リアクション
戦闘終了後 迅竜 食堂
「どうか……皆様、御無事で」
戦闘が終了する頃。
迅竜の厨房ではクエスティーナ・アリア(くえすてぃーな・ありあ)はパイロット達の無事を祈りながら、『お帰りなさいのホットドリンク』を作っていた。
今回の戦闘において迅竜クルーが力を発揮できた理由の一つが彼女の作った食事だった。
定番のカレーを、大きな鍋で沢山作った彼女。
食堂に来れないくらい大変な場所――整備の現場や艦橋にはデリバリーをした。
食べやすさ優先で、オニギリとカップ入りのカレースープはとても好評であった。
そして、出撃するパイロットには小型の焼きドーナツを四つ入れてリボンで可愛く口を縛った小袋を作り、座席に置いておいた。
生地には即効性のパワーを生むよう、ハチミツが練り込まれている。
『頑張って下さいね』
その言葉が書かれたカードも添えるという、至れり尽くせりの気遣いだ。
やがてホットドリンクを作り終えた頃、丁度戦闘配備が解除される。
それで緊張の糸が切れたのか、クエスティーナは食堂の一角にある椅子で眠り始めた。
彼女のパートナーであるサイアス・アマルナート(さいあす・あまるなーと)はコートを布団代わりにかけてやると、そっと彼女に言った。
「お疲れ様、クエス」
そしてサイアスはそのまま、給仕班の仕事を引き継いだのだった。
「さ、明日の仕込をしておくかな」