リアクション
数日後。
意識が戻ったリファニーからの情報と、ヴァーナー・ヴォネガットが街で得た情報を総合すると、こんな事実が浮かび上がってきた。
まず、リファニーや美緒の友人以外にも、かなりの数の行方不明者がいたこと。
また、石像と不明者の数が一致せず、開きがある。
つまり、何人かは、まだ戻ってきていないということ。
リファニーの最後の記憶は、「フードを被った何者かに、急に呪いをかけられて、身も心もメデューサにされてしまった」ということ。
◇
美緒の友人が探していた指輪は、上月凜の、3度にわたる献身的な捜索により、なんと発見された。
メデューサのいた区画の鉄格子に引っ掛かっていた模様。
パートナーのハールイン・ジュナは、「しばらくリング状のものは見たくありません」と語っている。
◇
ゲドー・ジャドウは、数日後、地下水路を幽鬼のように徘徊していたところを、無事に救出された。
握りしめていた地図を見た救助隊の報告によると、「何かのラクガキのようにしか見えなかった」ということらしい。
◇
……リファニーを救出した日より、新たな行方不明者は出なくなった。
ヴァイシャリー地下水路に巣くう魔物の事件は、泉美緒の帰還と、メデューサの解呪により、一応の収束を見たと言っていいだろう。
しかし、この事件に関わった誰もが、本当はまだ解決していないのだと知っている。
それはこの先訪れる、もっと大きな事件の発端なのだろうか。それとも――。
おひさしぶりです。牧村羊でございます。
図らずも石になってしまった美緒嬢に溢れんばかりの愛あるアクション、滂沱の涙と共に描かせていただきました。ここに、やっと、ようやく彼女を戻すことが出来まして、感慨無量です。
が。なにか雲行きが怪しくなってきたのも確かでして……。この先、新たな展開が待ち受けているのかもしれません。
また、今回は遅延しまして申し訳ありませんでした。お待たせした分、楽しんで頂ければ幸いです。
この度はご参加頂きまして、まことに有り難うございました!