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【第四話】海と火砲と機動兵器

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【第四話】海と火砲と機動兵器

リアクション


第二章

 同日 数時間後 海京沿岸 “土佐”CIC

「アイツら、海京自体は巨大とは言え只の台船の集合体に過ぎないと判っててあんなモン送り込んできやがったのか? だとしたら、意図的に海京の住民を皆殺しにするつもりとしか思えんな」
 天学から出撃した防衛部隊の旗艦となった湊川 亮一(みなとがわ・りょういち)はブリッジで戦況を確認しながら策を練っていた。
「判ってないでやったとしたらなお性質が悪い。逃げ場の無い浮遊構造体に大火力を投射すればどんなに正確な照準でも巻き添えが発生すると何故気が付かん?」
 モニターに表示される情報に目を走らせる亮一。
「……ああ、自分の目的しか見ない奴には最初から関係ない話か」
 会敵の瞬間がもうすぐそこまで迫っているのを確認し、亮一はマイクを取った。
「全艦戦闘配置! ブリッジクルーはCICに移動しろ!」
 艦橋構造物下部の装甲内区画に設置されたCICで指揮を執るべく、亮一はそこに詰めていた。
 亮一と同じくそこに詰めていた、オペレーターである高嶋 梓(たかしま・あずさ)が亮一の命令を復唱する。
「全艦戦闘配置。ブリッジクルーはCICに移動」
 それを受けて、数々のクルーが次々とCICへと駆けつけてくる。
 すぐにクルーが揃ったCIC。
 既に土佐の戦闘準備は万全だ。
 CICのクルーだけではない。
「こちら格納庫、整備班アルバート・ハウゼン(あるばーと・はうぜん)。準備完了」
「同じく格納庫、整備班ソフィア・グロリア(そふぃあ・ぐろりあ)。準備完了ですわ」
 格納庫に詰めている二人からの通信も入る。
 それを聞いて頷いた亮一は、マイクに向けて告げた。
「全艦に告ぐ――これより戦闘を開始する!」