リアクション
★☆★ 高峰 結和(たかみね・ゆうわ)は、 パートナーの山羊の獣人エメリヤン・ロッソー(えめりやん・ろっそー)とともに、 歓迎会に参加していた。 「私もちょっと準備してきたんですー」 クッキー、おにぎり、サンドイッチを取り出す結和だが、 それらは、見た目の「美しくない」料理の数々であった。 「あの、見た目はその、ちょっとアレだって言われるんですけど、 食べてみたらそこそこなんですよー! 本当ですよー!」 エメリヤンは「あーあ」という顔をしていたが、 大きな身体で高いところの飾りつけを手伝いはじめる。 蒼空学園生の小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)は、 その様子を見て、 イルミンスールの熱血男子生徒ジャック・サンマーの口に、 結和の料理を放り込む。 「新入生の料理を食べないなんて、上級生の名折れよ! ファイヤー!」 「ちょ、美羽、なら自分で……もごもご。……あ、美味い」 ジャックは、真っ黒なクッキーを食べて言う。 「ですよねー。そうですよねー!」 結和は、うんうん、とうなずいている。 エメリヤンは、「よかったね」という顔で、結和の頭をなでた。 「イルミン新入生のみんな、入学おめでとう! 蒼空学園の小鳥遊 美羽だよ。エリザベートがうちの校長のこと嫌ってるから、 イルミンと蒼学は何かと張り合うことが多いけど…… 別に2校の生徒が仲良くしたらいけないわけじゃないから、これからよろしくね!」 美羽は、イルミンの新入生に、「これからライバル校として仲良くしよう」と呼びかける。 「「みんなで仲良くするぜ、ファイヤー!」」 美羽は、長い付き合いのジャックと一緒に、拳を突き上げる。 ★☆★ リース・アルフィン(りーす・あるふぃん)と、 フォン・アーカム(ふぉん・あーかむ)は、質疑応答を開始する。 「『教えて! リース先輩』はっじまっるよー。 今日はフォンさんからの質問に答えるよー」 「はい。先輩。 たまに出てくる食堂の料理に『でろーん丼』とかあるけど、食えるのかな? なんか、不思議なオーラが出てるけど」 「でろーん丼は明倫館の名物で、 襲ってくるけどおいしいらしいですよ〜今度友達に貰ってくるね」 「襲ってくるのか……。 じゃあ、次の質問。 新薬の実験で薬飲まされて記憶がなくなったんですけど、 あれは何だったのでしょうか。 俺何かしたか?」 「新薬だからしかたないよ」 「しかたないって……。 じゃ、じゃあ、次。 なんか。女の子の校長とか。多くないですか、逃げ場がない!」 「フォンさんは女の子嫌いなんだっけ……私も嫌いなのかなぁ?」 「……」 「ん? その沈黙は?」 「い、いや、その。 つ、次にいこう。 クトゥルフ神話学科では狂気に陥りやすいと聞くけど。 狂気に落ちたらどうなりますか?」 「見たいなら見せてあげるー!」 リースは妖刀村雨丸を取り出して、「黒リース化」した。 周囲には、いつのまにかレイスも呼び寄せている。 「あはは! こんな感じでどうよ!? フォンさんは、私のこと、好きだよね? 好きだよね?」 (これはむしろヤンデレ化……ゾクゾクするぜ) 刀を振り回し始めるリースから逃げつつ、フォンは思うのであった。 ★☆★ その横で、村上 イブキ(むらかみ・いぶき)は、 エペで野菜を切って、焚火でオムライスを作っていた。 しかし、きちんと切ることができ、おいしそうなオムライスが完成する。 イブキは、ケチャップでオムライスに計算問題を書く。 「さあ、先輩。 これがとけないと飯はやらん!」 イブキは逃げてきたフォンに言う。 「そ、そうなのか? む、難しい……」 フォンは貧乏なのでいつも空腹なため、問題を解こうと必死になる。 「とっけるっかなー。 とっけるっかなー」 待っている間、歌を歌って微妙にプレッシャーを与えるイブキであった。 ★☆★ そこに、お星様の美央を、冬の精霊「冬の女王」が回収して登場する。 「オーホッホッホッホ! バレンタインに続いてひさしぶりの登場ぞよ!」 「冬の女王」は、 狭山 珠樹(さやま・たまき)やナナ・ノルデン(なな・のるでん)達と再会を喜ぶ。 「お会いできてうれしいですわ、「冬の女王」さん!」 「さっそくなのですが、アイスとけちゃったので、冷凍してもらえませんか? あ、ルクオールの町の時みたいに 氷漬けにしちゃうと後が大変なので手加減はお願いしますね?」 「かまわないぞよ」 とけていたアイスは、あっというまに冷やされていった。 その様子を、美央が目を輝かせて見守る。 「雪だるま王国女王……わらわのライバルな気がするぞよ。それにかわいいし。 以前からイルミン講師をする傍ら、陰からこっそりチェックしていたぞよ」 「それってストー……」 ズィーベン・ズューデン(ずぃーべん・ずゅーでん)の口を、ナナがふさぐ。 「冬の女王」は、アーデルハイトを「かわいいから」という理由で自分の城に連れて行ったことがある。 「あなたに雪だるまの加護がありますように」 そのことを知ってか知らずか、美央は、「冬の女王」と意気投合していた。 |
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