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【5周年記念】【かんたんイラストシナリオ】あの日の思い出

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リアクション

 
 ■ カエルの兄弟 ■
 
 
 ルカルカ・ルー(るかるか・るー)ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)達は、教導団の宿舎ではなく、ヒラニプラ郊外の館に同居している。
 その頃、夏侯 淵(かこう・えん)はカエルのパーカーに凝っていて、折角なのでダリルも、彼に貰ったカエルのパーカーを着て、二人で【鋼鉄の獅子】部隊の訓練計画を立てていた。
 ちなみにお茶請けは、ダリル作の絶品チョコケーキである。

 ふと、ダリルの思考に雑念が入る。
 こんな風に、血族でもなく、生きていた時代も違う自分達が同居していることに違和感を感じなくなって久しい。
 淵はどうなのだろう、と、ふと思ったのだ。
 彼は、時の彼方に一族を遺してきたことを知っている。
「どうした」
「いや……」
 躊躇うが、それも自分らしくないと訊いてみると、彼は笑った。
「御主等がおるからな」
「そういうものか」
「そういうものだ。
 御主はどうなのだ。家族とは、どのようなものだと?」
「家族……。多分、淵と同じだ」
「ほう。ダリルもルカに感化されたクチか?」
 からからと嫌味なく笑われて、ダリルは肩を竦めた。
「さあ……な」
 嘯きながら、ダリルは、自らの『家族』に思いを馳せる。

 家族というものはあくまで、生物的特徴でなく人の作った制度だ。
 制度である以上、血が繋がっていることは家族の絶対条件ではあるまい。
 ……俺にとって、ゲルバッキーを含めた皆は、血族ではなくとも、家族だ。これからも、そうあって欲しい。
 ――理想を語っているようで、俺らしくない、か?
 そうかもしれんな。しかし、理想家であることと、現実主義者であることは決して矛盾しない。
 そのことを俺に教えてくれたのはお前だ。
 ルカルカ・ルー。