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嘆きの邂逅~闇組織編~(第3回/全6回)

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嘆きの邂逅~闇組織編~(第3回/全6回)
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リアクション


○    ○    ○    ○


 そこはサルヴィン川流域にあるジィグラ研究所という、一般的にも知られている昔からある研究所だった。
 神楽崎分校より北に位置している。
 研究所に到着し、所長と面会を果たし数時間後。
 兄貴分の男の遺体が発見されたと研究所に連絡が入った。
 護衛の男2人は帰されたが、悠司とイルは捕縛時の状況などの説明と、しばらくの間イリィの世話を担当することになったため、研究所に残ることになった。
 所長は無愛想な吸血鬼だった。雑談には一切応じず、報告だけを求めてきた。
 その他、働いている者達は、普通の研究所の研究員と変わらない人々だ。
 警備はかなり厳しく、許可なく出入りすることは出来はしない。悠司はハーフフェアリーを連れていたことと、下っ端とはいえ組織に写真と名前が登録されていることから門前払いを食らわずに済んだ。
 悠司とイリィが自由に行動できる範囲は地下のごく一部であったが、イリィを連れて研究室に同行した際に、奇妙な物をいくつも目にしていた。
 それは、水槽の中でうごめく奇怪な生物であったり。
 機械の体と生身の体を持つ野獣であったり。
(キメラを作ってんのか? ……そういやあ、ハーフフェアリーだって、人間と妖精の間に自然に生まれてくる種族じゃねぇよな。なんか関係あんのか)
 そんなことを考えてはみるも、自分1人では答えはわかりはしない。
 研究室への携帯電話やカメラの類は一切持ち込み禁止な為、写真を撮ったりはできなかった。脳裏にだけ刻んでおくことにする。
 そして、この建物の地下には携帯電話の電波が届いていない。外部と連絡を取ることもできなかった。
「おてんきぃ〜おてんきぃ〜らんらんららぁ〜」
 イリィはコップをマイク代わりに突如歌いだしたり、踊り出したり、今のところ楽しそうに過ごしている。
 イルは常にイリィの側で、心配気に見守っている。服の中に隠して、脱出は出来なくもなさそうだが。
 イリィの姿が消えたら、悠司が責任を取ることになるだろう。この組織のことだ。拷問くらいされてもおかしくはない。

○    ○    ○    ○


 翌日。
 黎明の元に、情報を送っているラズィーヤ・ヴァイシャリー(らずぃーや・う゛ぁいしゃりー)からメールが届く。
 シッターと名乗ったあの男は、ヴァイシャリーでも犯罪歴があったようだ。
 妻子はおらず、恋人もいないとの報告だった。
「忙しい最中に、こんなに早く調べられるものですかね」
 黎明は息をついて、携帯電話をしまった。
 あの男を愛していた者に、一生恨まれることを覚悟している。
 ただ――。
 今は、ラズィーヤに騙されておこう。
 目的を果たすまでは。

担当マスターより

▼担当マスター

川岸満里亜

▼マスターコメント

ご参加ありがとうございました。
今回は過去設定もこちらで膨らませていくつか描かせていただいたりしたため、リアクションが長めになっております。
楽しんでいただければ良いのですが……!

次回からマリルは高月芳樹さんのLCとなります。芳樹さんが連れてきて下さった時に、シナリオに登場することになります。ただし、元々NPCであった関係上、芳樹さんがいない場所でも名前が登場する可能性もあります。
カルロはまだNPCとしての役割があるため、引き続きNPCとして登場いたします。

●他マスターのシナリオとの関連
『蒼フロのあらすじ!』で紹介されているシナリオ以外のシナリオとのリンクは基本的にありません。
闇組織、闇市などの言葉が他マスターのシナリオも使われていると思いますが、関連はないものとお考え下さい。
またこれは、あらすじで紹介されているシナリオとは全てリンクしているという意味ではないです。グランドシナリオに関連のあるシナリオとはリンクしている可能性もある、ということになります。

●ダブルアクションについて
アクションは1つの行動にしていただきたいのですが「奇襲されたら応戦する(防御する、逃げる)」など、不測の事態時の姿勢は(川岸のシナリオでは)書いて下さって構いません。必要と思われる時には是非お書き下さい。
ただ、こういった応戦等であっても、台詞や詳細行動まで書かれていた場合は、ダブルアクションと判定させていただきます。

池や過去を見てもらう行動の他にLCが別の行動をとっていた方につきましては、別の行動の方を描かせていただきました。
今回過去を見た方も見てはいない方も、現地に行った方であれば、水を飲んだ影響で次回以降に何か思い出したとしていただいても構いません。

貴重なアクション欄を割いての私信やお気遣い等ありがとうございます。ひとつひとつにお返事を書く時間がとれず、申し訳ありません。

次回から後半に入ります。
きな臭くなってきましたが、引き続きご参加をご検討いただければ幸いです!