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ジヴォート君のお礼参り

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ジヴォート君のお礼参り

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★Let’s Party!とか聞くと、眼帯を思い出す・2★


「さすがイキモさんとこのパーティー、出される料理の質が違うわねー」
 そう声に出したセレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)は、なんと驚くことにいつものビキニにコートではなく、上品なドレスに身を包んでいた。髪も結い上げており、どこかの令嬢のように見える。
 しかしながら料理を前にしてすぐに化けの皮がはがれた。
 今まさにセレンフィリティへ声をかけようとしていた男性客があんぐりと口を開けている。目に見える料理を片っぱしから食べていくその姿は、どこか迫力がある。だが本当に美味しそうであることと食べ方が上品であるためか、下品には見えない。次から次へと料理の皿が空になっていく。
 これだけ食べてよくあの体型が維持できるものだと感心する。
「セレンはどこ……はぁ」
 そんな恋人の姿を発見したセレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)はただ呆れるだけで注意する気も起きないらしい。もちろんセレアナもまたドレスを身につけており、元々貴族令嬢なだけあり、グラスを片手に立っているだけで絵になる。
 セレアナに声をかけてくる男たちもいたが上品にあしらい、食事をつまみつつセレンフィリティが暴走しないか気を配る。
「おやセレアナさんですか? ドレスがよくお似合いで」
「ありがとうございます」
 そこへイキモがやってきて挨拶する。しばしそのまま話し合っていると、突如会場が沸き立つ。声の方へと目をやれば、セレンフィリティがドレスを脱ぎだしていた。
「あー、暑いー」
 ドレスの下にはいつものごとくビキニ。顔が若干赤いので酒を飲んで、酔いが回ってきたらしい。酒もかなり飲んだらしく、グラスが転がっていた。
 そのまま何をするかと思えばステージに乱入。妖しく踊りだす。と、演奏者たちは少し戸惑った後、さすがプロ。セレンフィリティのダンスに合わせて音楽を変えた。
「……あの、申し訳ありません。どこか休める場所はありませんか?」
「はっあ、そうですね。部屋を用意させていただきます」
「本当に申し訳ありません」
 先の展開が読めたセレアナは、イキモに謝罪しつつ部屋を用意してもらっていた。頭が痛そうなのは決して見間違いじゃないだろう。



 その後、パーティは盛り上がり、食べて、飲んで、歌って、踊って、騒いだ。
「や、やっぱり俺、帰る」
「どこに帰るつもり〜?」
「取り押さえろ〜」
 途中、父親とお化け屋敷に行くことに妙に恥ずかしさを覚えたジヴォートが逃げ出そうとしたが、全員で取り押さえる。ジヴォートは怒って悔しそうな顔をしたが、それは年相応の表情で……イキモがそんな様子を楽しげに見つめていた。
「お前ら、大勢で卑怯だろ!」

 そんな叫び声が響きつつ、パーティは無事に閉幕したのだった。

担当マスターより

▼担当マスター

舞傘 真紅染

▼マスターコメント

 リア獣。変換してパッと出て来た時は吹きました。
 なにはさておき、りあじゅう問題もパーティも、親子関係?もなんとかなったようです。
 ジヴォート君、かなり世間知らずのお坊ちゃんですがよくしていただいてありがとうございました。ちょっと成長してくれたらいいんですが。
 パーティの方も楽しんでいただければ幸いです。イキモさんも喜んでおります。

 ではみな様、今回はご参加いただきありがとうございました。