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リアクション
フラッグ付近で銃撃戦が始まった頃、隠密部隊のカオルたちを乗せた小型飛空挺ヘリフォルテから千代が降りた。
「それではみなさん、ご武運を!」
カオルたちに別れを告げ背中にSDじんるいふぉんくんボートくくり付け、ほふく前進しながら旗を目指し始める千代。
千代を見送るカオルたち。
「フラッグが見えたのは上空からであって、そこからじゃフラッグまで距離があるんじゃないか?」
「ほふく前進で進むには少々……いや、かなり大変だろうな」
「気合は十分あるみたいですが、大丈夫でしょうか?」
「遭難した時は責任を持ってボクたちが見つけてあげましょう」
「それしかないな……」
千代を心配する面々。
「ここで心配していてもしょうがない。オレたちの任務を再開させよう」
「そうだな。千代を狙う者がいないとも限らないだろう」
「うん。じゃ、先に進むよ」
小型飛空挺ヘリフォルテは東に向かって進みだした。
しばらく進んでいると連なる山々の中でも一番高い山頂にいる垂とライゼ、セシル、鈴をホークアイで発見したカオル。
「敵を発見。内一人はぽいぽいカプセルの中に入れていた自走式人間大砲を出現」
「大砲の向きは? こちらに向けられているのか?」
「いや、こっちには気が付いてない。先手を取れるな」
カオルは翼に視線を向ける。
「ボクの出番?」
「あぁ、威嚇射撃で良い。あそこに梅琳がいる」
「敵の大将がなぜこんな場所にいるんだ?」
「わからない。だがいるのならチャンスだ」
深く頷くメンバー。
小型飛空挺ヘリフォルテの扉開け翼の光状兵器であるガトリング砲を垂たちに撃つ悠。
次いでヘリフォルテからカオルが飛び降りる。
悠の威嚇射撃に驚いている垂たちの所にカオルが空から降ってきた。
「やるからには全力でやらせてもらうぜ、梅琳!」
黒豹の耳を生やした垂がいち早くそれに気が付き叫ぶ。
「避けろ!」
「危ない、梅琳さん!」
カオルは梅琳に変装している鈴に剣で斬りつけようとするがセシルの羅刹の武術で防がれてしまう。
「へぇ…やるじゃん」
「そんな余裕でいても良いのかしら!」
セシルとカオルの激しい攻守攻防が交わされる。
上空からも悠と翼の銃弾幕が飛び交う。
垂はゴッドスピードを、鈴はエンデュアを唱えて弾を避けていく。
二人が上空の気を引いている中、ライゼは大砲に自らの体を入れる。
「いっくよー! 突撃―!!」
そう言ってライゼを乗せた自走式人間大砲が発射された。
一直線にヘリフォルテへ飛んでいくライゼ。
壮大な音と共にヘリフォルテは墜落していく。
「はぁ!?」
「あら、よそ見なんていけない子」
ヘリフォルテが撃ち落とされたことに驚いているカオルの隙をついてセシルはカオルの剣を弾き飛ばす。次いで指弾で弾き飛ばされたペイント弾が当たる。
「痛っ!」
「そんなに驚くこと? ここに大砲があるのなら弾が飛んで来るなんてことは小さな子供でも分かる事ですわ。ここでの弾は弾でも人間、ですけれど」
得意げにそうセシルは言って、垂たちのいる方へ戻っていく。
「じゃーん! 僕すごいでしょ!?」
「ええ。ですが怪我の方はしませんでしたか?」
「平気平気」
「それじゃ、本来の目的に移ろうか」
「もちろん!」
自走式人間大砲に乗り込むライゼと垂。
「二人とも、俺らについて来れるよな?」
「ついていけるわ」
「あの……わたくし速度を上げるような手段を持ち合わせていません」
「なら、ライゼと交替。ライゼは翼があるから」
「えー、僕また飛びたかったのに」
残念がるも場所を譲ったライゼは我は纏う無垢の翼を背中に展開する。
どきどきしながら砲塔に乗る鈴。
「それじゃ、フラッグまでノンストップで行くぞ!」
発射される垂と鈴。それを追う軽身功と神速を使ったセシルと翼をはばたかせて飛ぶライゼ。
鈴の悲鳴が遠くまで聴こえてくる……。
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