First Previous |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
Next Last
リアクション
■■■ Rage
17ターン。真奈美のドロー(手札7枚)
ラドゥには戦闘力7000の瑠樹と、盤外に姿をけしているものの戦闘力8500の大助がいる。
対処できるクリーチャーを召喚できなければ持ちこたえられない。
さてここで三択。
1・クールな真奈美は逆転の妙手を思いつく
2・凄いクリーチャーを引いてくる
3・どうにもならない。血闘は非情である
真奈美は少し唸ってから、ラドゥにつまらない質問をした。
「確認するぜ。こっちのライフは8000、そっちのライフは5300だ。
合ってるな?」
「間違いない」
ラドゥのライフは『久途侘助』の効果で回復していたが、『侘助』がろくりんくん化したことで、この効果も途切れていたのである。
「つまり今このターン、5300ダメージを与えれば勝ちってことか。
エンハンス! 『ゆる族の着ぐるみ』だ!」
真奈美は引いてきた『ゆる族の着ぐるみ』を『闇商人』に装着させた。
するとどうしたことか、『闇商人』の姿が消えて行くではないか。
「ゆる族の特徴は『光学迷彩』の能力を持つことだ。
『光学迷彩』を持つクリーチャーの攻撃に対して、相手は防御クリーチャーを指定することができない!
すなわち一方的に殴り放題だ! ゆる族最強だぜ!」
ゆる族の雪国 ベア(ゆきぐに・べあ)がこのカードの恐ろしさを説明してくれた。
「『佐野亮司』でアタック! これで勝ちだ!!」
レベル53 佐野亮司 戦闘力5300
ラドゥ 残りライフ5300
ラドゥ、絶体絶命の危機である!
ここで場外から鋭い声が飛ぶ!
「ラドゥよ! この状況を覆せるカードが貴様の手の内にはあるはずだ!」
闇の帝王たるラドゥに向かってこの口ぶりは……変熊 仮面(へんくま・かめん)だ!
変熊は相変わらず仮面とマントという出で立ちである。
今のところまだマントで色々隠しているが、たぶん全裸に違いない。
このときラドゥの脳に電流走るっ……!
「そうか、わかったぞ変熊よ!
着ぐるみが邪魔をするというのなら裸にすればよい、そういうことだな!
トラップカード発動! 『やらニャいか』!!」
ベンチに座ったつなぎ姿のにゃんくま 仮面(にゃんくま・かめん)が現れた。
ラドゥに向かって移動中だった佐野は、ふとにゃんくま仮面を見てしまった。
「やらニャいか」
「ウホッ、いい獣人……」
効果:場にある全ての男カードを裸にする。ノンケでも容赦しない。
そういうわけで場にでている男カードたちは一斉に服を脱ぎ始めてしまったのだ。
当然ながら着ぐるみも脱ぐことになる。
真奈美のクリーチャー:
ろくりんくん(中身は『幸運の戦士』、女性なので効果なし)
“闇商人”佐野亮司(脱いでる)
ラドゥのクリーチャー:
『“不死身”のジークフリート』(脱いでる)
『“ゴロっとお昼寝」”久途侘助』 (脱いでる)
『“あ、ゆる族だ。和むなぁ”曖浜 瑠樹』(脱いでる)
「ゆる族が1体に減ったので瑠樹の戦闘力は6400まで低下したが、闇商人を倒すのに問題はない。ブロックだ」
「アッー!」
こうして佐野亮司は墓地に送られた。
しかし『やらニャいか』の効果はまだ続いていた。
カードの効果に
「対戦相手が『やらニャいか』と叫び続けない限り男性カード、プレイヤー、観客のズボンが下がっていく」
というなんだかよくわからない効果が書かれていたのである。
ラドゥは堂々としたものであったが、
「やらニャいか!」
「やらニャいか!」
という真奈美の必死の叫びがしばらく続くのであった。
「ひどいめにあったニャ……
『“変態紳士”七刀 切(しちとう・きり)』と『風森 巽(かぜもり・たつみ)』を召喚!」
レベル65 七刀切 戦闘力6500
レベル64 風森巽 戦闘力6400
召喚された切が、真奈美に声をかける。
「ところでもう一回カード名を読み上げてもらえないかねえ」
「えっ? 『へんた……』だが断る」
ターン終了。
First Previous |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
Next Last