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リアクション
一方、応戦していた鏖殺寺院の構成員は、急にやんだ攻撃に不穏さを感じ、様子を見るために顔を出したところ、凄まじい光に覆われてしまう。
「うわあ!」
ちあきの光条兵器が炸裂し、そこにクレアのライフルとシャープシューターが雨あられのように降ってくると、鏖殺寺院の構成員の手前に隠されていた地雷トラップに着弾、凄まじい爆発が起こる。ハンスのパワーブレスのためか、爆発はより一層、激しいものとなった。
カーチェは、その爆発から味方をラウンドシールドで守った。
「うわあ!」
クレアたち一行を地雷トラップに誘い込むつもりだった鏖殺寺院の構成員は、逆にその地雷の爆風ではね飛ばされてしまう。
洋はトミーガンを構えたまま、倒れ込んだその構成員たちに近寄り声をかけた。
「あー、テロリストの諸君、おとなしく捕虜にならない?まあ、抵抗したければすればいい。ドラゴン? 来てくれる方が嬉しいと思っているよ。『ドラゴンを撃ち抜きし者』と呼ばれるのは光栄ではないか? 抵抗するのかい? いいよ。じゃあ、捕虜になって拷問されても文句は言わせない。死にかけたらヒールを使える奴に回復させてやる。永遠に続く恐怖と苦痛に耐えてもらおうかな」
支倉 遥(はせくら・はるか)は、それぞれ救出班、『鬼太刀会』捕縛班、鏖殺寺院へのゲリラ戦担当班の連絡係を担当していた。蒼空学園の生徒である遙は、この森の地形にはそれなりに詳しかったので、全体像を見渡すことができた。
無線の調整や、現在の状況など、森においての戦闘をとりまとめて、葉やマーゼンへの連絡を行っていた。
菅野 葉月(すがの・はづき)は、森の各入り口にあたる道から不審者の出入りが無いか、小型飛行艇で監視、チェック担当を申し出ていた。
それを蒼空学園本部におかれている、葉と環菜にあてて無線を飛ばした。その情報が傍受されないよう、周波数を変えることも怠らない。
比島 真紀(ひしま・まき)は、シャンバラ教導団の一員として、葉の捕縛隊のサポートにあたった。
葉の側につかえ、様々な情報をデータとしてまとめ上げ、遙や葉月と連絡を取り合い、各班に対しての無線連絡を行う。また、いざとなったら得意とする狙撃用ライフルを使用し、戦闘に出る準備も怠ってはいない。
☆ ☆ ☆
ジュリエット・デスリンク(じゅりえっと・ですりんく)とパートナーのジュスティーヌ・デスリンク(じゅすてぃーぬ・ですりんく)、アンドレ・マッセナ(あんどれ・まっせな)は、ばったりと羽高 魅世瑠(はだか・みせる)、フローレンス・モントゴメリー(ふろーれんす・もんとごめりー)の裸族二人に加えてラズ・ヴィシャ(らず・う゛ぃしゃ)と沼地近くで鉢合わせした。
学校は違うものの「何か儲け話や面白いことないか」との目的で蒼学周辺をうろついていたところ、この状況に出くわし、それぞれが自分たちの欲を叶えるために、『鬼太刀会』を討伐しようとチームを組んだのだった。
名付けて「チーム漁夫の利」。
恐ろしい連中である。
六人は木や藪や葦の繁みを利用し、身を隠しながら、鏖殺寺院の構成員たちを求め歩いた。
最初に鏖殺寺院の構成員を見つけたのはジュリエットであった。
「リスクをとらなければうまい話にはありつけない」が持論のジュリエットは獲物を見つけた野生の獣の目をして、舌なめずりをしていた。
「いましたわ…」
「ビンゴ!! って相手は鏖殺寺院だろ? 無理無理、あたしらが正面から戦って勝てる相手じゃないって。背後に回ろうじゃん」
魅世瑠は戦闘に参加したものの、それほど自分が戦闘能力が高くなかったことを思い出し、上手く鏖殺寺院の構成員たちの背後に回る。
それぞれが配置に就いたところで、前世は大陸軍元帥と自称するアンドレが指揮を執る。アンドレは戦場を思い出したのか、興奮して、奇声をあげた。
「戦場音楽じゃん、懐かしいじゃん、元帥の血が騒ぐじゃん! かっかれー!」
「ひい! うるせえじゃん!」
魅世瑠はアンドレの声にひっくり返りそうになった。その言葉を合図に、羽高隊とデスリンク隊の二つに分かれ、戦闘を開始する。
確かに、相手は鏖殺寺院の構成員だったがほんの二人。恐らく、歩哨として警戒に当たっていたのだろう。
しかし、そんなことはお構いなし。なんとか功績を挙げて、環菜と葉から報償をもらう事に必死になっている六人は、逆に敵が二人きりの状況を「ラッキー」と戦闘意欲を燃え上がらせたのだ。
ジュリエットは後衛にあって一撃後の離脱を支援しつつ、けが人が出た場合の備えにあたり、ジュスティーヌはランスで鏖殺寺院の歩哨たちからのアサルトカービンからの狙撃を防いだ。
「ひとごろしよくなイ! ひとごろしならコロしていい! だからラズ戦う! ン? 一気にはコロさない? たたいて逃げてまたタタくカ? ラズ理解した。もうじゅうの群レの狩りするときのやり方ダナ? 端から一匹ずつツブすやり方だナ? 狩りハ慣れてル、ラズに任せロ!」
テロリストの概念などはさっぱり頭に入っていないラズが、フローレンスや魅世瑠の前に出て、歩哨たちに飛びかかっていく。それを魅世瑠が光条兵器でフォローし、歩哨の一人の頭に飛びかかる。
「わあ!」
アサルトカービンを撃つ歩哨だったが、全くラズは動じず、ガンガンとその頭を叩いて気絶させてしまう。
「なにをする!」
もう一人の歩哨が助けに入ろうとするが、ジュリエットの繰り出すチェインスマイトにあっさりと倒れてしまった。
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