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遺跡に眠る謎と託された想い

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遺跡に眠る謎と託された想い

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第六章 守護者

「こ、この先がい、遺跡の一番奥かな……?」
「んー……多分だけど、そうじゃないかなっ?」
敵を倒しつつ遺跡内部をすすんでいたリースとマーガレットは遺跡の最奥と思われる場所まできていた。
「おや、君たちは・・・?」
「あっ、エースさんとメシエさん」
リース達と合流したのは遺跡を調査していたエースとメシエだった。
「君たちも……?」
「はっ、はい。この奥が最奥だと……」
「あぁ、多分そうだね。入ろうか」
そういうと4人は最奥へと突入したのである。
「こっここは……」
「リース見て! すっごく広いよ!」
そこはまるで大きな屋敷のエントランスのような大きさであった。
「メシエ、なにか心当たりはあったかい?」
「……いや、無いな。それにしても」
「あぁ、道中が迷路のようになっているのに最奥がここまで広いとなると……なにかありそうだね」
「みんな、あれ見て!」
マーガレットが指差した先にはなにやら台座に刺さっている剣があった。
「もしかして女王器かなっ!?」
そういうとその台座目がけてマーガレットは走り出した。
「マーガレット! だっ、だめ!」
自身に【ディテクトエビル】を使っているリースは頭上から敵意をもった何かが現れるのを察知していた。
「えっ? ……きゃぁぁぁぁぁぁぁあああ!」
マーガレットの前に現れたのは全身を鎧に覆った巨大なガーディアンであった。
「あれは……!? メシエ、いくよ!」
「わかった!」
エースはティアマトの鱗などを使い前衛で、メシエは魔法攻撃でそれぞれ戦闘を開始した。
「いたたたっ。びっくりしたぁ……」
「マーガレット! だっ、大丈夫なの?」
リースは先ほどのガーディアンが出現したときに吹き飛ばされたマーガレットの下へ駆け寄り回復魔法を使っていた。
「大丈夫大丈夫! 少し風に吹き飛ばされただけだよっ!」
「よ、よかったぁ……」
「回復ありがとねっ! あのガーディアン、許さないんだからっ!」
「まっ、待ってー!」
マーガレットの回復が終わると、二人は戦闘に参加しようとした。
「君たち、来てはいけない!」
「あたしたちは大丈夫だよ、エース!」
「そういう問題じゃないんだ! こいつ……まるで攻撃が効いていないんだ!」
リースとマーガレットは驚きを隠せなかった。
「ここは俺とメシエで抑える! だから……!」
「だっ、だめです! お二人を犠牲にしてまで助かりたくないです!」
リースは決意を込めた言葉で二人にそう告げた。
「しかし、このままでは……」
「リース、言葉がどもらなかったね。さすがボディーガードを目指してるだけあるねっ!」
「かっ、からかわないでよ……。私達もいこっ!」
「そういうわけだから、諦めてよねエース!」
エースはリース達のやり取りを見て微笑んだかと思うとすぐにガーディアンに視線を戻し、戦闘を再開した。
「……おかしい」
「……っ! メシエ、どうしたんだい?」
「このガーディアンは私達を奥に行かせないような戦闘をしている。なにより……攻撃が効かないガーディアンが存在するはずがない」
「……たしかに、そんなものがあれば戦いそのものが成立しない。争いの絶えない時代にそんなものがあったなら戦いなんて終わっていたはずだね」
「なにか致命的な弱点があるはずだ。それに……」
メシエは理解できないと言った顔で呟いた。
「どうしてあのガーディアンはダメージを受けてないのにあれほどまで苦しんでいるんだ……?」
「それはどういうことなんだい?」
「エース! 上だ!」
「っ!」
「余計な言動だった、すまない。詮索は後にしてこの場を乗り切るぞ」
「そうだね……あの二人は任せるよ。俺の代わりに護ってあげるんだよ」
「了解した」
戦闘が激化する4人は傷を覆いながらも戦いを続けるのであった。

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「加夜ちゃん、この先が最奥ね!」
「はい。急ぎましょう」
最奥を目指し、遺跡内を駆けるのは騎沙良詩穂率いる救助隊であった。
「もしあの情報が本当なら、奥で戦っているみんなが危ないわ! 急ぐわよ!」
最奥の部屋の扉をくぐった先にはエース達4人が死闘を繰り広げていた。
「みんな! 大丈夫!?」
「しっ、詩穂さん!」
「君たち、来てはいけない!」
「大丈夫! ……捜索隊のみんなの情報、信じているわよ……!」
今だ傷一つないガーディアンを見て詩穂は確信を得て救助隊を戦闘に参加させた。
「4人下がってて! 加夜ちゃん、後はお願い!」
「わかりました。後は任せてください」
そういうと加夜はガーディアン目がけて回復魔法を放ったのである。
「なっ、君たち! これは……」
エース達は一瞬驚いた表情を浮かべたが、先ほどまで傷一つ負っていなかったガーディアン達が苦しみだしたのである。
「これはいったい……」
「遭難していた調査隊の人から手に入れた情報よ。なんかあのガーディアンは回復魔法や回復薬しか効かないそうよ」
「そんなことが……」
「きゃぁぁぁぁぁ!」
「!? 加夜ちゃん!」
加夜達は回復魔法で応戦するが魔法力には上限がある。
「すみません。もう魔法が打てません……」
「気にしないで。それより怪我ない?」
「私は……けれど」
加夜が言いかけたその瞬間ガーディアンは詩穂たちに襲い掛かったのである。
「しまっ……」
「間に合ってください……!」
後ろから声が聞こえたかと思うとガーディアンに回復魔法が命中し、ガーディアンは動かなくなった。
「はぁはぁ……まさかヒーラーとしての心得が敵にとどめをさすということに役立つ日がくるなんて思っていなかったです」
「その声は……セレスちゃん」
どうやらセレスティアたちも最奥に到達したようだった。
「みなさん、大丈夫ですか? ……といってもこの通り、残しておいた一回分も使い切ってしまったのですが」
「大丈夫だよ。ありがとね、セレスちゃん」
「いえいえ、お役に立ててなによりです」
セレスティアの後ろではアキラとルシェイメアが
「貴様が勝手な行動をとらずに皆についていけば危険に晒されることもなかったじゃろ!」
「だって、冒険したかったんだぜ! それに真打は最後にだな……」
などと言い合っていたが、それはさておきこうして強敵との戦闘は幕を閉じたのであった。