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【蒼フロ2周年記念】タシガンの血闘

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【蒼フロ2周年記念】タシガンの血闘

リアクション


■■■ Ancient Hearts


29ターン。ラドゥ、カードをドロー。


ラドゥ 
 残りライフ 6300
 手札 3枚
クリーチャー
 佐伯梓
 ソーマ・アルジェント
 清泉北都
 クナイ・アヤシ


真奈美
 残りライフ 1000
 手札 5枚
クリーチャー
 グリムゲーテ・ブラックワンス
 ラルク・アントゥルース
 鈴木周
 四谷大助


真奈美の側にはレベル85クリーチャーが2人もいる。

「クリーチャー召喚、『“酒乱の学者”犬養 進一(いぬかい・しんいち)』だ」


Lv20 犬養進一 戦闘力2000


今になってレベル20クリーチャーである。
真奈美が不審に思っていると、おもむろにラドゥは着衣を脱ぎだした!

真奈美「い、いきなり何をはじめる!?」
ラドゥ「カードの効果に従ったまでだ!」


犬養進一の効果:これを場に出しているプレイヤーはいつでも着ているものを一枚脱いでよい。そうした場合カードを一枚引く。


真奈美「だからって、試合中にいきなり服を脱ぐなよ!」
ラドゥ「ほほう、それでは先に水着姿になった貴様は何だというのだ?」
真奈美「うぐぐ、忘れておきたかったのに……」

マント、毛皮、上着……とラドゥは一枚ずつ脱いでいき、その手札は7枚になった。


「それではマジックカードを使わせてもらおうか。
 『コントラクト』だ。対象は『ソーマ・アルジェント』と『清泉北都』だ」


マジックカード「コントラクト(契約)」
 効果:使用者は、場に登場している地球人のクリーチャーとパラミタ種族のクリーチャーを1体ずつ選択する。選択された2体のクリーチャーは契約状態となり、戦闘力は「キャラクターのレベル×200」となる。契約状態のクリーチャーの内、片方のクリーチャーが場から取り除かれた場合、もう片方のクリーチャーは墓地に送らなければならない。 この効果はゲーム終了時まで続く。


緋桜 ケイ(ひおう・けい)の用意した必殺のカードである。
これによって『ソーマ・アルジェント』の戦闘力は11800、『清泉北都』は15000に!


「さらにマジックカードを使わせてもらう。『応援団』!」

魔法の効果によって、場に出ているすべてのクリーチャーがチアリーダーと応援団に変化した!

「なんだこのカードは……そうか、クリーチャーの戦闘力アップか!」
真奈美が声を漏らす。
それに対するラドゥの答えはまったくの予想外のものだった。
「発想の貧困なやつだ。このカードを使うと盛り上がる。それだけだ」
「それだけ!? なんのために!?」

「同じ事を二度も言わせるな、『盛り上がる』のだ!
 “闇の帝王”たるものの血闘は、アミューズメントでなければならぬ!」


「フレー♪ フレー♪ ラドゥさまー♪」
観客席でチアリーダー姿のリン・リーファ(りん・りーふぁ)がポンポンを振っている。
むりやり連れてこられた関谷 未憂(せきや・みゆう)も、恥ずかしげに合わせている。


「こ、これが王の血闘……!」


老いる事なくどこまでも続く人生を、吸血鬼は如何に過ごしてきたか。
ともすれば単調な灰色に塗りつぶされていく日々に抗うために、過剰とも思える恋愛や、苛烈極まる競技が生み出されてきたのだ。
そしてその頂点に君臨するのが、この“闇の帝王”ラドゥ・イシュトヴァーンなのである!


「さて、さらにエンハンスを用いるとしよう。
 『清泉北都』に『Jack in the box』を装備させる!」

北都の手に何か小さな箱が握られた。

ブルーズ・アッシュワース(ぶるーず・あっしゅわーす)はその小さな箱を見て、厄介なものをみた、という顔をした。
「アレは環境によっては使用禁止なんだがな。
 まあ相手も使用禁止カードは使ってるんだ、構わないだろう」


「では行け、『清泉北都』でアタックだ!」
「『四谷大助』でブロック!」


レベル65 清泉北都 戦闘力15000
レベル85 四谷大助 戦闘力9000


「『四谷大助』の特殊効果! 手札を捨てることで戦闘力を……」
「好きにはさせんぞ!
 『Jack in the box』を使う!」

北都が手にした小箱が開き、中からピエロ人形が飛び出す。
そのけたたましい笑い声に邪魔されて、大助は特殊効果が使えない!

「ラドゥ様のためだからねぇ。消えてもらうよ」
北都の銃が唸り、大助の鎧を貫通する。

「〜〜〜〜っ!! だ、だいじょーぶです! 何せ七乃は最強ですから!」
大助の身を守っている七乃が、辛うじて大助を守った。だがこの効果は一度きりだ。


「続けて攻撃、『ソーマ・アルジェント』でアタックだ!!」
「……『鈴木周』でブロック!」
「たかが戦闘力6000のクリーチャーで!
 戦闘力11800の『ソーマ』を止められるか!!」
「マジックカード発動! 『新日章会』!!」


『新日章会』
効果:すべての日本人クリーチャーの戦闘力を2倍にする

「日本人かどうかの判断は『名前に漢字とひらがなしか使われていない』と日本人になります」
アシュレイ・ビジョルド(あしゅれい・びじょるど)がカードの説明をする。

「ではお前はどうなのだ、アシュレイ?」
ラドゥが突っ込む。
「あっ、エラッタで『アシュレイ・ビジョルド』だけは例外で日本人です!」

つまり『鈴木周』の戦闘力は2倍の12000、『ソーマ』は11800のままということだ!


ソーマが倒されると、コントラクトしていた清泉北都も後を追うようにして墓地に送られた。


「……リスクは承知していた。クリーチャーを召喚しておこうか。
 『“芋ケンピ至上主義者”セオボルト・フィッツジェラルド(せおぼると・ふぃっつじぇらるど)』!
 『“賽命師”涼介・フォレスト』(本郷涼介)!」


レベル62 セオボルト・フィッツジェラルド 戦闘力6200
レベル64 涼介・フォレスト 戦闘力6400


セオボルトの上には芋ケンピが5つ乗っている。

「いよいよこのカードを使うときが来たか。ターンエンドだ!」


30ターン。
真奈美、カードをドロー。


真奈美
 残りライフ 1000
 手札 6枚
クリーチャー
 グリムゲーテ・ブラックワンス
 ラルク・アントゥルース
 鈴木周
 四谷大助

ラドゥ 
 残りライフ 6300
 手札 2枚
クリーチャー
 佐伯梓
 クナイ・アヤシ
 セオボルト・フィッツジェラルド
 涼介・フォレスト
 犬養進一


戦力においては真奈美が優っている情勢。
とはいえ残りライフはわずか、ここで一斉に攻め込まれると守りきれずに終わりだ。

「クリーチャー召喚!
 『“コンボ始動要員”ザカコ・グーメル(ざかこ・ぐーめる)』!」


レベル58 ザカコ・グーメル 戦闘力5800


「それじゃあ行くぜ、『ラルク・アントゥルース』でアタックだ!」
「『クナイ・アヤシ』でブロックだ」


戦闘力85 ラルク・アントゥルース 戦闘力8500
戦闘力58 クナイ・アヤシ 戦闘力5800


『クナイ』はソーマ、清泉北都を追うようにして墓地に消える。


真奈美はここで警戒してターン終了。