空京

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戦乱の絆 第3回

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戦乱の絆 第3回
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旧シャンバラ宮殿上空の戦い

学生達は、5000の龍騎士団を相手に出撃した。
5000のうち、500は龍騎士、残りは従龍騎士である。

宮殿用飛行翼を身に着けた水神 樹(みなかみ・いつき)と、
小型飛空艇ヴォルケーノに乗ったカノン・コート(かのん・こーと)は、
龍騎士を相手取る。
「当たりなさい!」
樹はグリントライフルのクロスファイアで、敵にだけ当たるように攻撃を仕掛ける。
カノンも、ヴォルケーノのミサイルを使って狙いを定めて攻撃する。
しかし、生身での攻撃のため、神である龍騎士に決定打を与えることはできない。
「そんな……実力不足ということですか」
樹は奥歯をかみしめる。
そこに、天御柱学院のイコン部隊が飛来する。
「こちらは任せてください! 従龍騎士の相手をお願いします!」
端守 秋穂(はなもり・あいお)
ユメミ・ブラッドストーン(ゆめみ・ぶらっどすとーん)のコームラントから、声がかかる。
「わかりました。お願いします!」
樹は、秋穂の言うとおりにすることにした。
龍騎士は、槍を振るい、樹を守るように立ちふさがるコームラントを攻撃しようとするが。
(回避……成功!)
ユメミは精神感応で秋穂に伝える。
(よし、じゃあ、1体ずつ確実に相手どれるように距離を取ろう)
秋穂は、距離を取った状態で、コームラントの大型ビームキャノンを発射する。
「無念!」
龍騎士はビームキャノンの直撃を喰らい、落下していく。
「これが、天学のイコンの力ということですね。
カノン、私達もできることをがんばりましょう!」
「了解だ!」
樹とカノンも、戦場で気を引き締め、従龍騎士を相手取る。

一方、
館下 鈴蘭(たてした・すずらん)霧羽 沙霧(きりゅう・さぎり)のイーグリットは。
「名高き龍騎士様とお見受けしました!
このような場で不躾ですが、あなたと一対一で剣を交えさせては頂けないでしょうか?」
部隊を指揮している龍騎士に、一騎打ちを申し込んでいた。
「って、え!?
鈴蘭ちゃん、何言ってるの?」
沙霧はパートナーの発言に慌てる。
「よかろう! シャンバラにも骨のある者がいるようだ」
龍騎士は一騎打ちを受け入れる。
「あ、相手が了承しちゃったから戦うしかないんだよね。
くぅ……こうなったら仕方ないや! あはは!」
沙霧はヤケになりハイテンションで笑い始めた。
イーグリットと龍騎士の、一騎打ちが始まった。
ビームサーベルと龍骨の剣が交錯する。
鈴蘭は、飛び道具は使わず、正々堂々と戦う。
やがて、龍騎士に生まれた隙をついて、イーグリットが攻撃する。
龍騎士とドラゴンは失速して落下していった。

「当たると痛いじゃすまないわよ! とっとと逃げなさい」
葛葉 杏(くずのは・あん)
橘 早苗(たちばな・さなえ)のコームラントも、
大型ビームキャノンを撃つ。
さきほど、龍騎士がすでに2人撃墜されていることから、
龍騎士団は警戒を強める。
「邪魔よ! とっとと散りなさい!」
汎用機関銃と頭部バルカンでさらに杏は弾幕を張る。
(杏さんは普段から弾をばら撒きますが
今回のような生身の相手にはそれで良いのかもしれませんね。
一発でもかすめたら重傷、こうやって無駄に弾をばらまけば相手が驚いて近づいてこないはず。
もしそれでも近づいてきたら……自業自得ということで)
早苗はそんなことを思う。

そんな中、水城 綾(みずき・あや)
ウォーレン・クルセイド(うぉーれん・くるせいど)のイーグリットは、
龍騎士に接敵する。
「なるべく味方と通信をして、連携を取って戦わないと」
慎重に考える綾だったが。
「こっちだけ飛び道具有りなのはフェアじゃねえよな」
「ちょっと! なんでビームライフル捨てるのよ!」
ウォーレンの突然の行動に、綾は慌てる。
「いいじゃねえか。鈴蘭も一騎打ちしてるぜ」
「そういう問題じゃ……」
「見せてもらおうか!
エリュシオンの誇る龍騎士の力量をな!
シャンバラの騎士ウォーレン。いざ参る!」
ウォーレンはビームサーベルで龍騎士に切りかかる。
「ああ、もう!」
綾はしかたなく、パートナーの援護を行うのだった。

桐生 景勝(きりゅう・かげかつ)
リンドセイ・ニーバー(りんどせい・にーばー)のイーグリットは、
ドラゴンのブレスを警戒しながら龍騎士を射撃する。
(ドラゴンを倒したほうが大変なわけじゃない、逆だ。
龍騎士の方がやばい。
ドラゴンを落とし龍騎士の戦力をそいでいくべきだ)
景勝は、ドラゴンを中心にライフルで狙う。
リンドセイは、景勝が全力で射撃に集中できるように操縦に専念する。
ドラゴンが落下していく際、龍騎士が槍を放って、最後のあがきを行う。
笹井 昇(ささい・のぼる)デビット・オブライエン(でびっと・おぶらいえん)のイーグリットが、
景勝とリンドセイをかばって、ライフルで槍を打ち落とす。
景勝は、頭部バルカンで龍騎士を撃ち殺す。
(戦争なんだから仲間が死んでも恨まないし
こっちが殺した分を恨んでくれてもいい。
両方とも譲れないもののためにやってんだ)
その様子を見て、昇は思う。
(女王の戴冠を成功させ、シャンバラを統一する為に、
これは必要な戦いなのだろうが、犠牲は少ないほうがいい。
敵も味方もな。
帝国の兵も……彼らにも国で帰りを待つ家族がいるだろうしな……。
戦いを終わらせる為の戦い……詭弁だろうが……)
「大丈夫か? また真面目に考えてるんだろ」
デビットが昇に声をかける。
「俺は所属こそ西でもヴァイシャリー人だ。
女王の戴冠はシャンバラ人の悲願っていっても、同郷人に引き金を引く訳にはいかねぇよ。
もともとは、帝国の傲慢野郎どもの横槍のせいでこんなことになったんだし、
ここは帝国にご退場願うしかないんじゃないか?」
「ああ、すまない。……ここは戦場だったな」
昇は気を引き締めて、味方の援護に集中した。

「このクェイルがどの程度の性能なのか……見極めさせてもらいます」
杵島 一哉(きしま・かずや)
アリヤ・ユースト(ありや・ゆーすと)はクェイルに搭乗していた。
一哉は、戦いながらも研究者として、
クェイルの機体や搭乗者への負荷限界などを気にする。
「ドラゴンは鱗が頑丈そうですが、翼なら、
翼膜などがあるでしょうし、空を飛んでいますから。
翼を攻撃し続ければなんとかなるはずです」
アリヤは、操縦は一哉に任せて、攻撃に専念する。
「あぶない!」
杏のコームラントが、機関銃でクェイルの背後に回ろうとした従龍騎士を打ち落とす。
「ありがとうございます。やはり、コームラントやイーグリットとは性能差がありますね……」
礼を言い、一哉はつぶやく。
「私達は従龍騎士を相手にしましょう。
それなら、こちらの方が有利なはずです」
アリヤに言われ、一哉はうなずく。