シャンバラ教導団

リアクション

■■■　ＥＸＴＲＥＭＥ ＶＩＣＴＯＲＹ


こうして血闘は幕を閉じた。

「フハハハハ、それでは敗者をどうするか決めようではないか！」

ローマ帝国での剣闘士は、負けると観客がその生死を決めたという。
ラドゥをここまで追い詰めた真奈美について観客は充分に満足していた……
とおもいきや、約１名が何事か訴えているではないか。

筑摩　彩（ちくま・いろどり）であった。
「真奈美さんはせっかくのあたしのカードを使ってくれませんでした！
　なので身柄の引渡しを求めます！！」

それでは真奈美が最後まで使わなかった彩のカードを見てみよう。


エンハンス：『「みんなで手芸くらぶ」バナー』
効果：性別が女性のクリーチャーに女の子ポイント３点を付与する。


「いや、だって女の子ポイントを付与したからどうなるのかわかんなくて……」
というのが真奈美の弁。
「愚かな！　わからなくても使っておけ！
　それが王の度量と言うものだ！」
特に効果がなくても『応援団』を使う、そういうラドゥに相応しい言葉であった。

「というわけで彩、この渡部真奈美は貴様の好きにするがいい」

彩が真奈美をつれて血闘場を去ってから、ラドゥははたと思い出すのだった。

「そういえばダンス勝負を忘れていた」



卍　卍　卍


この闘いを最後まで見ていたひとりの男がいる。

「フフフ……！
　魏が滅びてもわしの晋は残った！
　ラドゥ・イシュトヴァーンと渡部真奈美が争って、いずれが滅びたとしても、最後に残るのはこのわしと晋帝国なのだよ！
　今回の闘いで貴公らの術策、すべて見通させていただいた！
　ハハハハ！」

司馬懿　仲達（しばい・ちゅうたつ）はひとり満足気に頷くと、パートナーであるアルツールのもとへと向かうのであった。