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リアクション
■■■ Onslaught
31ターン。
「私のターン! ドロー!」
ラドゥ
残りライフ 6300
手札 3枚
クリーチャー
佐伯梓
セオボルト・フィッツジェラルド
涼介・フォレスト
犬養進一
真奈美
残りライフ 1000
手札 5枚
クリーチャー
グリムゲーテ・ブラックワンス
ラルク・アントゥルース
鈴木周
四谷大助
ザカコ・グーメル
ラドゥに仕える執事が、大きな骨のサイコロを持ってやってきた。
「サイコロなんて何に使うんだ?」
「涼介の特殊能力でな」
効果:「賽は投げられた」
毎ターン攻撃フェイズ時、手札から種別:マジックのカードを1枚破棄し、サイコロを振る。攻撃力にサイコロの出目を掛ける。ただし、種別:マジックのカードを破棄出来ない場合、そのターンの終了時にこのカードはゲームから除外される。
――「クリティカルヒット!こいつはいいことがありそうだ。」
ラドゥは手の上でゆっくりとサイコロを転がしてから、盤上に投げ入れた。
そのとき、奇跡が起こった!
急に雷が落ちてサイコロに直撃、サイコロはまっぷたつになって盤上に落ちたのだ!
ふたつの破片はそれぞれ、1・2・5と、3・4・6の目を上に向けた状態となっていた。
「天命は我に有り! 出目は21だ!!」
「うそだ!
アクリト教授の計算では153万年に1度しか発生しないと言われているのに!」
クリティカルヒットどころの騒ぎではない。
「それでは『涼介・フォレスト』でアタックだ」
レベル64 涼介・フォレスト
戦闘力 13万4400
13万。
カードゲームにおいては天文学的といってもいい数字だ。
気が遠くなる真奈美だったが、観客席からの声で正気づく。
「落ち着いて、真奈美さん!
相手の数字がいくら大きくても、無限大でなければ大丈夫だから!」
東雲 秋日子(しののめ・あきひこ)の声だ。
真奈美は手札を観察し、秋日子からもらったカードを場に叩きつける。
「トラップカード発動! 『だいたい普通。たぶん普通』」
効果:場に出ているクリーチャーの戦闘力がすべて平均値(普通)になる。場に1体しかクリーチャーがいない場合は戦闘力が半減する。ついでに、対戦相手も1ターンだけ「普通」にならないといけない
(闇の帝王とかいわない。ツンデレ禁止)
「なん……だと……!?」
「もっと普通っぽく」
「信じられません」
場に出ているクリーチャーの数は9体。
戦闘力の合計は17万8500。
平均すると約19830となる。
「四谷大助でブロックし、特殊能力でグリムゲーテを生贄に捧げて戦闘力+1000だ!」
「涼介・フォレストが墓地に送られました。
『セオボルト・フィッツジェラルド』の特殊能力を使います。
芋ケンピを2つ消費することで、任意のクリーチャー1体を除去できます。
いま、芋ケンピは5つ残っているので、4つ消費して『ラルク・アントゥルース』と『四谷大助』を墓地に送ります」
セオボルトの芋ケンピに対する執念が、ラルクと大助を凌駕した!
「えっ、何それ!?」
真奈美のことを無視して、ラドゥは機械的に作業を続ける。
「『“蒼薔薇”リュミエール・ミエル』を召喚します。
『図書館引きこもり』でカードを4枚引きます。私の次のターンは飛ばされます。
『Prison of Thorn』(茨の檻)を使います。
対象は『鈴木周』と『ザカコ・グーメル』です。
ターンエンドです」
レベル52 リュミエール・ミエル 戦闘力5200
『Prison of Thorn』
マジックカード
効果:
指定したクリーチャー3体に無数の茨が巻き付き、1000ポイントのダメージを与え、2ターン行動不能に陥らせる。
クリーチャーが吸血鬼だった場合、効果が(ダメージ・行動不能時間共に)2倍になる。
ラドゥは「普通っぽく喋る」のがよほど面倒くさいらしく、早々にターンを終了させた。