空京

校長室

【十二星華SP】決戦! マ・メール・ロア!!

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【十二星華SP】決戦! マ・メール・ロア!!
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リアクション


chapter5.沈む太陽



 空中要塞マ・メール・ロアに最期の時が近付いていた。
 断続的に発生する爆発によって外装のあっちこっちに空洞が開いている。その奥を覗き込むと、火の海が酸素を欲してこちらに這い出そうとしてくるのが見えるだろう。中にはもう火を噴いている空洞もあり、そこから溢れた黒煙がケープのように要塞をぐるりと包み込んでいる。高度はどんどん下がっている、この雲より高度が下がれば、地面と仲良くなれるのは時間の問題だ。
 針路の変更があったため、要塞はシャンバラ大荒野上空を飛行している。これは今回の騒動における数少ない幸運の一つだと言える。あのままツァンダに向かって墜落すれば、ほぼ間違いなく市街に損害が出ていたはずだ。その点、この大荒野なら居住区に墜落する可能性はすこぶる低い。せいぜい、気の弱い草食動物の巣を踏み潰すぐらいの影響だろう。
 ルミナスヴァルキリーで脱出にした生徒たちは、甲板の上で要塞の最期を見守っている。
「これで長い戦いも終わりなのですね……、そして、私の役目も……」
 深紅の髪を風になびかせ、ミルザムはひとり呟いた。
「ここにいたんだ……」
 その姿を見つけて、ホイップは駆け寄ると玄武甲を床に置いた。
「私にはもう必要のないものだから……、ミルザムさん、シャンバラの平和にために役立ててね」
「ありがとうございます、ホイップさん。あなたにも色々お世話になりましたね」
 二人は固く握手を交わす。
 これで全ての五獣の女王器がミルザムの元に揃った。マ・メール・ロアから回収された女王像の欠片も手元にある。
「こんな事を訊くのはなんだけど……、ミルザムさんはこのまま女王に即位するつもりなの?」
「……その必要はないかもしれませんね。アムリアナ女王が復活した今、私が女王になる理由はありません。五獣の女王器と女王像は機会をみて、アムリアナ陛下に献上しようと考えています。あのかたなら女王器も上手く使えるでしょう」
「それでいいの? ずっと女王になるため頑張ってたんでしょう?」
「シャンバラの地に平穏をもたらす人間が、必ずしもわたくしである必要はないですから」
 そう言うと、彼女は彼方を見つめた。
「……ティセラは船室にいるのですか?」
「うん、この船って大きいのに医務室がないでしょ。だから、怪我をした皆の手当を手伝ってるみたいだよ。大した怪我でもないのに介抱されたがるって、シャガさんに困ってるみたいだったけどね。たぶん、リフルとエネメアも手伝ってるんじゃないかな」
「そうですか。ところで……、彼女たちがこれからどうするのか、聞いていますか?」
 何気なく口にすると、背中にティセラの声がかけられた。
「わたくしはアムリアナ陛下の元で仕えようと考えていますわ」
 仕事の合間に風に当たりに出てきたのだろう、たなびく髪をそっと押さえている。
「洗脳されていたとは言え、犯した罪に変わりありませんから、わたくしの身柄は皆さんに預けるつもりです。ですが、許されるのであれば、陛下の元でシャンバラ建国のため働きたいと思っておりますわ」
 ティセラやセイニィ、パッフェルには軍事裁判が待っている。
 だが、おそらく処分は保留されるだろう。御神楽環菜は勿論、各校にとっても彼女たちの力は惜しいはずだ。
 彼女の希望が叶うなら、近い将来、クイーン・ヴァンガードに彼女の名が連ねる事になるだろう。その時はおそらく、セイニィとパッフェルの二人もその傍らにいるに違いない。
「ホイップはどうされるのですか?」
「空京に戻って、また借金の返済に頭を悩ませる毎日に戻るよ。あ、でも何かあったら、連絡してね。すぐ駆けつけるから」
 その時、ルミナスヴァルキリーは長い長い雲間をようやく抜けた。
 どこまでも広がる黄金色の大荒野の果て、地平線の向こうに真っ赤な太陽が沈もうとしているのが見えた。

担当マスターより

▼担当マスター

梅村象山

▼マスターコメント

こんにちは、飛弥新です。

今回初めてグランドシナリオを担当させていただきました。採用アクションの選定から大変悩むことになったわけですが、悩むだけ悩んだので決断には後悔していません。

私の指針を示しておきますと、まずはアクションがおもしろいか、シナリオを盛り上げてくれそうかを見ました。それだけでは採用するかどうか決めかねる場合、他の十二星華関連のシナリオも参照し、参考にしました。

アクションに関しましては、戦闘などの場合、ただ「攻撃する」と書いたりスキルを羅列したりするより、具体的な行動を書いていただけると、描写しやすいです。

例えば、キメラの翼を狙って攻撃する→パートナーが敵の気を引いて攻撃を受けきっている間に、相手に反撃されない後方遠距離から氷術でキメラの翼を凍らせ、キメラが戸惑っているところでパートナーにとどめをさしてもらう、などです。

これは今回のシナリオを想定して私が今考えたごくごく簡単な一例にすぎませんので、皆様も色々と考えてみて下さい。
通常のシナリオであれば、GAも有効だと思います。

ちなみに、今回はことごとく翼を狙われて、キメラたちがかわいそうなことになっていました。

上記の件も含め、アクションについては私の中で再度整理し、そのうちマスターページに記述しようと思います。ちょっと時間がかかるかもしれませんがご了承下さい。

今回、私の担当パートではキャラクターによって描写量に結構差があるかと思います。描写に納得がいかない場合は、後ほどマスターページの方を見ていただければと思います。勿論、普段のシナリオについても同様です。

それでは、皆様ありがとうございました。


◇◇◇


萩栄一です。マスターコメントの一部をお借りしてご挨拶させて頂きます。
初めましての方もリピーターの方も、シナリオに参加して頂きありがとうございました。

今回、第一階層、第二階層、第三階層と主に3つのステージに分けてアクションを募りましたが、
やはりというべきか、チンパンコとネコクイーンが人気のようでした。
今回33人の方(LC含まず)を採用させて頂きましたが、惜しくも不採用になったアクションでも面白いのはたくさんありました。
が、いかんせんこのふたつは倍率が高かったため、泣く泣く不採用となってしまったケースもあります。
ガイドの説明から雰囲気は伝わったかと思われますが、今回は基本的にネタ系のアクションメインで採用しました。
とにかく面白かったものから優先的に採用していった感じです。
「いかに効率よく敵を倒すか」「いかに有効なダメージを与えるか」というより「いかにユニークか」が基準です。
キメラとの真面目な戦闘や話の本筋は飛弥さん梅村さんが書いてくれるだろうなと思ったので今回は悪ノリさせて頂きました。
もちろん、真面目なアクションでもグッときたのがあればちゃんと採用しています。

また、マ・メール・ロア以外で行動されている方が何名かいました。
キメラの研究所に行ったりゴアドー島に行ったりザクロを復活させようとしたり……と正直どれも魅力的なアクションでした。
しかし、色々相談した結果申し訳ありませんが原則マ・メール・ロアが舞台ということでそれ以外は不採用とさせて頂きました。

その他の不採用基準としては、白紙投稿、サンプルまま、一行くらいしかアクションを書いていない、
他の面白いアクションに埋もれてしまった、他アクションとの相性などが主な理由です。
それとせっかくMCのアクションが面白いのに、LCの欄が「描写不要」などと書かれていると基本登場させてあげられません。
今回そういったアクションがいくつかあり非常にもったいないな、と感じました。

なお【2】に集まったアクションの内訳ですが、第一階層のライオリンが44名(ただし3割くらいはサンプルまま)、
第二階層のチンパンコが39名、第三階層のネコクイーン(ないしエメネア)が53名、その他が44名でした。
上記の数字はすべてMCの数です。
それと、称号を何人かの方にお送りしましたので個別コメントでご確認ください。
称号がなくても、アクションのことなどをちょこちょこ個別コメントで書かせて頂いたりもしています。

最後に、ちょっとだけ私的な告知をさせてください。
まだ確定ではありませんが、おそらく今月末頃に次のシナリオガイドが出ると思います。決まり次第マスターページに書きます。
長文に付き合って頂ありがとうございました。また次回のシナリオでお会いできることを楽しみにしております。


◇◇◇


マスターの梅村です。
本シナリオに参加して下さった皆さま、ありがとうございました。
残念ながら採用されなかった方もいますが、参加してくださった全ての方にお礼を申し上げます。

今回、初めてグラシナを担当しましたが、色々と得られる事の多い体験だったと思います。
MCとLCのアクションのバランス、設定された場面に即したアクションか、
また、同系統アクション内での比較から、採用するアクションを選定していきました。
採用数が規定されていたので、グループアクションで投稿された方も、その中から単独で採用という形を取っています。
ただ、採用基準から逸脱したアクションでも、とても良いアクションは本当にたくさんありました。
私の個人シナリオであれば、100%採用しているレベルです。

また、勘付かれている方が何人かいらっしゃいましたが、実はティセラの生死判定がありました。
最後にシャムシエルがティセラを始末しようとするシーンがありましたが、
シャムシエルへの警戒アクションや、ティセラが始末される可能性を考慮するアクションがない場合、
そのままティセラは斬星刀の直撃を受けて命を落とす予定だったのです。
結果はご覧になった通り、見事阻止されてしまいました。
樹月刀真さんを代表で採用しましたが、他にも何名か同系統のアクションをかけてくださった方がいます。
流石に参加者が500人もいますと、バッドエンドにはなかなかなりづらい仕様のようです。

それでは、また次回、別のシナリオでお会い出来る事を楽しみにしております。


◇◇◇


本シナリオに参加された全員に「マ・メール・ロアの破片」をプレゼントします。
皆さんでマ・メール・ロアを攻略した証です。このアイテムを武装に装備して十二星華が登場するシナリオに参加すると、マ・メール・ロア攻略戦に参加していた、と見なされます。
配布は6月中を予定しております。