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―アリスインゲート2―Re:

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―アリスインゲート2―Re:

リアクション

――その場に崩れた。

 ルールがある。
 世界と世界のルールだ。
 重層世界のモノは例外を除いて、彼らの世界に持っていくことは出来ない。
 もっていけたとしても砂塵のように崩れ消えてしまう。
 電子的情報もまた消滅し、物質は崩壊する。

 それは、今でも変わらない。

 変わったのは、その世界のルールの拒絶が“曖昧”になったことだけ。

――だから、
 彼女は残った半身を地面から“出しているかのように”ジタバタと動かしているのは必然だった。
 体も半分足も手も半分顔も半分何もかもが半分になった彼女は半分になった視界に半分だけの思考と半分だけの感覚で身動ぎ半分になった自分が今どうなっているのかを半分の目で半分だけ確認し半分も理解できなかった。
 そのうちに半分の彼女は無くなった半分の脳と半分の肺と半分の心臓と半分の臓器と半分の骨と半分の肉と半分の血液と半分の魂は消えたもう半分と同じく、その半分の機能をも停止させた。
 ちぎれた熊の髪留めを握って半分の彼女は絶命した。

 アリサは気付いた。パラミタに渡ってから。その手に握った小さな感覚がなくなっていることに。
 そのゲートの向こうに絶叫が木霊した。が、絶叫がゲートを通り抜けはしない。
 彼女のように音の振動もまた、向こうには行けない。


 奇しくも、空軍技術開発局開発軍事的特殊戦略兵器カテゴリーF―code020712―はこうして完全に処分された。