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リアクション
◆Eat the meat
「スタッフさん、手伝ってください!」
コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)とロレンツォ・バルトーリ(ろれんつぉ・ばるとーり)の二人が舞台に上がり、ハーティオンを移動させようとしたが重すぎて持ち上がらないようでコハクがスタッフを呼び十人がかりでハーティオンを運び終わると、舞台の料理人はまた変っていた。
今度は諸葛亮 芽依(しょかつりょう・めい)がパイのような料理と共に出て来たのだ。
「次の料理はメインとの事ですが、諸葛亮さんは何を作って来たのですか?」
「フレンチフライをキャンプファイヤーの薪のように組み上げて、その上に荒挽きにした挽肉をパイ生地で包んでオーブンで焼き上げました。仕上げをするんで松崎さん離れててください」
芽依は、銅で作られたソースパンを持ち上げるとブロック状のパイの周囲へと何か透明な液体を掛けて行く。度数の高い酒は、火気に反応すると一瞬で燃えだした。
「このソースパンの中に入っている物は?」
「ただの高アルコール度のお酒だよ」
その料理はまるで、火の中に入れられた牛のように見える。
「上手に焼けましたー!!」
芽依は、やったーと言うようなポーズをすると、濡れた布巾をパイ皿に掛けて火を消し、七人分に切り分けてテーブルへと出された。
「さぁ、召し上がれ」
とても笑顔な表情の芽依に気押されるように、アッシュ達はパイを一口分に切ると口に入れる。
言葉にできないくらいの辛さが口の中で広がるのが判った。
「み……水っ!!」
六人はグラスに入っている水を飲み干したのだが、それでもまだ口の中が辛すぎて痛いのだ。
「挽肉の中に、粒黒コショウと荒挽きの揚げニンニク。超小粒のニルビッキーヌ唐辛子を混ぜてブロック状にしたから」
「じ……自分達を殺す気でありますか!?」
「うん。偽……いや、チャンピオン・アッシュもろとも倒すよ」
何気に怖い発言をした芽依であった。
半分しか食べられていないパイを前に三月と小暮が倒れ、戦線復帰班が出動した以外は皆パイを食べきったのだった。
倒れた三月と、小暮のボディーマッスルな筋肉はいつの間にか消えていた。
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