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【おとこのこうちょう!】しずかがかんがん! 前編

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■□■2■□■ シャンバラ大荒野、しゃんばら復活の遺跡

シャンバラ大荒野、しゃんばら復活の遺跡にて。
緋桜 ケイ(ひおう・けい)は、
ツァンダの町の精 つぁんだ(つぁんだのまちのせい・つぁんだ)を蘇らせようとしていた。

実は、ヴぁいしゃりーが、シャンバラ中の地祇を吸収する前に、
つぁんだはケイに殴り殺されていたのであった。
それというのも、
つぁんだの売っていた宝くじ、パラミタジャンボで破産した未来のケイが、
「本当は当たらないんだろ!? 騙しやがって!!」
と、つぁんだに詰め寄り、揉みあいになる中、事故でつぁんだを殺してしまったのであった。

地祇を殺しても、その都市が滅んだりはしないのだが、
つぁんだへの大勢の人々や地祇達の借金が帳消しになり、
「つぁんだインフレーション」が発生してツァンダの経済が崩壊したのであった。

イルミンスール魔法学校を放校され、
蒼空学園からは指名手配犯となったケイは、
失意の中失踪し、
鏖殺寺院のメニエス・レイン(めにえす・れいん)に拾われ、ヒモになっていたのである。
「み、みんなパラミタジャンボがいけないんだ……俺のせいじゃない……」
メニエスのヒモのケイは、現在のケイに詰め寄られて、そう言った。

現在のケイは、未来の自分の惨状を見て、
スフィアでつぁんだを蘇らせようと思っていたが、

「地祇達は5000年前、
 スフィアを土地と関連させただけで、持ち主ではない。
 現在の持ち主は、砕音達7人で、持ち主の変更はできない」

「持ち主からスフィアを離して、遠くに移動させることはできない」

「地祇は自分の土地と深く関連してるので、
 スフィアの状態をなんとなく察知できるが、
 場所を特定したり、影響を与えたりする能力はない」

ということを、アーデルハイトから教えられていた。

「スフィアの持ち主はざんすか達じゃなかったんだよな。
 でも、しゃんばら復活の遺跡なら……」
ケイは、丸い石に「つぁんだ」「ざんすかーる」とか書いて、地面に置いた。
「本当に望むなら、戻れない場所なんてない。
……俺が証明してやる」
ケイの願いに応えて、遺跡が光に包まれる。

「あ、あれ?
 僕、生きてるよ?
 ……ひぎゃあああああああああ!?
 ひおうけいいいいいいいいいい!?」
復活したつぁんだはあたりを見回していたが、ケイを見てダッシュで逃げようとする。
「ちょ、待てよ、どうしたんだ!?」
「30万Gあげますから殺さないでくださいいいい!!」
未来のつぁんだは、ケイに一度殺されているので、恐怖を感じたのであった。
「待てよ、そんなことしないって……!!」
「……殺して生き返らせて殺してっていうのを繰り返すつもりじゃないの?」
「そんなわけないだろ!
 俺はつぁんだに協力してほしいんだ!」
「嘘だね、君は僕を殺すまで殴ったんだ!
 ざんすか内乱でもひどい目にあったけど、それ以上だよ!」
「そういえば、つぁんだが死ぬまで殴るって、
 よっぽどだよな……。
 いつも、ボコボコにされても次のシーンでは復活してるのに。
 って、そうじゃなくて!」
ケイは、自分に敵意がなく、
ヴぁいしゃりーに対抗するためにつぁんだに協力してほしいという事情を説明した。
「てことは、シャンバラの地祇は、
今、ヴぁいしゃりーだけになってるってことだよね?
 ふふふふふふ、ヴぁいしゃりーを倒せば、
自動的に僕がシャンバラの地祇の長だ!」
「な、なんだか相変わらずで安心した……」

こうして、ケイは説得したつぁんだを連れて、ヴァイシャリーに向かったのだった。