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【特別シナリオ】全学最強決定戦!

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■予選 蒼空学園 4

神崎 輝(かんざき・ひかる)
シエル・セアーズ(しえる・せあーず)
一瀬 瑞樹(いちのせ・みずき)の3人が、
リネン・エルフト(りねん・えるふと)をリングアウトさせた直後。

狐の獣人クコ・赤嶺(くこ・あかみね)が、
倍勇拳でパワーアップし、
クリムゾン・パッドで密集している3人を一気に攻撃する。

「これで、終わりよ!」

空高く跳び上がったクコの飛び蹴りが決まる。

輝とシエル、瑞樹は、連戦での疲労もあって、
全員、場外に吹き飛ばされてしまう。
闘技場の床には、巨大な肉球の跡が浮かび上がったのであった。

「皆、大丈夫?」
「うん、私は平気。今、回復するからね」
「残念だけど、これから、もっと強くなってマスターを守りますよ!」
パートナーを労う輝に、シエルと瑞樹がうなずいた。
先にリングアウトした神崎 瑠奈(かんざき・るな)も駆け寄ってくる。

一方、クコも、大技を放った反動のため、動けなくなっていた。

パートナーの赤嶺 霜月(あかみね・そうげつ)は、
居合術でのカウンター狙いで、闘技場で待機していた。
接近戦闘の実力者の霜月に、
なかなか、他の契約者たちは近づけず、現在に至っている。

ベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)は、
子守歌で隙を作り、パートナーの勝機を得ようとする。
ベアトリーチェの歌声が、会場に響き渡る。

しかし、それは、魔法を警戒して、
魔法使いを狙って攻撃を仕掛けようとしていた、
霜月に狙われる結果となってしまう。

抜刀術『青龍』で、霜月の素早い斬撃が繰り出される。

「なんですって!?」
しかし、ベアトリーチェの行動に、歴戦の剣士である、霜月も驚愕した。

ベアトリーチェは、
パラダイス・ロストで自爆攻撃をして、敵を道連れにするつもりだったのである。

「美羽さん、後はお願いしますね」

「霜月!」
クコが霜月に気を取られた時。

コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)の、
エンドゲームによる忘却の槍での攻撃が、クコにダメージを負わせていた。
クコは倍勇拳の疲労もあり、コハクに倒される。

「クコ……。
ですが、自分はまだ倒れるわけにいきません!」
孤月を構えなおして、霜月は前を見据えた。

ベアトリーチェの攻撃をなんとか耐えしのいで、立っているのが限界であったが……。

「後は頼んだよ、美羽!」
セラフィックフォースを発動して、
コハクが、最後の敵である、霜月に忘却の槍を繰り出す。

コハクの全力攻撃に、霜月もまた、覚醒ラセツとしての全力で迎え撃つ。

「そこ! 『青龍』!」

コハクの人智を超えた動きを捕え、
抜刀術『青龍』を叩き込んだ霜月だが。

しかし、そのまま、突撃してくるコハクの勢いに巻き込まれ、
霜月はコハクとともにリングアウトしていた。

「ありがとう、ベアトリーチェ、コハク!」
小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)はパートナーたちの全力の攻撃のおかげで、強敵に勝ち
予選を勝ち抜いたのであった。



「皆、よくぞここまで戦い抜いた!
わしも、一人の契約者として、ここまでの戦いを間近で見ることができ、敬服しておる!」
馬場校長が、参加者全員をたたえ、
それと同時に、蒼空学園に集まった観衆も、大きな拍手を送った。

そして、馬場校長が、
蒼空学園の校章の入った、巨大な旗を美羽へと渡す。
自分の身体より大きな旗を見て驚く美羽に、馬場校長が言う。

「蒼空学園代表として、名誉を持って、しっかり戦って来いよ」
「わかったわ!」
美羽は、旗を受け取って掲げ、大きくうなずいたのであった。