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【蒼フロ2周年記念】タシガンの血闘

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【蒼フロ2周年記念】タシガンの血闘

リアクション


■■■Raw Deal


23ターン。真奈美のターンだ。

「闇のレフェリーめ、許せない……!」
そういう真奈美の心に呼応してか、引いたカードが語りかけてきたではないか。

「それが君の願いなのかい、真奈美。
 僕を召喚さえすれば、君の願いを叶えてあげることができるよ!」
「うわっ、なぁにこれぇ!?」


 『魔法契約獣』リューグナー・ファタリテート(りゅーぐなー・ふぁたりてーと) レベル3
 ターン終了時、場にいる敵の外見女性クリーチャー1枚を自分のクリーチャーにできる
 手に入れたクリーチャーは魔法少女になる
 このカードは能力発動後、手札に戻る


リューグナー「僕を召喚すればラドゥの『師王アスカ』を君のものにできる!
 さあ早く召喚を!」

真奈美「それじゃ試合はなんとかなっても、闇のレフェリーの思う壺だ。
 ジェイダスやフェンリル、ウェルチに危害が及ぶだけ……
 次のドローに賭ける!」

真奈美のドロー! 手札は4枚!

「あれ、こんなカード入れたっけ……」
そのあまりに酷い効果に真奈美は困惑しつつも、それがこの状況を覆すカードであることは明白だった。

「どうしました? さっさとプレイを続けないと遅延行為として警告ですよ?」
ぽに夫が真奈美をせっつく。

「ああ……そうかい、それじゃあプレイしてやるよ!
 マジックカード発動!
 『ラス オブ ヨーコ(陽子の怒り)』!」


「バカな! それは使用禁止カードだぞ!」
さしものラドゥも、相手が使用禁止カードを使うとは思っていなかった。

「そうとも、これは使用禁止カードだ。
 だがその効果ゆえに、一度プレイされれば何者も止めることができない!
 対戦相手のトラップカードを除いては!」


効果:すべてのレフェリーを(高木陽子が)破壊する。
 プロテクション(レフェリー)[このカードは、レフェリーによってブロックされず、対象にならず、無効化されず、禁止されない。]

 “この血闘においては、審判者でさえ、安全ではいられぬのだ”


藤原 優梨子(ふじわら・ゆりこ)が、こっそり真奈美のデッキに放り込んでいたのである。
通常であれば、使用禁止カードを使えば審判が止めるものなのだが、このカードは審判の判定を上回るというどうしょうもないカードであった。

「さてどうする、トラップカードで止めるか?」
真奈美はラドゥに問う。
このカードを通すということは、使用禁止カードの使用を認めるということだ。
ラドゥは磔にされたジェイダスをそっと見て、それから目を伏せてこう言った。
「好きにしろ」


「ちょっと待ってください!
 たしかにカードには審判を破壊すると書いてありますが!
 ルール違反だあああ!!」
騒ぐぽに夫だったが、陽子は血も凍るような笑みを浮かべてこう言った。

「大丈夫! ルールとか関係なくブン殴るから!」

「あたしのターン! ぽに夫にダイレクトアタック!」「うぎゃー!」
「あたしのターン! ぽに夫にダイレクトアタック!」「うぎゃー!」
「あたしのターン! ぽに夫にダイレクトアタック!」「うぎゃー!」
「あたしのターン! ぽに夫にダイレクトアタック!」「うぎゃー!」
「あたしのターン! ぽに夫にダイレクトアタック!」「うぎゃー!」
「あたしのターン! ぽに夫にダイレクトアタック!」「うぎゃー!」
「あたしのターン! ぽに夫にダイレクトアタック!」「うぎゃー!」
「あたしのターン! ぽに夫にダイレクトアタック!」「うぎゃー!」
「あたしのターン! ぽに夫にダイレクトアタック!」「うぎゃー!」
「あたしのターン! ぽに夫にダイレクトアタック!」「うぎゃー!」

「もうやめて! ぽに夫のライフはとっくにゼロよ!」
「じゃあ次はヒラニィね」


闇のレフェリー3人衆のライフがゼロになった頃、観客席でもうひとり、ライフがゼロになっているものがいた。

「陽子さんが! カードゲームの歴史を! 殴り壊していらっしゃいますわ!!」
藤原優梨子、興奮しすぎによりライフがゼロに。


*** ルール変更のお知らせ ***

闇のレフェリー退場により、ライフシステムが元にもどりました。



この恐るべき無法に対し、リューグナーが手札のまま真奈美に問いかける。
「そのカードを使うなんて!
 そんなことをすれば、ゲームのルールが崩壊してしまう!
 まさか、君はゲームデザイナーにでもなるつもりなのかい!?」

真奈美はリューグナーを無視してターンエンドを宣告、ラドゥは『図書館引きこもり』の影響でターンが飛ばされ……

「続けて私のターン!
 ドロー!
 見せてやる、これが“新しい世界”を作るカードだ!!」