イルミンスール魔法学校へ

シャンバラ教導団

校長室

百合園女学院へ

四季の彩り・春~桜色に包まれて~

リアクション公開中!

四季の彩り・春~桜色に包まれて~

リアクション

 
 第9章 あこがれの おにいちゃん☆

 エヴァルト達に手を振って座りなおすと、ピノは道明寺を手に取ってぱくついた。
「このピンクのおはぎみたいな桜餅、おいしいね! あんまり食べたことなかったけど……」
 無邪気に感想を言って残りを口に入れる。でも道明寺は上手に食べないと手がべたべたになってしまうわけで。それを見て、大地がすかさずティッシュを差し出す。
「ピノさん、アルコールティッシュありますよ。これで手を拭いてください」
「ありがとーっ!」
 それはスヴェンが用意したものなのだが、この時点で手柄は彼のものである。
「甘いものの後はお茶が欲しいですよね。お湯で薄めました。ピノさんは苦味の濃いお茶は苦手だろうと思いまして。どうですか?」
「うん、ちょうどいいよ!」
「すごいお弁当の数々ですわ〜。でも、減るのも早いですわね〜。ピノちゃん、好きなもの食べてますか〜?」
「うん! 大丈夫だよ!」
 色とりどりのお弁当や談笑風景を撮影しながら、シーラもピノとそんな会話をしている。真菜華も遠くに置いてある皆が作ってきたお弁当から、ケイラや大地が作ってきた近くのものまで、欲張りにあれもこれもと食べまくっていた。特に大地の重箱は、味だけではなく見た目も華やかでついつい手が伸びてしまう。
「大地さんのお料理はすごいのです……。ケイラちゃんのお菓子も美味しいのです……」
 夢中になって食べているうちに飲み物も欲しくなってきょろきょろとしたり。
「はい、どうぞ」
「んっ! グッドタイミングーっ!」
 そこで、大地がコップを差し出してそれを一気に飲む。彼は、空になりかけた皆のコップに飲み物を入れてまわっていた。
「まあ、色々あったし色々あるけれど、今は花見を楽しみましょう」
 それぞれが何を飲んでいたかも覚えていて、さりげなく同じものを注いでいく。時にはリクエストを聞いて別のものを渡したり。
 スムーズにてきぱきと動くので、この大人数でもあまり気にならない。
 て……、何か忘れているような。
「お前ら……、もっと俺を心配しろよ……」
 何とも恨めしそうな声にそれぞれ目を上げると、コメディ補正が適用されて復活したラスが戻ってきていた。すっかりくつろいでいる彼等に文句の1つか2つか3つくらいありそうな雰囲気だ。実際に言う事があるかどうかは別として。
「何を言ってるんです? 今日はお花見です。心配とか、そういうことを一切しなくていい日なんですよ。実際、ラスさんも問題無く戻って来られたわけですし」
 本日はナチュラルにいぢわるモード全開な大地が言う。これがお花見じゃなければ次のガイドではミイラになっていたかもしれないがお花見なので無問題だ。
「…………」
「頭や服に葉っぱついてますよ。花びらとか」
「…………」
 ものすごく不本意そうに、ラスは花やら草やら摘んで捨てる。そんな作業をしてからシートに座り、笑顔を絶やさない大地に彼は言った。
「あんまり過保護にすんなよ。ピノだってそれなりに1人で何とか出来るんだから」
 どの口が言う……!? と、近くにいた皆が一瞬だけ手を止めた。その中で、ケイラが皿を取って話し掛ける。
「ラスさん、食べるよりお酒の量の方が多かったよね。どれなら食べられそう、取り分けようか?」
「……そういうお前は、良く食ってたよな」
「うん、ちょっと本気出してみたよ。志位さんがたっぷり作って来てくれたしね」
 そのたっぷり作ってきたお弁当ももう半分以上減っていて。
 何だか、自分が偏食だといういらん情報が広まっている気がする……と思いながら、ラスは色々とリクエストしてみる。そんな彼を甲斐甲斐しくお世話し始めたケイラの隣で、響子は桜を見上げてぼうっとしていた。いや、ぼうっとしているように見えるだけで、実際はそうでもないのだが。
(桜……綺麗……ケイラももっと景色を楽しむべき、かと)
 首の角度はそのままに、くいくいとケイラの服を引っ張る。
「ん? 響子も何か食べる?」
「…………」
 そうじゃない……。けど、何となく、ケイラは桜よりはやっぱり食べる方がいいのかな? と口には出さないでおく。
 料理を囲んで、皆、他愛ない話やこれまでの思い出話で笑い合っている。ピノも、今日は純粋な笑顔を浮かべているように見えた。
(ピノ様達も楽しんでいるみたいで良かった、と思う……。僕も楽しそうな皆さんを見てると楽しい気分になるし……あまり顔に出ないのが残念)
 隣ではケイラが料理をてんこもりにした皿をラスに渡していて。
「多いだろ、これ……」
「あれ? そうかな」
 そんな会話をしているのを何とはなしに眺め、響子はふと昔の事を思い出した。ラスとピノの部屋に行った時の事。
「あ……ラス様、以前お部屋のプリンを食べてしまったのに謝ってませんでした……ごめんなさい……」
「プリン?」
 彼はきょとんとして響子を見返す。思い当たる節が無いらしく、暫く記憶を辿るように桜に目を遣ってそれからああ、と言う。ピノがむきプリ君に拉致られた時の事だ。
「そういえばそんな事もあったな。随分前だから忘れてたけど」
 今でも、あのプリンはピノのお気に入りで定期的に取り寄せを要求されていたりする。
「……僕、プリンだけは……凄く好きで……。つまり……、つまり……?」
 少し考えて、響子は続ける。
「あの時は……ラス様への気遣いよりもプリンを優先しまって……。ラス様がプリン以下って事はないと思います……けど」
「…………」
 その言葉に、ラスは複雑な表情になった。何故……何故今、『ます』と『けど』の間で時間を置いた? その自信無さげな言い方は何だ。どうして迷う?
(まさか、マジでプリン以下だったりしないよな……。いや、いいけど別に……。いや良くないだろそれは流石に、プリン以下って……)
 いやいやあれは高級プリンだし仕方ない、まさかプッチンプリン3連パック以下ということはないだろう。……ないよな?
 とか何か1人でがっくりしている彼を余所に、謝罪を済ませた響子は憂い無くお弁当に目を戻す。箸を持ち直し、改めて感想を。
「志位様のお弁当、凄く美味しいですね……。せっかくなので僕ももっと……いただきます。お料理が上手くて……さりげない気配りが出来る方なんですね……尊敬します」
「いえいえ、そんなことはないですよ。俺はまだまだです」
 笑顔で忌憚無く謙遜する大地に、ピノが顔を上げて響子の言葉を補足する。
「大地さんは優しいよ? うーん、何ていうのかな、かゆい所に手が届く感じっていうか……。一緒に居ると落ち着くし、ウザくないし」
「そりゃ、あんだけ世話してもらえばそういう評価にもなるよな……」
 絶対腹黒いぞこいつ、ともラスは思うが、先程行動動機を聞いただけに一概にそうも言い切れず、否定も出来ない。
「ラスは大地さんを超えるのは無理だと思うにゃー? お料理も気配りも全然負けてるしー」
 もぐもぐと口を動かしつつ、真菜華も言う。
「別に超えたいとも思わないから良いんだよ」
「でも、おにいちゃんも、もう少し大地さんを見習ってほしいなー。シーラさんも良い人だし、じゃないと、あたし大地さんの妹になっちゃうよ?」
「!!!!!」
 冗談めかしてピノが言う。不甲斐ないラスに発破をかけるような口調だったのだが、保護者というのは存外そういう言葉が堪えるものだ。
 何だかショックを受けたような顔でやけ酒とばかりに近くに置いてあるビールを手に取る。3分の1くらい飲んで顔を上げ、皆がにやにやしているのを見て彼は気付いた。
「お前ら……グルになって俺をからかっただろ! 大地をやけに持ち上げると思ったら……!」
「マナカ達はホントのことしか言わないよー? 考えすぎだにゃー。ねー、ピノちゃん!」
「うん、マナカちゃん!」
「…………。……ったく、どいつもこいつも……。人で遊ぶのもいい加減にしとけよ」
「あれ〜? イジられたくないんですか〜? それで良いんですか〜?」
 そこで、納豆巻きイジりを仕掛けてきた神代 明日香(かみしろ・あすか)がお茶を飲みながらのんびりと話に入ってきた。今考えれば、あの納豆巻きはやはり意図的としか思えない訳で。何処から情報を得たのかは知らないが。
「当たり前だろ。どこの世界に喜ぶやつが……、まあ、いるにはいるかもしれないけど俺はMじゃないからな」
「知ってますか〜? ウサギは寂しいと死んでしまいます。それと同じで、ラスさんはイジられないと寂しくて死んでしまいます。だから、ただ単にラスさんをイジって楽しんでいるんじゃないんですよ〜」
「は? 何だその理屈。そんな訳……」
「本当に構われない方がいいんですか〜? じゃあ、ピノちゃんを構いすぎるのもやめてください〜。放っておいてもピノちゃんは死なないですし、構う必要もないですよね? 心配することもないです。それで良いんですね」
 明日香はピノの両脇を持って、ほら、というような顔で問い詰めてきた。ちなみに、ピノは今日、うさみみパーカーを着ていたりする。ウサギつながりだ。
「それとこれとは違うだろ!」
「同じですぅ〜。寂しくないようにピノちゃんを構う。ラスさんが死なないように私達はイジる。ほら、同じですぅ〜」
「…………」
 めちゃくちゃだ。めちゃくちゃだが何と反論していいのか咄嗟に言葉が思いつかない。
「おにいちゃん、イジられたくないならもっとちゃんとすればいいんだよ! 無理だと思うけど……まあ、万が一マシになるってこともあるし」
「ぴ、ピノ……」
「ら、ラスさん、そんなに落ち込まなくても大丈夫だよ」
 酷い言い草にがっくりしていると、ケイラが慌てた調子で話しかけてくる。
「ラスさんは蛇が苦手でも多少生活がしっかりしてなくても実はすぐ頭に血が上っちゃっても良いお兄さんだよ! 1番じゃなくてもおんりーわんのお兄さんになればいいんだよ!」
 頑張ってフォローをしているようで全然フォローになってない。むしろ墓穴を掘っている。何だか泣きたくなってくる。
「……もういい」
「うーん、さすがにちょっと気の毒になってくるわね……」
 一連のやりとりを見ていたファーシーもそう言って唸って。ケイラは「?」と皆を見回した。分かっていないようだ。
「あ、あれ? 自分、何か変なこと言ったかな。あれ?」
「おーっす! 盛り上がっとるかーっ?」
 そこで元気な挨拶が聞こえてきて、彼等は声のした方を振り返った。
「そこに宴会があるならば宴会部長がやってくる! そう! それが俺、日下部 社(くさかべ・やしろ)や〜!」
 自分達が来たのとほぼ同じ道筋を通って、社と日下部 千尋(くさかべ・ちひろ)が歩いてくる。千尋はピノの姿を見て、嬉しそうに走ってきた。
「わー! ピノちゃーん! 元気にしてたー?」
「うん! 元気だったよー!」
「あっ! ちーちゃん! こないだぶりー!!」
 真菜華も、またもやオリジナル言語と共に千尋にがばっと抱きつきに行く。途端に、場が華やかな女子の声で溢れ始めた。
「真菜華ちゃん! こんにちはー☆」
 抱っこされたまま、千尋はファーシーやケイラの姿を見つけて挨拶した。こういう所は、何気にちゃんとしている。
「ファーシーちゃん! ケイラちゃんも来てたんだね♪ 今日は一緒に楽しもうね♪」
「うん。あ、そうだ、お弁当食べる? 甘いデザートもあるよ」
「デザート? 美味しそうだねーっ。良い匂いがするよ♪」
 そんな中。社は1人縦線をやま背負っているラスに声を掛ける。
「何やラッスン、宴会だってのに元気無いな? 何かあったんか?」
「社……俺、そんなにダメか? 何か、めたくそに言われたんだけど……」
 いつもならそのテンションの高さに辟易するところだが、現在の彼には、社が何か輝いて見えた。同じ妹を持つシスコ……兄として、社ならきっと話が通じるだろう。だが。
「ん? 兄としてってことか? ダメでも兄ちゃんは兄ちゃんなんだから、そんなに気にすることないと思うで!」
「…………」
 だからといって、ラスの生活スキル的レベルが変わるわけではなかったりする。

 ということで。
「いーっぱいお花が咲いてるね♪ ピノちゃん達はどのお花が好き? ちーちゃんはねー、山吹とか好きだよー♪」
 シートの上でバスブーサを頬張り桜を見上げながら、千尋は鮮やかな黄色い花の名前を挙げる。
「あたしはねー、チューリップとか好きかな? 白い花とか」
「わたしはお花とかあんまり詳しくないんだけど……、ピンクのとかがいいわね」
「俺はやっぱ、ちーが1番の花やで〜♪」
 ピノとファーシーが考えつつ答える中、社はバカ兄っぽくそんな事を言う。それから、ちょうど向かい合う形になったファーシーに気軽に話しかけた。
「え〜と。こうしてファーシーちゃんとちゃんと話すんは初めてやったかな? ま、細かい事は抜きにして今日はせっかくの花見やさかいお互い楽しもうな♪」
 ファーシーは最近のことを思い起こし、笑って頷く。
「うん、そうね! ゆっくりと話すのは初めてかな。桜を見ながらお弁当を食べる……。それがこんなに楽しいなんて知らなかったわ」
「そっか、ファーシーちゃんは花見初めてなんやな! まあ、なんやかんや色々大変やったけどたまにはこうして皆でパーっと騒ぐのもええよな♪」
 広げられたお弁当から適当に料理をつまみながら、すっかりリラックスしている。
「な〜♪ ちー♪」
「うんっ☆」
「な〜♪ ピノちゃん♪ な〜♪ ファーシーちゃん♪」
 ピノやファーシーにもそうして陽気に笑顔を見せ、社はラスにもそのまま、とびきりの笑顔を向ける。
「な〜♪ ラッスン♪」
「…………」
 合流してからの怒涛の勢いに、ラスはよくそんなに騒いで疲れないな……と半ば呆れ、目線だけで答えた。社の言っていることは全くもってその通りだから特に言うことも無いし。
「ん? なんやその顔は? まるで俺が年がら年中騒いどるみたいな顔しおってからに……。あれか! 俺の頭はいつも桜満開って言いたいんやな!?」
「いや、言ってな……」
「あ〜。ショックや〜。そんな目でラッスンに見られとったなんてショックや〜。俺らの友情の危機やでこれは〜」
 額を押さえてくらりと後ろに身を逸らせてリアクションを取る社。「言ってないし」の「いし」部分を言う暇も無かった。
「桜満開は本当かもな……」
 社が来たことで、とりあえず自分の心身に平穏が訪れたのはありがたかったが。
「おぉ!? 認めおった!? ここは違う、と言うところやで? さっき俺が励ましたようにな♪」
 あまり励まされた気がしなかったけれど。
「やっぱり友情の危機や! 大変や〜! さて、ラッスン♪」
 大げさに嘆いてみせてから、社はいつも通りの笑顔でぴょこん、と体勢を戻した。それが、今度は真面目な顔に変わってこんな事を言う。
「こんな危機的状況から助かる方法が1つだけあるんやがお願い出来るか?」
「…………」
 見詰め合うこと数秒。
 さて、何処からツッコめばいいのか。……いや、その前に。
「……何させるつもりだ?」
「一発芸を何かやるんや。そうすれば俺達の仲も元通りや!」
「…………は?」
 つい聞き返してしまった。このまま三点リーダーを延々続けたい気分になったが、これはそうもいかない。一発芸などしたらこれまで培ってきた自分のイメージが崩れてしまうではないか。周りから煽られる前に何とかしなければならない。
「誰がするか。別に危機的状況とかじゃないし。だから助かるとか助からないとかじゃないし。というか一発芸とか振られた方が俺的には危機的状況なんだけど……つーか、人に要求する前にお前がやれよ!」
「ん? 俺か? 俺なーーー……」
 言い訳とかツッコミとか正当性の主張とかで一発芸を忌避しようとするラスをにやにやと眺めていた社は、そうやな、と頷いて。
「俺も何かせんと宴会部長としての名がすたるからな! よっしゃ! よぉ見とけ! この間契約した新たなパートナーを召還お披露目や〜!」
 そう言って、変身ヒーローのように左手の甲を皆に見せた。『契約の印』が光り――

 さてその頃、社のパートナー、悪魔の響 未来(ひびき・みらい)は――
「よ〜し♪ 今日はマスターと千尋ちゃんがお出掛けしてるから私はニ○ニコ動画に投稿する為の動画を撮るわよ〜♪」
 と、自室にてノリノリでアイドルコスチュームを着て、鏡の前で猫耳を装着していた。
 準備万端で張り切って、カメラの位置も調整して。
 そして、いざ――
「さぁ〜☆ ミクちゃんオンス」

「テージだよ〜☆ ……!?」
 で、気がついたら――花見会場でポーズを決めていた。
「……ん?」
 ピカ〜とした光が収まり、現れた未来の衣装を見て社はと目を丸くした。
「未来? なんやその格好は……ぷっw」
 その『w』の瞬間。
「キャー! なによ! マスター! こんな時に呼ぶな!!!(><)」
 思いっっきりぶっとばされ、社はキレイに円を描いて宙を舞った。
「ふぅ……ビックリして危うくマスターを倒してしまう所だったわ……」
 一仕事終えた、というように汗を拭く仕草をする未来。
「もうグーで殴られてるんですけど……」
 芝生にぺたりとへたばって、倒された社が力なく言う。
「また、強烈な印象に残る登場だな……」
「あ! ミクちゃんも来たんだねー♪」
 ラスがまじまじときらびやかな未来に目を遣っていると、騒ぎを聞いて、遊んでいた千尋がピノと手を繋いで彼女に駆け寄っていった。
「やっぱり皆一緒がいいもんね♪ 皆楽しい人ばっかりだからミクちゃんもすぐに仲良くなれるよ☆」
 そして千尋は、何か思いついたのか「そうだ!」と言ってさらに明るい表情になった。
「ピノちゃん! ちーちゃんのお友達にクロエちゃんって子がいるの! 今度一緒に遊びに行こうよ♪」
「?」
 未来はそれを聞いて、ピノの方に目を移す。
「あ♪ もしかしてあなたがピノちゃん?」
「うん、そうだよ。よろしくねー!」
「キャー♪ 可愛い〜♪ 千尋ちゃんの言う通りね〜♪」
「うきゃ? えへへー」
 人懐っこい笑顔を浮かべてピノが挨拶すると、未来は彼女にぎゅ〜っと抱きついた。 それから集まった皆を見回して目を細める。
「ここの人達も良い『音』がするわね♪ 気持ちいいわ♪」