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聖戦のオラトリオ ~転生~ 最終回 ―Paradise Lost―

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聖戦のオラトリオ ~転生~ 最終回 ―Paradise Lost―
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リアクション

「ち、このくらいじゃ完全には壊れないか」
 高崎 悠司の爆弾によってE.D.E.N.の一部が爆発によって破壊されたが、システムそのものはまだ生きていた。
「だったら、中からやってやる!」
 月夜見 望(つきよみ・のぞむ)はコンソール類がないかを探した。
 それ自体はすぐに見つかった。しかし、表示されているのは一万年前に使用されていたであろう言語であり、とても解読出来るものではない。
「くっそ……読めなくたって、何とかなるはずだ……!」
 電子工学、コンピューターの知識、さらに先端テクノロジーと機晶技術で自分の持てる技術の全てを使って、何とか出来ないか試みる。
「……来よったか!」
 須佐之 櫛名田姫(すさの・くしなだひめ)が影を迎撃するため、もと来た通路の方へ向かった。
「弱点は分かっておる」
 ローゼンクロイツの言葉を聞いているため、影の中にある核が弱点だということは既に彼女も知っていた。だが、その言葉通りならば今迫っているのは核を壊しても再生してしまう。
「望くん、あたし達が時間を稼いでる間に!」
 天原 神無(あまはら・かんな)も、櫛名田姫と一緒に望の護衛に回った。タロットカードをサイコキネシスで影の中に放ち、核を破壊せんとする。
 二人が頑張ってくれている。だったら自分もこのままではいけない。
(博士や外のみんなのためにも、諦めるわけにはいかない!)
 本当はコンピューターを壊すなんてことはしたくない。だが、ここでやらなければたくさんの人が傷付く。そんなのは嫌だ。
 だが、やはり自分の力では限界だ。物理的に破壊するしかない。
 そう思ったときだ。
「おそらく、その大量にあるソースコードのどれかが、無人機への命令プログラムだ」
 ダリル・ガイザックが分析を始める。
「手当たり次第に書き換えれば当たるかもしれんが、下手をすればトラップに引っ掛かるかもしれん。この時代のプログラム言語に置き換えられれば少しは手の内ようがあるんだが……状況は?」
 彼が夏侯 淵と視線を合わせた。
「あまり芳しくない。無人機相手ではそうでもないらしいが、一部の有人機がバカみたいに強いらしい。天学には切り札の覚醒があるとはいえ、それがどれほど通用するかは未知数だ」
 外部との連絡を取った彼が深刻そうに告げる。
「五分だな。それで目処が立たなかったら、これを徹底的に破壊する。俺達だったらこの基盤を叩き壊せるだろ?」
 そしてルカルカには、
「ルカは博士を追え。元々、それが最優先だ」
 と指示を出した。
「ここは任せてもらえないか。博士の助手だろう?」
 ダリルからそう言われたものの、望は少しだけ躊躇われた。このまま行っていいものかと。
 しかし、ここにいても出来ることがないのは実感している。やはり助手として、博士の側にいるべきだ。
「分かった。頼むぜ」
 望は決心した。
「あたしも……望くんの方が心配だし」
 そう言われてしまうと、立つ瀬がない。
 この場を任せ、望達はホワイトスノー博士の後を追いかけた。