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「ほらほらー、こっちだよー♪」
「まてー♪」
 みんなが案を考えている間騎沙良 詩穂(きさら・しほ)が『ミラージュ』を使いユリシアと追いかけっこして遊んでいた。
「えいっ! 捕まえた!」
「あらら、捕まっちゃったかー。よーし! 今度は詩穂の番だね。追いかけるぞー♪」
「わー♪」
「あれだけ見てれば平和よね」
「そうねー……」
「楽しそうで何よりですわ」
 そんな二人を微笑ましく見守る美緒とセレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)多比良 幽那(たひら・ゆうな)達。
「相手してもらっている間に私達は何か案を考えましょう」
 セレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)の言葉に頷くアッシュ・フラクシナス(あっしゅ・ふらくしなす)
「そうであるな。何か良い案はないか?」
「私から一つ」
 アッシュの言葉に手を上げる幽那。
「この子達を使うのよ」
 幽那の後ろで子供達がちょこちょこ動いている。
「さっきから気になっていたけどその子達は何かしら?」
 セレンフィリティの言葉に幽那が全員を集める。
「『アルラウネ』達よ」
「これが……」
 セレンフィリティとセレアナが興味津々な顔でアルラウネ達を見る。アルラウネ達はお構いなしに遊んでたりお話したりしている。
「アルラウネはマンドレイクの亜種。石化に対する特効薬になるはずだから、そのアルラウネ達の体液をしみこませたパッチを肌に貼り付けるのよ。そうすればある程度は石化しにくくなるはずよ」
「なるほど、美緒。どうかしら?」
 セレンフィリティの言葉にうーんと考える美緒。
「アルラウネが常にいないといけませんからちょっと大変かもしれないですね。でも、良い案ですね。候補の一つとして考えておきましょう」
「『私からは一つ制御方法を教えようと思います!』」
 ばばーん! と登場したキャロル著 不思議の国のアリス(きゃろるちょ・ふしぎのくにのありす)
「『ここはメタな能力の制御方法を教えてしまえば良いと思うでありんす』」
「なぜだろう……嫌な予感がするわ……」
 セレアナの言葉などお構いなしにどーんと胸をはる不思議の国のアリス。
「『能力が自動で発動するなら、スキル装備――』」
「すとーーーーっぷ!!! それ以上言うのはやめなさい! それは流石にまずいわ!」
 不思議の国のアリスが言い終わる前にセレンフィリティが止めた。
「わわっ! なになに? どうしたの?」
 その声にびっくりした詩穂が遊びを中断してやってきた。
「……何を言っておるのじゃそなたは」
 横で黙って話を聞いていたネロ・オクタヴィア・カエサル・アウグスタ(ねろおくたう゛ぃあ・かえさるあうぐすた)が呆れた声を出した。
「『そうすれば、一発解決! と俺は思うんだぜ!』」
「それを言ってはおしまいだろうに……」
「えっ? どうしたの? 何があったの?」
「……どうしたの?」
 戻ってこない詩穂が気になったのかメデューサまでやってきた。
「いや、気にせんでよいぞ。ちょっと不吉な事を言ったやつがおるだけじゃからのぅ」
「『良い解決案だと思ったんだけどなぁ……残念です』」
 大げさに落ち込む不思議の国のアリスだった。
「え? 何か良い解決案でもあったの?」
「色々と問題のある解決案だからダメよ。絶対」
「そう、ですわね」
「アリス……それ絶対はやめてよ?」
「解決は出来るかもしれないけど……まずいわね」
「もっとまともな案を出すのだな……」
「『そんな! みんなから否定されてしまうなんて……!』」
 結局全員から否定されるのだった。
「何か良く分からないけど、諦めないでね! 詩穂も手伝うからさ!」
「そうだよ! 私も頑張るからお姉ちゃんも頑張ってね!」
「『志穂ちゃん、ユリシアちゃん……。お姉ちゃん頑張る! さぁ、次の案を考えるわよー!』」
 二人に励まされ俄然やる気になった不思議の国のアリスを交え、次なる案を模索するのだった。