リアクション
【秋、紅葉、女子会】 ◆ とある休日、蒼空学園近郊の森で栗拾いのイベントにヴァレリアの姿があった。 「このようなイベントがあったなんて、知りませんでしたわ! お誘い頂いてありがとうございます」 ヴァレリアは、イベントに誘ってくれた上條 優夏(かみじょう・ゆうか)に声を弾ませつつペコリと頭を下げた。 「拾った栗でスイーツも作れるそうよ。それも楽しみね」 フィリーネ・カシオメイサ(ふぃりーね・かしおめいさ)は栗を拾いながら、ヴァレリアと優夏に微笑みかけた。 「栗拾いに栗使った料理、この時期やと美味しそうやね」 「あたいはどんぐりひろいとくいだよー、ちーさいあきみーつけたー」 横からひょこっと頭を出したチルナ・クレマチス(ちるな・くれまちす)が、両手いっぱいのどんぐりを優夏に差し出す。 「あ、チルナ、ドングリちゃう、栗や。けどドングリ拾いは懐かしいなぁ」 「えーどんぐりじゃだめー?」 「ドングリはちょっと違うけど、あとでドングリ使ったおもちゃでも作ったらどうかしら?」 「まあ、素敵ですわね」 優夏たちはなんやかんやとおしゃべりをしつつ、森を歩いて回り大きな栗を拾っていった。 「こんなもんやろ!」 しばらく森を歩いて回れば、美味しそうな栗がたくさん集まった。 「それじゃあ、栗のスイーツを作りましょう」 「何を作りますの?」 「秋は食べ物がおいしい季節だもの、何を作っても美味しいと思うわ!」 フィリーネとヴァレリアは二人並んで、ワクワクとスイーツ作りの下準備を進めていく。 「やるからには真剣に作らないとね、美味しいお菓子で女子力アップよ☆」 「スイーツ魔法少女って少し反則な気もするけど、これヴァレリアもやったらウケそうなんとちゃう?」 優夏がヴァレリアに提案すると、みんなの横からスイーツ作りを眺めていたチルナがひょこと顔を出した。 「ばれりあも、まほーしょーじょになるのー?」 「魔法少女……なれますかしら?」 「大丈夫よ! このレシピを覚えていって、女子会をするときの話のタネにしてね?」 ヴァレリアと話しながらも、手際よく栗を煮たり、ペーストを作っていくフィリーネ。 「覚えられるかしら。頑張りますわ!」 「やっぱりフィーは何やらしても凄いなぁ、いい嫁さんになりそうやね」 意気込むヴァレリアの後ろで、優夏はフィリーネの姿を見て少し赤面しつつ呟く。 フィリーネはカジュアルな衣装だが、露出が多めで体のラインが出ており、改めて優夏はドキリとする。 「あら? あたしは勿論いいお嫁さんになるつもりよ?」 少しイタズラっぽく微笑んで、フィリーネは優夏の手を取り、体を密着させた。 「あたいしってるよー、りょーさいけんぼ、ってやつだよねー? ばれりあもりょーさいけんぼになるの〜?」 「なりたいですわね」 チルナとヴァレリアは、優夏とフィリーネを見つめて微笑む。 「さあ、もうすぐできあがるわよ」 「わぁ、素敵……わたくしも練習しますわ」 フィリーネが声をかければ、もうスイーツは完成間近だ。 「今度、あたしも女子会に参加したいわ」 「ええ! 是非また女子会でもお話しいたしましょう」 優夏たちは出来上がったスイーツを食べながら、楽しいひと時を過ごしたのだった。 |
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