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遺跡に眠る謎と託された想い

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遺跡に眠る謎と託された想い

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第三章 みなさんどこですかー? 


「先に遺跡に入った人たちのおかげでモンスターの数は少ないですね」
「そうね。でも気は抜かないようにね」
「セルファねえちゃんはもう少し肩の力抜いたほうがいいぜ」
御凪 真人(みなぎ・まこと)とそのパートナーであるセルファ・オルドリン(せるふぁ・おるどりん)トーマ・サイオン(とーま・さいおん)は行方不明になった調査隊を捜索していた。
「こちらの道には敵はいないようです」
「ありがとうございます、山葉さん」
真人たちの少し前を歩き【超感覚】で気配を探りながら歩くのは山葉 加夜(やまは・かや)である。
「へへんっ! 真人にいちゃんはやくこいよ!」
「あっ、トーマ! 勝手に先いってはいけないですよ!」
安全と聞かされた道をトーマは走り抜けようとした。
しかし、その瞬間

ガコンッ

「うわっ! なんだ!」
トーマが立っていた場所が少しへこんだかと思った瞬間、トーマの周りの壁が崩れ落ちそこから無数のガーディアンが現れた。
「しまった! トラップですか!」
「トーマ!」
そういうとセルファは【ゴットスピード】でトーマとの間合いを詰め彼に襲い掛かるガーディアン達を薙ぎ払った。
「セルファねえちゃん!」
「まったくもう……。勝手な行動をしてはいけないとあれほど……」
「ねえちゃん、ごめん……」
「セルファさん、トーマさん! 大丈夫ですか!?」
「大丈夫、どこにも怪我はないわ加夜」
どうやら真人は後ろから現れたガーディアンを抑えているようだ。
「真人! そっちは大丈夫!?」
「こっちは大丈夫です、セルファ! それよりセルファはトーマと加夜さんを連れてここを離れてください!」
真人がそういうとトーマと加夜は血相を変えて叫んでいた。
「ダメだぜ! 真人一人置いていけないぜ!」
「そうです! もしも真人さんになにかあったら……」
そんな3人を見てセルファは決心した顔で3人に告げた。
「私の出番ね。真人、あなたはトーマと加夜さんを連れてここから離れて」
「でも、そうしたらセルファが……!」
「大丈夫よ。私を誰だと思っているの?」
「けど、この数のガーディアン相手だと逃げ道なんて……」
「道がない? だったら作れば良いのよ!」
セルファはそう言いながらまっすぐな瞳で真人を見た。
「……わかったセルファ、君を信じるよ。必ず追いついてきてくださいね!」
「ええ、約束するわ。ほらっ、さっさとトーマと加夜さん連れていきないさい!」
そうセルファが言うと後ろで戦っていた真人が下がり、すれ違いざまにセルファがガーディアンの群れに向かって行った。
「……………」
「……………」
真人とセルファがすれ違う瞬間、何か言葉を交わしたようだがその声はガーディアン達の咆哮によってトーマ達の元には届かなかった。
「トーマ、加夜さん! ここはセルファに任せて僕らは先にいきましょう!」
「けど、セルファねえちゃんが!」
「でっ、でもセルファさんが!」
「彼女がああ言っているのです。絶対に大丈夫ですよ! それに……約束したので」
「……わかりました。彼女を信じます」
「オレも信じるよ、ねえちゃんを!」
そういうと3人は全速力でその場を離れて行った。

「真人のやつ……あんなこと言われたら這い蹲ってでも生きて戻らないといけないわね」
ガーディアンはセルファを取り囲み一斉に襲い掛かった。
しかし、セルファは剣舞を以てそれを打倒していく。
「道を切り開くのは私の十八番よ! どっからでもかかってきなさい!」

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「ふん……美しくないな」
そういってたった今倒して地面に転げるガーディアンの残骸を見てつぶやくのはソーマ・アルジェント(そーま・あるじぇんと)である。
「怪我はない? ソーマ」
そういうのはパートナーである清泉 北都(いずみ・ほくと)
「あぁ、大丈夫だ。心配はない」
「そっかならよかった。じゃあ捜索をつづけようか」
「わかった。北都を守るのが俺の使命だからな」
「いつもありがとね」
「あらぁ、熱い友情ねぇ」
北都とソーマのやりとりを見ているのはニキータ・エリザロフ(にきーた・えりざろふ)である。
「二人ともわたし好みだし……」
「あはは……。ニキータさん、よだれがでていますよ」
「あらぁ、わたしとしたことが……ジュルリ」
3人に付き添う物静かな容貌の女性は奥山 沙夢(おくやま・さゆめ)である。
「それにしても……迷路みたいな内部ですね。ここはいったい遺跡のどのあたりなのでしょう……」
「沙夢―! 壁こわしたら一番奥まで一直線だね!」
この元気な少女は沙夢のパートナーの雲入 弥狐(くもいり・みこ)
「だめよ、弥狐。歴史のある建造物なんだからむやみに壊しては」
「わかってるよー! けど、できたら楽だろうなー……って」
そんなお転婆な弥狐を見てニキータは自信ありげな顔で
「だめよ。女性というものはわたしのように落ち着きと冷静さを持っていないといけないわ」
と、弥狐にアドバイスをしていた。
「うっ、うん。わかったよ!」
すこし進んでいくと前を歩いていた北都とソーマの目の前にゾンビたちが現れた。
「新手か!」
「北都さん、ソーマさん!危ないわ!」
「あらぁ、穏やかじゃないわねぇ……。わたしに任せなさい」
飛び出そうとした沙夢を制してニキータは北都達の元へ駆けていった。
完全に不覚だったのか北都とソーマは咄嗟の反応ができずその場で立ち止まってしまった。
しかし間一髪のところでニキータの戦闘用フラワシによる攻撃が間に合った。
「数がおおいわねぇ・・・仕方ないわ、二人ともこっちにきなさい!」
そういうとニキータは対物ライフルを取り出したかと思うと壁をぶち抜き無理やり逃げ道を作った。
その光景をみて4人は唖然とした。
「あんまりやりたくなかったのよねぇ、これ」
そう言いながらライフルのトリガーを引き逃げ道を作っていくニキータ。
「……ほっ、北都! ここを離れよう!」
「うっ、うん!」
ニキータが作った逃げ道から5人は安全なところまで逃げ出した。
「はぁはぁ……。あっ、あのニキータさん?」
「なぁに、沙夢? あっ、これ? なにかあったときにつかえると思ってもってきたのよ」
「そうなのですか……。壁が……」
沙夢は先ほど弥狐に壁は壊してはいけないと言ったのを思い出していた。
そんな沙夢とは対称に弥狐は目を輝かせていた。
「かっ、かっこいいです! ニキータさん! お姉さまと呼ばせてほしいよ!」
「あらっ、素直でカワイイ子ね。いいわよ」
こちらの二人の間に不思議な関係が生まれたようだ。
「……北都、俺たちはあっちには関わらないほうがいいかもな」
「……うっ、うん。僕もそう考えていたところだよ」
こうして5人は捜索を再開したのであった。
「……ところで途中まで一緒にいたあのグループはどこへいったんだ?」
「あっ、そういえばいないね……」

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「遺跡探索だー! ヒャッホウ!」
「ほれほれ、あんまりはしゃいではいかんぞ!」
「二人とも落ち着いてください……」
陽気に探索を進めるのはアキラ・セイルーン(あきら・せいるーん)
それを見て叱っているのはルシェイメア・フローズン(るしぇいめあ・ふろーずん)
そしてその二人をなだめるのはセレスティア・レイン(せれすてぃあ・れいん)である。
「こっちにきてというから着いてきたらこれじゃ……北都たちとはぐれてしまったではないか!」
「だってあっちは救出班じゃないかー。俺は遺跡を探索したかったのだぜ!」
「あはは……。アキラさんらしいじゃないですか」
ルシェイメアはあきらめたのか、深く溜息をつきアキラについて行った。
「まぁ、地図をつくっておくからわしから離れてはいかんぞ」
「おっけーわかったーじゃあ俺あっちな!」
「だからわしから離れてはいけないといったじゃろ!」
「あ、あはは……」
暢気に進むアキラ一行の目の前にガーディアンたちが現れた。
「うおー! 敵だー!」
「なんで貴様は喜んでおるのじゃ! 戦闘準備をしろ!」
そういうとルシェイメアは魔道銃でガーディアンたちを狙撃し始めた。
アキラもはしゃいでいる割にはしっかりと後衛の二人を守りながら戦っていた。

戦闘はすぐに終わり、セレスティアルは二人の傷を回復魔法で癒していた。
「・・・ふぅ、治療完了です。二人とも大丈夫ですか?」
「ありがとーセレス。じゃあ、冒険再開だな!」
「だからはぐれるなと言っておるじゃろ!」
「二人とも先いかないでくださいー! ……っと、ちゃんと回復魔法1回分はのこっているかなっ。ヒーラーの心得ですっ」
こうして3人のお気楽冒険記は続くのであった。