リアクション
3
帰るところを失った『絵画の中』の登場人物――
ロップイヤーの手を引いて再びダンスホールの喧騒を目の当たりにした時、ラズィーヤは傍らの獣人族の少女のことを、どうしても抱きしめたくなった。
けれどそれも違う気がして、ゆっくりと手を引く。
「この中なら――お姫様、見つかるかしら」
「…………探し続けてれば、いつか見つかると良いですね」
ロップイヤーがはにかみながら、ボソリと喋った。
「なんていうかこの際、男の娘でもいいかもしれないねえ」
「はははっ、言うじゃねえか」
レッキスとシリウスがそんな言葉を交わした。
「――ねえ、ロップイヤーさん」
ふと、ラズィーヤが口を開いた。
「よろしければ一曲、わたくしと踊って下さらないかしら」
ロップイヤーは恥ずかしそうに頷いた。
その後、ホールの地下迷路はラズィーヤの指示によってそのままの状態で封鎖されることになった。
ヴァイシャリーの街の人々が恐れる必要のない存在だとしった兎耳の獣人族の子供たち――『絵画の住人』は洋館の地上部に住まうようになり、僅かずつながら街の人々と交流を持ち始めるようになった。
元来の性質がシャイであるからか、滅多な事では街で見かける事はないけれど、洋館にお邪魔すれば丁重にもてなしてくれるという。
少女達の住んでいた絵画――姫様のいるであろう絵画の行方を気にかけたラズィーヤは、それらの品が街を出てからの行方を掴むべく売買記録を調査した。
しかし、そのどれもが幾度か為された取引の最中に「行方不明」になってしまっていて、その所在が判明しないのだった――
リアクションの公開が遅れてしまいましたことをお詫び申し上げます。
ごめんなさい…!
駒崎ペルメルです。
皆さまご参加ありがとうございました。
ほんとに「わぁい!」な気分です。
また、イベントシナリオとしては描写量が割増しになってしまいましたが今回は特別ということで…。
それではかさねがさねご参加ありがとうございました。