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リアクション
「俺は石の回収にでも行くか。その前にその傷を治療した方がいいな」
陽一は消えた石の回収をする事にした。その前に気になるのはホシカの両腕の包帯。
「治療ならわたくし達にお任せ下さい」
ミリィが治療を引き受けようと声を上げた。
「石回収に行くならいくつか破壊せず持って来てくれないかな」
涼介は少しばかり消えた石について違和感を感じ、調べる必要があると思っていた。
「何か調べるんだな」
陽一はすぐに涼介が何をするのか分かっていた。
「そのつもりだよ。何かおかしいと思う事がいくつかあって」
涼介はこくりとうなずいた。
「……確かにそれはある。分かった、引き受けよう」
陽一はホシカの治療を涼介達に任せ、石回収に出た。
早速、ホシカの両腕の治療を始める事に。
「ホシカさん、腕を出して下さい」
ミリィはホシカに腕を出すよう指示をした。まずは怪我の状態を確認する必要がある。
「あ、はい……痛みは少しだけ治まったんだけど。跡、残っちゃうかな」
ホシカは両腕を差し出した。ミリィは丁寧に両腕の包帯を解き、痛々しい状態を確認。
「その心配は無用ですわ。傷跡は絶対に残らないようにしますから」
ミリィはホシカを安心させるように笑顔で答えた。【パラミタ版 家庭の医学】で処置の仕方は分かっている。
そして、
「お父様、薬箱から薬草をいただけませんか?」
涼介に頼み、ルシュドの薬箱から治療に適切な薬草を貰おうと声をかけた。『薬学』を持つミリィはもうどんな薬草が必要か分かっているのだ。
「分かった。確か、これを煎じて塗り薬にすれば傷も残らないはずだ。煎じるのは私がするよ」
『医学』と『薬学』を持つ涼介は手早く適切な薬草をいくつか取り出し、作業を始めた。二人共、医者を目指す者としてホシカの怪我は見過ごす事は出来なかった。
「はい、お願いします」
ミリィは待っている間、新しい包帯を準備していた。『医学』を持つミリィは塗り薬が出来るなり手早く治療を始め、終わらせた。
「……ありがとう」
ホシカは治療をしてくれた二人に礼を言った。
「いえ、医者を志す者として当然の事ですわ」
「ホシカさんは、ゆっくりと休んでいて下さい。僕らは、石の処理を手伝います。ミリィ、作業を始めようか」
医者を志す者として当然の事をした二人は店内の石処理をする事に決めた。消えた石は他の者に任せておいても大丈夫。何せ歴戦の猛者達ばかりなので心配は無い。
「はい」
ミリィはうなずき、涼介と共に作業室に行き、取りかかった。
売り場に残ったのはホシカとルカルカだけ。
石専門店『ストッツ』、前。
「……閉店ですね。今日は定休日ではないはずですが」
山葉 加夜(やまは・かや)は閉店プレートを確認した後、営業日を見た。
「どうしましょうか」
加夜は困ったようにドアを見ていた。
「……外を見て来る」
キーアとグィネヴィアを心配して店内で待ってられなくなったホシカは外に出た。
そして、
「あ!」
加夜に遭遇。
「あの、今日は定休日では無いのに閉店みたいですが」
いきなり出て来たホシカに驚きつつも加夜は事情を訊ねた。
「ごめんなさいね」
ホシカは申し訳なさそうに客である加夜に謝った。
「何かお困りでしたら協力させて下さい」
「ありがとう。実は……」
ホシカは大変な事情を話した。
「そうですか。では、グィネヴィアちゃんを捜すのをお手伝いします」
加夜はグィネヴィア捜索に協力する事にした。
「だったら、グィネヴィアの写真を送るよ」
「お願いします」
ホシカを止めようと出て来たルカルカはグィネヴィアの写真を加夜のケータイに送った。
「では、急ぎますね」
加夜は急いで捜索を始めた。
加夜が捜索に出てすぐ
「……依頼を出していた店はここだね」
ホシカの依頼を知ってやって来たローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)が来た。
ノックをするとすぐにホシカが出て来た。
「……石処理の依頼で」
ローザマリアは訳を話した。
「ありがとうございます。どうぞ」
ホシカは礼を言ってローザマリアを店内に招き、大変な事情を話した。
「大変な事になってるね。石処理で来たけど、それだけ人がいるなら私はグィネヴィアを捜しに行こうかな。大変な目に遭わないうちに早く助けなきゃ」
事情を全て聞き終えたローザマリアは、石処理ではなくグィネヴィアの捜索をする事に決めた。
捜索出発前に
「それならグィネヴィアの写真を渡すよ」
「うん、お願い」
ルカルカから行方不明者二名の写真を手に入れてから店を出た。
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