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リアクション
着々と揃うお茶会出席のメンバー達。
賑やかになっていくカフェテリア内をアルセーネが楽しげに見ていると、そこへ想詠 夢悠(おもなが・ゆめちか)とそのパートナー、想詠 瑠兎子(おもなが・るうね)が訪れる。
「初めましてね。ワタシは想詠 瑠兎子。雅羅ちゃんとは、とぉ〜〜っても! 仲良くさせてもらってるわ! これからよろしくね、アルセーネちゃん♪」
「ええ、仲良くして頂けるのなら私も嬉しいですわ。こちらこそよろしくお願い致しますね」
差し出された瑠兎子の手を、アルセーネが握る。
握手を交わす二人の隣で、夢悠も手を差し出した。
「初めまして。オレは想詠 夢悠だよ。……もしかすると雅羅さんから変な事を聞いているかもしれないけど……よ、よろしくね」
「ふふ。ええ、よろしくお願いしますわ」
少し居心地の悪そうに視線を逸らす夢悠を見て、どうやら思い当たることがあった様子のアルセーネ。
微笑ましさに出る笑みを堪えながらも、夢悠とも握手を交わした。
「こんにちはー。俺たちともよろしくしてくれるかな?」
背後から声を掛けられ、アルセーネが振り向く。
「あれ、双子……?」
彼らの姿を見て、少しビックリしたように呟く夢悠。
アルセーネの背後に立っていたのは三途川 幽(みとがわ・ゆう)と三途川 霊(みとがわ・れい)。
夢悠の言葉に、否定を示すように首を横に振ったのは幽の方だった。
「いや、よく聞かれるけど違う。パートナーではあるけど。俺は三途川 幽だ。よろしく」
「俺は三途川 霊! よろしく! まあ、名前もそっくりで見た目もそっくりだと、そう思われるのも当然のことだとは思うけどね」
話しながら、二人はアルセーネや夢悠とも握手を交わしていく。
「さっきアキレウスにそこで会ってお茶会に誘われたんだ。今日はお邪魔させてもらうね」
「ええ、歓迎しますわ」
霊の言葉に、アルセーネは嬉しそうに微笑んだ。
カフェテリアの入り口付近に、到着したばかりのメンバーも挨拶を交わしていた。
「俺は瀬乃 和深。こっちはコイツはパートナーの流だ。よろしく」
「上守 流です。よろしくお願いします」
瀬乃 和深(せの・かずみ)は、パートナーの上守 流(かみもり・ながれ)を指差しつつ自己紹介をする。
「こちらこそ、よろしくのう。わしはルファン・グルーガという」
ルファン・グルーガ(るふぁん・ぐるーが)も頭を下げつつ自己紹介をする。
それに続くようにルファンのパートナー、イリア・ヘラー(いりあ・へらー)、ギャドル・アベロン(ぎゃどる・あべろん)、ウォーレン・シュトロン(うぉーれん・しゅとろん)も自ら名乗っていった。
「ダーリン、お茶会楽しみだねー! みんなと仲良くなれるかな」
「皆と仲良くなりてぇってんなら、そうやってルファンに引っ付いてんじゃねーよ」
「そんなのイリアの勝手だもん! ギャザオに指図されたくなーい」
「あ? てめぇこそ何なんだよその態度は! いい加減にしやがれよ!?」
いつものように口喧嘩が始まってしまうイリアとギャドル。
そんな二人をウォーレンが楽しげに眺める。
「あーあ、またいつもみたいに始まっちゃったねぇ。お茶会が始まったら大人しくなってくれるものなのか」
口調は呆れたものながらも、表情とは合っていない様子だ。
「おい、二人ともいい加減にするのじゃ。周りに迷惑をかけておるぞ」
見兼ねたルファンが一喝する。
厳しい表情のルファンを見て、二人は渋々ながらも口論を止めた。
「すまぬ。見苦しいところを見せてしまった」
「いや、別に気にしてないよ。賑やかで面白そうじゃないか」
頭を下げるルファンに、和深は首を横に振る。
「元気があっていいじゃねぇか。いつも楽しそうで、俺は羨ましいと思うぜ」
第三者の声に、皆の視線が入り口に集まる。
ラルク・アントゥルース(らるく・あんとぅるーす)はそんな視線に物怖じすることなく、輪の中に入り込んだ。
「おっと、わりぃな。急に声かけちまって驚かせたか?」
「いや、そんなことはないぜ。そっちも今日のお茶会の参加者か? だったらよろしく」
「ああ、参加自由だって話を聞いてきたからな。こっちもよろしく」
一歩前へ出たウォーレンと手を握り合うラルク。
そこへ、俊足を活かして走り込んできたアキレウス、彼に手を引かれてきた東雲とリキュカリアが到着した。
「ふう、どうやら間に合ったみたいだな」
二人の手を離し、ぐるりと辺りを見回して呟くアキレウス。
そんなアキレウスにラルクが歩み寄る。
「おっす! 初めましてだなー。俺ラルクっつーんだ。よろしくな!」
「ん? ああ、自分はアキレウス。よろし……」
「……っぐ、こほっ。ごっほ、げっほぉ!!」
二人もまた握手を交わそうとしていたところに、東雲の苦しげな咳が響き渡った。
一瞬にして静まるカフェテリア内。
「ちょっと、東雲大丈夫!? 体弱いのにあんなに走ることになるから。んもうー! 全部キミの所為なんだからね!」
ずびしっとアキレウスを指差すリキュカリア。
「あ……いや、すまない」
苦しげな東雲を見て、申し訳なさそうに頭をかくアキレウス。
「リキュカリア。僕は大丈夫だから。あ、心配かけてごめんなさい」
ようやく咳の治まった東雲は、しゃがんでいた姿勢から立ち上がる。
東雲の様子が無事だったことに、カフェテリア内もすぐに騒然さを取り戻した。
「そろそろ頃合ですわね。では、お茶会を開始することに致しましょうか」
「だな。それじゃあ皆―、好きなところに座ってくれー!」
アルセーネとアキレウスの言葉を合図に、各々が思い思いの位置に着いた。
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