お前は」

羽純は苦笑していたが嫌そうではなかった。

「まあ、お互い家庭も持てて子供出来て何よりだよな。
オレらは特殊な関係やから籍は入れてないけど、幸せだと思うよ」

「うん、そうだね」

陣の言葉に歌菜も心から頷いていた。

だが、そんなしっとりとした雰囲気など子供たちには関係ない。

「お母さん、テレビつけていい?」

「アニメみたいよ!」

「しょうがないなあ、ちょっとだけだよ?」

リーズが仕方なくテレビをつけ、立体映像が浮かび上がる。
そのテロップには……。

「新大陸出現やて!?」

陣は突如パラミタの付近に現れた新大陸のニュースに目を見張った。
風祭とオキマタの死闘が結果として新しい大陸を出現させたのだが、それは陣たちの知るところではない。

しかし、陣の驚きの顔は一瞬のことで、たちまち目には輝きが現れた。

「また未開の地が出てきたんか。懐かしいなあ。
……久しぶりに探索でも行くか?」

「陣さん、ナイスアイデア!
よっし、すぐに行きましょう♪」

陣の思いつきに歌菜はすぐに乗った。
そもそもパラミタに冒険を求めてやってきた契約者たちなのだ。
新しい冒険の舞台となれば、胸が高まるのは当たり前だろう。

「今テレビ見れる? そう蒼空テレビ。
面白そうやし、久しぶりに探索でもせんか?」

どうせいくなら皆で行こうと、陣は契約者仲間たちに電話をかけ始めた。
歌菜も負けずと電話をかけはじめる。

陣の妻たちも乗り気であった。

「丁度いいや!奈々乃達のデビューも兼ねて探索するのもいいかもね」

「少し早い気もしますが、良い機会かもしれませんね。
だってリーズ様とご主人さまの間に生まれ、私たちが育てた子なんですから……きっと馴染めます」

「僕も冒険するよ!」

「私は未知の大陸のヒミツを解き明かすんだから!」

子供たちは大人以上にやる気であった。

「ボクも友達の皆へ連絡して誘おうっと!
さんに遙遠さん、さん……」

「私はルカルカ様へおかけします」

その様子を見て仲瀬は苦笑した。

「新たな大地か。
陣の奴も少しは落ち着いたと思ったら、やはりまだ小僧か。

羽純、私達で準備を整えるぞ。手伝え」

「歌菜も連絡に夢中で装備や食糧の事は考えてないみたいだからな」

二人は陣や歌菜たちのサポートに徹することにした。

電話をかけつつ、陣は楽しそうにつぶやいた。

「年甲斐もないかも知れんけど、あの未開の地をまた皆で探索できるかと思うと、胸が躍るな。
この気持ちを表現するなら……そう、『蒼空のフロンティア』をもう一度、ってな」

10年経っても失われない物、それは未知への好奇心。
それがある限り、フロンティアはいつまでも続くのだ。

【未来の君へ・完】

担当マスターより

▼担当マスター

沖又陸

▼マスターコメント

沖又陸です。
『未来の君へ』のリアクションをお届けします。

まず、リアクションの発表が大変遅くなり誠に申し訳ございませんでした。
全て私の責任です。リアクションそのものは楽しみながら執筆させて頂きました。

今回のリアクションに関する特記事項です。

・基本的には「●アリ」「●ナシ」の方で分けて執筆しています。

・しかしながらアクションによっては「●ナシ」の方でも「●アリ」側で執筆されたり、「●アリ」がごときの内容になっている場合もございます。

・リアクション内でPC様同士が対立している場合がありますが、全て私の裁量で行われています。

・称号を全ての方ではありませんが、つけさせて頂きました。このリアクション上の性質上「●」をつけさせて頂いております。他のリアクションでこの称号を利用してアクションをかけることは出来ません。

・如月佑也様のパートだけ、杉井幾マスターが執筆されています。章タイトル及び改行規則の統一だけ私の方でさせて頂いております。

・言うまでもない事かもしれませんが、今回のリアクションの結果はこのリアクションのみの物で他のシナリオに引き継げる物ではありません。

・リアクションの本文のチェックなどで森水鷲葉マスターに手伝って頂いております。

・その他リアクションの悪い部分は全て私の責任で良い部分は全て皆さまのアクションの成果とお考えください。

今回大変遅れてしまいましたし、今後リアクションを書く事はないかも知れません。ただ、蒼空のフロンティアには素晴らしいゲームマスターさんがたくさんおります。今後もマスターシナリオをお楽しみ頂ければ幸いです。

それでは、これからも『蒼空のフロンティア』をよろしくお願いいたします。

▼マスター個別コメント