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罪と罪 罰と罰

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罪と罪 罰と罰

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◇最終章 カンタービレ 【重要だが必要ではない楽譜記号】◇

 ――なんという終わり方。なんという爽やかな連中であろうか?
 許さん……この期に及んでメラメラと嫉妬の炎を燃やす者の存在があった。

 ズズーン、ズズーン!!
 蒼空学園を揺るがすが如く、その破壊神のような足音が響いた。巨大な地震を思わせるようなその震動に、小動物たちが慌てて逃げ出す。生徒達が驚いて、顔を覗かせるとその場所に立っていたのは、口からよだれを垂らした巨大で獰猛そうな熊であった。
「な、何なんだ、この生き物は……!?」
 生徒達が驚くのも無理はない。身長は実に18メートル、物語の根底……いや、蒼空のフロンティア魂そのものを破壊するようなゆる族がそびえ立っていたのだ。名前は巨熊イオマンテ(きょぐま・いおまんて)
「そこどかんかい、ボケがっ! 散歩の邪魔だっちゅうんじゃい!」
 イオマンテは荒々しい息と共に、己の主張を吐き捨てる。そして、その彼(?)の肩の上には、高らかな笑い声をあげて、薔薇学マントをなびかせる全裸の仮面男……巨熊イオマンテのマスター変熊仮面(へんくま・かめん)が立っていた。
「ウフフ、キャッキャッは俺が許さん。シリアス、クライマックスは俺が登場してからにしてもらおうか! GMよ、課金を受け取ったからには私の活躍をじっくり描いてもらうぞ!!」
「キャーッ! 変態!」
 女生徒たちは顔を手で覆うと悲鳴をあげた。
「変態ではないっ! 変熊だ! 変熊!」
 その悲鳴がやけに心地よい。変熊は嫌がられるとエクスタスィーを感じるのだ。そして、勢いそのままに身体を奇妙にくねらせて、蒼空学園全土を手を差し出したのだ。
「ナルソス君! 君は自分のどこが美しいと言うのかね。他人が作った服、他人の作った楽器……そんなものを身に着けた美は所詮他人に作られた美! 本当の美というものは体一つで表現するものだろう? 私のようにな!! どちらが美しいか生徒達に決めてもらおうではないか! さあっ、脱げ!」
 まるで牛乳を飲むが如く、腰に手を添えた変熊は己の裸体を誇っていた。これぞ、変熊流のクライマックス。テンション最高。
「うぅ、私にはあんな格好はできない……」
 崩れ落ちるナルソス。
「罪と罪 罰と罰 お前にはこのような罰がお似合いじゃ!!!」
 変熊は己の三本目の足をブルンブルンと揺らす。
「罪と罪 罰と罰 変態と変態ってオチかのう」
 イオマンテは唖然とする一同の元を背中のチャックを揺らしながら悠然と去っていくのだった。

「……と言うオチを考えたんですが、博士どうですか?」
 シャンバラ教導団の教室でアマーリエ・ホーエンハイムはミヒャエル・ゲルデラー博士に尋ねた。
「ボツ……と言うか遅すぎるし、ビデオはすでにはない! それとも、アマーリエ、もう一度撮影してきてくれるか?」
「無理だぁ!! 最後くらい空気読んでくれ!!!」
「チッ……」
 ミヒャエル・ゲルデラー博士は舌打ちすると、友人の巨熊イオマンテに教えてもらった台詞を吐いたのだ。

「空気!? そんな透明なもの読めんわ!」 ―完―

担当マスターより

▼担当マスター

サナンダ アナンダ

▼マスターコメント

 どーも、サナンダ アナンダです。
 シナリオへのご参加ありがとうございました。
 当初、七十名を超える登場人物に発狂しましたが、皆様のアクションのおかげで失踪する事なく最後まで執筆できました。
 GMとしては卵クラスの私ですがこれからもよろしくお願いします。
 それでは、また別のシナリオでお会いしましょう。