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【学校紹介】イルミンスール大歓迎会!

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【学校紹介】イルミンスール大歓迎会!

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第4章 「WELCOME!」

■□■1■□■「食べてみたらそこそこなんですよー! 本当ですよー!」

師王 アスカ(しおう・あすか)にちゃんとした肖像画を描いてもらって
機嫌をよくしたエリザベートも、歓迎会にやってきた。
「むむっ!?
 アイスが……私のアイスが1個足りないぞ!」
アーデルハイトが騒ぎ始める。
「じゃあ、夏休みは中止ですねぇ」
エリザベートは言う。

「そ、そんな、先輩!?」
ナル・ジェーリエブ(なる・じぇーりえぶ)は、
「新入生のテント」を運営していた赤羽 美央(あかばね・みお)に駆け寄る。
「くくく もどってきましたね。
じつはこのおくに 大ババ様のアイスが かくされていたのです。
さあ うばいとってみせよ。イルミンナイトの 赤羽美央が あいてだ!」
美央は、新入生の支援をする……と見せかけて、
アーデルハイトのアイスの内1つを奥に隠すという行動をしていたのだ。
灯台下暗し、冒険や調査においては
まずは身の回りの調査も大切だということをわかってほしいという魂胆だった。
「いいかげんにせんかーっ!!」
最初の町の人のフリをして、ラスボスだった美央は、
アーデルハイトにぶっ飛ばされる。
こうして、エリザベートを捕まえるのと、アイス回収のミッションはクリアされたのであった。

★☆★


高峰 結和(たかみね・ゆうわ)は、
パートナーの山羊の獣人エメリヤン・ロッソー(えめりやん・ろっそー)とともに、
歓迎会に参加していた。
「私もちょっと準備してきたんですー」
クッキー、おにぎり、サンドイッチを取り出す結和だが、
それらは、見た目の「美しくない」料理の数々であった。
「あの、見た目はその、ちょっとアレだって言われるんですけど、
食べてみたらそこそこなんですよー! 本当ですよー!」
エメリヤンは「あーあ」という顔をしていたが、
大きな身体で高いところの飾りつけを手伝いはじめる。
蒼空学園生の小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)は、
その様子を見て、
イルミンスールの熱血男子生徒ジャック・サンマーの口に、
結和の料理を放り込む。
「新入生の料理を食べないなんて、上級生の名折れよ!
 ファイヤー!」
「ちょ、美羽、なら自分で……もごもご。……あ、美味い」
ジャックは、真っ黒なクッキーを食べて言う。
「ですよねー。そうですよねー!」
結和は、うんうん、とうなずいている。
エメリヤンは、「よかったね」という顔で、結和の頭をなでた。
「イルミン新入生のみんな、入学おめでとう! 
蒼空学園の小鳥遊 美羽だよ。エリザベートがうちの校長のこと嫌ってるから、
イルミンと蒼学は何かと張り合うことが多いけど……
別に2校の生徒が仲良くしたらいけないわけじゃないから、これからよろしくね!」
美羽は、イルミンの新入生に、「これからライバル校として仲良くしよう」と呼びかける。
「「みんなで仲良くするぜ、ファイヤー!」」
美羽は、長い付き合いのジャックと一緒に、拳を突き上げる。

★☆★


リース・アルフィン(りーす・あるふぃん)と、
フォン・アーカム(ふぉん・あーかむ)は、質疑応答を開始する。
「『教えて! リース先輩』はっじまっるよー。
今日はフォンさんからの質問に答えるよー」
「はい。先輩。
たまに出てくる食堂の料理に『でろーん丼』とかあるけど、食えるのかな?
なんか、不思議なオーラが出てるけど」
「でろーん丼は明倫館の名物で、
襲ってくるけどおいしいらしいですよ〜今度友達に貰ってくるね」
「襲ってくるのか……。
 じゃあ、次の質問。
新薬の実験で薬飲まされて記憶がなくなったんですけど、
あれは何だったのでしょうか。
俺何かしたか?」
「新薬だからしかたないよ」
「しかたないって……。
 じゃ、じゃあ、次。
 なんか。女の子の校長とか。多くないですか、逃げ場がない!」
「フォンさんは女の子嫌いなんだっけ……私も嫌いなのかなぁ?」
「……」
「ん? その沈黙は?」
「い、いや、その。
 つ、次にいこう。
 クトゥルフ神話学科では狂気に陥りやすいと聞くけど。
狂気に落ちたらどうなりますか?」
「見たいなら見せてあげるー!」
リースは妖刀村雨丸を取り出して、「黒リース化」した。
周囲には、いつのまにかレイスも呼び寄せている。
「あはは! こんな感じでどうよ!?
 フォンさんは、私のこと、好きだよね? 好きだよね?」
(これはむしろヤンデレ化……ゾクゾクするぜ)
刀を振り回し始めるリースから逃げつつ、フォンは思うのであった。

★☆★


その横で、村上 イブキ(むらかみ・いぶき)は、
エペで野菜を切って、焚火でオムライスを作っていた。
しかし、きちんと切ることができ、おいしそうなオムライスが完成する。
イブキは、ケチャップでオムライスに計算問題を書く。
「さあ、先輩。
 これがとけないと飯はやらん!」
イブキは逃げてきたフォンに言う。
「そ、そうなのか?
 む、難しい……」
フォンは貧乏なのでいつも空腹なため、問題を解こうと必死になる。
「とっけるっかなー。
 とっけるっかなー」
待っている間、歌を歌って微妙にプレッシャーを与えるイブキであった。

★☆★


そこに、お星様の美央を、冬の精霊「冬の女王」が回収して登場する。
「オーホッホッホッホ!
 バレンタインに続いてひさしぶりの登場ぞよ!」
「冬の女王」は、
狭山 珠樹(さやま・たまき)ナナ・ノルデン(なな・のるでん)達と再会を喜ぶ。
「お会いできてうれしいですわ、「冬の女王」さん!」
「さっそくなのですが、アイスとけちゃったので、冷凍してもらえませんか?
 あ、ルクオールの町の時みたいに
氷漬けにしちゃうと後が大変なので手加減はお願いしますね?」
「かまわないぞよ」
とけていたアイスは、あっというまに冷やされていった。
その様子を、美央が目を輝かせて見守る。
「雪だるま王国女王……わらわのライバルな気がするぞよ。それにかわいいし。
 以前からイルミン講師をする傍ら、陰からこっそりチェックしていたぞよ」
「それってストー……」
ズィーベン・ズューデン(ずぃーべん・ずゅーでん)の口を、ナナがふさぐ。
「冬の女王」は、アーデルハイトを「かわいいから」という理由で自分の城に連れて行ったことがある。
「あなたに雪だるまの加護がありますように」
そのことを知ってか知らずか、美央は、「冬の女王」と意気投合していた。