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【おとこのこうちょう!】しずかがかんがん! 後編

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【おとこのこうちょう!】しずかがかんがん! 後編
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■□■6■□■ レジスタンス一斉蜂起

「銭ゲバですぅ! 銭ゲバなのですぅ!」
皇甫 伽羅(こうほ・きゃら)は、未来の自分と結託して、武器の在庫処分セールを行っていた。
未来の伽羅曰く。
「これは商機到来なのですよぉ!
売って売って売りまくるのですぅ!
在庫一掃処分大セールなのですよぉ!
と、ゆーわけでぇ、過去の私、
金で雇った用心棒の一団をつけますからぁ、
大量の武器の在庫を荷馬車に積んで
現地で売りさばいてくるのですぅ!
在庫処分ですからぁ、原価以上なら誰にでも幾らでも売っていいですよぉ!
ただし、ツケ払いはなし。
いつもニコニコ現金商売ですよぉ!
ソーセージ争奪戦には加わらなくていいですぅ。
あと、もし武器を奪おうという不届き者がいたら、自由に応戦しなさい。
後々不売でとっちめてやりますよぉ。

私は店番をしてますからねぇ。
では、行ってらっしゃい」
とのことであった。

「なんだか未来の静香校長の勢力が劣勢な気がしますぅ。
アルバ・フレスカさん、武器を買うといいですよぉ!」
現在・伽羅は、アルバ・フレスカに接近して、十嬢侍の軍勢のテコ入れを図る。
勢力間抗争が勃発したら、劣勢の方に武器を売り、
盛り返したらもう片方に売るのをずっと繰り返しているのだった。
(張角軍は残念ながらもう撤退しちゃいましたからねぇ。
あとは、未来・静香校長軍との決着がついてしまうまでがカギですぅ!)
「なんでもいい、早く武器を渡すんだ!」
アルバ・フレスカは、ドリルカニに追いかけまわされたせいもあって、
普段の冷静さを失っていた。

★☆★

「あ、あれは、【星帝】御人 良雄(おひと・よしお)様!」
レジスタンスの誰かが声を上がる。
そこには、御人良雄の扮装をした、現在の志位 大地(しい・だいち)がいた。
「【星帝】は退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ!」
レジスタンス組織【紅桜】の一斉蜂起が始まったのだ。
とにかく派手に暴れて、多くの敵を引き付けるというのが、
現在・大地の役割であった。
「星帝不死鳥拳奥義……シャアアアアアイニングッ――」
現在・大地が必殺技名を言い終わらぬうちに、
アルバ・フレスカの軍がぶっ飛ばされる。

★☆★

一方、未来・大地は、
当初の予定通り、
本気で敵を制圧しにいくのが半分、
崩城 亜璃珠(くずしろ・ありす)に利用してもらうのが半分で、
レジスタンスを率いていた。
リーダーの未来・鬼崎 朔(きざき・さく)と話し合った結果、
スパイの存在を疑い、
幹部にだけ一斉蜂起のタイミングを早めたことを教えておき
一般レジスタンスには今まで通りのタイミングと連絡しておいたのだった。
そのため、すでに、ヴァイシャリー市街では、【紅桜】が静香軍を撃破することに成功していた。
さらには、静香がイルミンスールに軍の主力を向けていたこと、
残りをソーセージ奪取に差し向けたことも成功の理由のひとつである。
「勝負です、十嬢侍が一人、アルバ・フレスカ!」
未来・大地に、アルバ・フレスカが刀を抜いて立ち向かう。
「凄腕の侍である十嬢侍をなめないでよね。
ボクの本当の力を見せてやる!」
アルバ・フレスカは、刀の一振りで
未来・大地の部下を数十人まとめて吹き飛ばすと、
未来・大地に迫る。

★☆★

現在・鬼崎 朔(きざき・さく)は、
未来の自分の依頼で、戦場を駆け巡り、ニンジャとしての存在感を誇示していた。
現在・朔の不意打ちにより、静香軍が次々と倒れていく。
沼地といっても、ところどころに木も生えているし、岩場も多い。
どこにいるかわからない敵の攻撃に、静香軍は混乱していた。

★☆★

未来・朔は、レジスタンス達を鼓舞し、最前線で指揮を執る。
「同志の皆よ! 時は来た! 今こそ、憎き宦官共をツブす時だ!
……さあ、「花見」を楽しもうじゃないか!!!」
(張角軍は撤退してしまったか……。
一応、協力を要請してはいたが、
この状態なら私達だけでも充分勝機はある)

しかし、レジスタンスが優勢になる状況は整えられたとはいえ、
正規軍との戦いでは、一時も気を抜くことは許されない。
「武器はご入用ではないですかぁ?」
現在・伽羅は、レジスタンスに接近して武器を売る。

★☆★

現在・朝倉 千歳(あさくら・ちとせ)は、【紅桜】の武装蜂起に協力するも、
負傷者は敵味方関係なく治療していた。
(敵を殺すことが目的じゃなくて、交渉のテーブルに着かせる為の戦いだからな。
彼らにも親兄弟、家族はいるだろうからな。
不幸な人を増やしても仕方ないだろう)
未来・千歳は、レジスタンスの隊を指揮して戦う。
(カンガンガニのソーセージ……
ラズィーヤのことだ、何か裏があるんじゃないのかと疑ってしまうな。
しかし、それが事実なら、
静香が改心して我々との交渉に応じてくる可能性があがってくるか……。
すべてうまく行けば、舞とも話し合える余地が生まれるかもしれない。
昔のように仲良くお茶を飲める日が戻ってくるようなことがあるといいのだがな。
あまり過大な期待は禁物だろうが……。
今は、私は私の仕事はしよう)
橘 舞(たちばな・まい)のことに思いを巡らせつつも、
未来・千歳は、戦闘に意識を集中する。

「命が惜しいものは降伏しろ!
降伏した者は襲わないと約束しよう!」
現在・千歳は、静香軍に呼びかける。

★☆★

「今度はこちらが劣勢になってきましたねぇ。
武器を買ってパワーアップするのですぅ!」
現在・伽羅は、レジスタンスに押され始めた静香軍に接触する。
「って、さっきからなんなんだ、その商法はっ!」
現在の如月 正悟(きさらぎ・しょうご)が、
ハリセンのしならない横側で、現在・伽羅にツッコミを入れる。
「ガフッ!?
い、痛いですぅ……」
倒れた現在・伽羅に、黒い衣装に黒い仮面をかぶった未来・正悟がかけより、
胸を鷲づかむ。
「大丈夫か?
全ての女性のおっぱいは鷲づかむためにある。
俺は【畏華面四天王】が一人、【おっぱい帝国帝王】!
最近ならラズィーヤを鷲づかんだぞ」
「って、心配するフリしておっぱい鷲づかむとは何事だー!!」
現在・正悟がハリセンで思いっきりぶん殴った結果、
未来・正悟の仮面が割れる。
「な、なにー!? ……いや、お前ならやると思ったよ」
未来・正悟は、現在の自分に言う。
「私のおっぱいはただではつかませませんよぉ。
それなりのお金を払ってもらいますぅ!」
現在・伽羅が、
恐ろしい笑顔で未来・正悟に迫る。
「ふはははは、現在の俺はボケが多いと思ってツッコミ要員に立候補したようだが、
なんだかシリアスムードじゃないか!
いかん、いかんぞ!
戦いより、おっぱいの鷲づかみが大事だ!」
未来・正悟はダッシュで逃げると、
未来・朔の胸をつかんだ。
「ギャーーーーーーーッ!?
貴様―ッ!! ツブす! ツブしてくれる!」
未来・正悟を殺そうと、未来・朔が武器を振り回す。
「アホかーっ!
真面目にレジスタンスしてる人のおっぱいを鷲づかんでどうする!」
「ゴハアッ!?
おっぱいの鷲づかみ……これが正義だと何故わからない!」
未来・正悟は、現在・正悟のハリセンを喰らい、壮絶に倒れた。
「ツブす! ツブす! ツブす!!」
未来・朔は、未来・正悟をげしげし攻撃した。
(あ、そういえば、彼女とどうなったかきいてなかったな。
……って、死んだな、あれは)
現在・正悟は、未来・朔と現在・伽羅にフルボッコにされる未来・正悟を見て思うのであった。

★☆★

未来の七那 夏菜(ななな・なな)は、
ソーセージ完成時に近くにいるであろう小ラズィーヤに盗聴器兼発信機を仕掛け、
受信機はアルバ・フレスカに渡そうとしていた。
「むっ、お前は!?」
小ラズィーヤは、宦官である未来・夏菜の姿を見咎める。
(ばれてしまいましたか……)
未来・夏菜は逃走する。

★☆★

レジスタンスに参加していた、
未来の笹咲来 紗昏(さささくら・さくら)は、
一人になった未来・夏菜を背後から刺す。
「パパの……仇」
倒れる未来・夏菜に、未来・紗昏は言う。
ロンTが、未来・夏菜の返り血で真っ赤に染まる。
「ねーちゃん……」
パートナーに助けを求め、未来・夏菜は死んだ。
「どうした、怪我をしたのか?」
血まみれの服を見て、
レジスタンスメンバーに心配された未来・紗昏は、
無表情なままで言う。
「大丈夫……」