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リアクション
第2章 暴走ラリアット娘ざんすかを止めろのこと
一方そのころ、じゃたたちとは離れた場所、イルミンの森とジャタの森の境にて。
シャンバラ人のアリシア・スターク(ありしあ・すたーく)は、パートナーの水神 幽也(みかみ・ゆうや)を連れて、森にやってきていた。
「なんだか、『じゃんすか』とかいう妙な女が騒動を起こしているそうですわね。止めに行きますわよ!」
「『ざんすか』です、アリシア様。その、なんにでも首を突っ込む性格は直された方がよろしいと思いますが……」
「おだまりなさい! 些細なことですわ! あっ、やってきましてよ!」
アリシアは、道の真ん中に立ちふさがり、緑の髪の少女、ざんすかに言う。
「おーほっほっほっほっほ!! あなた、アーデルハイト様を殴って、ジャタの魔大樹に除草剤を撒くとか言っているそうですわね。しかし、わたくしより目立てると思ったら大間違いですわよ!! あなたみたいなちんちくりんの小娘ではなく、このわたくしが真の主役なのですわ!!」
「ユーが言ってることの意味、よくわからないけど、なんだかムカつくざんす!!」
ざんすかは、腕を振りかぶると、アリシアをラリアットでぶっ飛ばした。
「おほほほほほほほほほほほほ!! これで、目立てましたわー!!」
アリシアは、空中で叫びつつ、木の枝に引っかかって気絶した。
「ざんすかさん、アリシア様にも悪気はないのです。お気を悪くされたらすみません。よろしければ、お茶とお菓子などどうぞ」
ざんすかの背後から幽也が現れ、パートナーをフォローしつつ、お菓子を差し出す。
「ん? なかなか気がきくやつざんす! アイスグリーンティーをいただくざんす!」
走ってきて喉が渇いたのか、ざんすかは自分の髪の色に似た冷たいお茶を美味しそうに飲んだ。
「よろしければ、俺たちもざんすかさんと同行したいのですが、よろしいですか?」
ざんすかがどういう存在なのかを見極めたいと考えた幽也の発言に、ざんすかは鷹揚にうなずいてみせた。
「別にかまわないざんす!」
そこに、リリサイズ・エプシマティオ(りりさいず・えぷしまてぃお)が現れ、ざんすかに平和的解決を訴える。
「あなた、例えば、ご自分の森に除草剤が撒かれたとしたら、どう思いますの? 何より除草剤を撒いてまず枯れるのは関係の無い抵抗力の弱い木々や下草ではありませんの?」
「関係ないざんす! 枯れるのはそいつが弱いからざんす!」
ざんすかは、聞く耳を持たない。
時枝 みこと(ときえだ・みこと)とパートナーの剣の花嫁フレア・ミラア(ふれあ・みらあ)は、ざんすかを追いかけて、魔法学校の図書館から空飛ぶ箒で飛んできた。
「ざんすかも長いから、すかちゃん、でいいすか?」
「すか……余計、事が荒立ちそうな気がしないでも……それ寒いですよ」
ざんすかの呼び名について検討していたみこととフレアは、リリサイズと言い争うざんすかをみつけた。
「すかちゃん、みーっけ」
なぜか気軽に呼びやすい呼び名を呼びながら、みことは地面に降りる。
「弱いから枯れるって……あなたもザンスカールの森の精というからには、森を代表する存在のはず。それなのに、なんて自分勝手な言い草をするんですの!」
プライドの高いリリサイズは、ざんすかの発言を許せなかった。
「そんなの知るかざんす! 嫌なら強くなればいいざんす! ミーは自分の力を活かして邪悪なジャタの魔大樹を枯らすつもりざんす!!」
「すかちゃん、自分の森で暴れられたら駄目で、ジャタの森ならいいのか? あっちは良くてこっちは駄目っておかしな話じゃないのかい? ジャタの森が在ったって今まで困った事は無いはずだよ。どうして今回はそうなるのか、理由が有るなら話して欲しいな」
みことは、平和的解決を目指し、相談に乗ろうとする。
「魔大樹は瘴気を撒き散らして魔物を増やしているざんす! だから枯らすざんすよ。単純な話ざんす!」
ざんすかは、強く言い切る。
「じゃあ、これでもそう思うの?」
みことが、イルミンスールの森の木に爆炎波で炎を放つ。
「何するざんす! そんなの知るかざんす!」
しかし、ざんすかには話が通じない。
ディアス・アルジェント(でぃあす・あるじぇんと)がやってきて、ざんすかに話しかける。
「俺の目には何だかんだでジャタの森ともうまく共存してるように見えるんだがな? ……力づくは……森の精なら火は苦手だったりしねぇか?」
火術でざんすかを脅そうとするディアスに、パートナーの剣の花嫁ルナリィス・ロベリア(るなりぃす・ろべりあ)がたしなめる。
「……小さい子……脅すの、ダメよ……」
しかし、キレたざんすかは、ディアスに向かって走っていく。
「さっきから、うるさいざんす! その程度でミーが動じると思うなざんす!」
「ぐはっ!」
アーデルハイトをぶっ飛ばしたラリアットで、ディアスもぶっ飛ばされる。
「……大丈夫?」
「……な、なんとかな」
ルナリィスにヒールで回復してもらいながら、木の幹にめりこんだディアスは答える。
そこに、緋桜 ケイ(ひおう・けい)と、パートナーの魔女悠久ノ カナタ(とわの・かなた)、ソア・ウェンボリス(そあ・うぇんぼりす)と、パートナーの白熊型ゆる族雪国 ベア(ゆきぐに・べあ)がざんすかの説得に現れる。
(しかし、ざんすかはザンスカールの森の精っていう割には、ずいぶんと子どもっぽい性格のようだぜ……。大人しく俺たちの話を聞いてくれればいいのだが……。いや、それ以前に森の精に自然の大切さを説くっていうのも、なんだかシュールだぞ……)
ケイはそんなことを考えながら、空飛ぶ箒に乗ってやってきていた。
「仮に「ジャタの魔大樹」が本当に邪悪な木だったとしても、安易に除草剤なんて撒いたら、周りの動植物への影響が心配です。ざんすかさんだって、なにもジャタの森全てを枯らして、そこに住む動物達まで酷い目に合わせようとは思っていないはずです! それに、ざんすかさんだって、森の精ですから、自然を大切にする気持ちはあるはずですよね。合言葉は「自然を大切に」、ですよっ!」
ソアはざんすかの手を取って、ケイと一緒に丸太の上に座る。
「ベアとカナタさんが、実際に除草剤を撒いたら動物たちにどんな影響が出るのか、デモンストレーションしてくれるそうですよ」
「でもんすとれーしょん、ざんすか?」
「なんだかよくわからないが、一緒に見ようぜ!」
きょとんとしているざんすかであったが、ソアとケイに押し切られて、おとなしく見物することになった。
「自然を大切に! イルミンスール公共広告機構です!」
カナタがお子様ボイスでナレーションと台詞を担当し、ショーが始まった。
「ミーはざんすかざんす〜。適当に除草剤を撒いてやるざんす〜」
カナタの台詞にあわせて、ベアがざんすかの真似をして、草木に除草剤を撒くジェスチャーをする。
ベアはわざとバカっぽい表情を作り、のそのそ動いてみせる。
ざんすかをイラッとさせるのが目的だった。
「なんのつもりざんすか?」
「しーっ、静かに見てましょう!」
早くもイライラしているざんすかを、ソアがなだめ、ショーに集中させる。
「お腹が減ったクマー。あ、この草は食べられたはずクマー。ムシャムシャ」
カナタの台詞にあわせ、今度は、森の熊が草を食べる場面を、ベアが演じる。
うってかわって、ベアは人畜無害なかわいい熊さんの動きをする。
「ぐ、ぐおお苦しいクマー……! 死んでしまうクマー!」
ベアは、目を見開き、おおげさにもだえ苦しんでみせる。
胸を押さえ、のた打ち回るベアは、声優のカナタともども、迫真の演技を行う。
そして、ベアは、倒れたまま動かなくなった。
「可哀想に。誰かが勝手に撒いた除草剤のせいで、その草木を食べた森の熊さんは毒で死んでしまいましたという話クマ……」
カナタの悲しげなナレーションが炸裂する。
そして、終わりのBGMが流れるのだった。
「おお! これなら子どもっぽいざんすかにも俺たちの言いたいことが通じるかもしれない!」
ケイは期待して隣のざんすかを見たが、ざんすかは完全に白けた様子だった。
「何を言っているざんす。弱肉強食が自然の習いざんす! それに、森に白熊はいないざんすよ!!」
「クッ! 現代っ子がパラミタにまで……ッ!」
ケイは拳を握りしめ、こっそり思った。
(男としてさすがに子どものようなざんすかには突っ込めないので、容赦が無いベアに怒りの突っ込みを期待するぜ!)
しかし、ざんすかの隣に座っていたソアは、涙を流していた。
「うっうっ、熊さん……かわいそうです……」
熊好きのソアは、ベアの迫真の演技に、森の熊さんが本当に死ぬことを想像して泣いていたのだった。
「なっ!? ソ、ソア、お芝居だろっ! 泣くな! ベア、自分のパートナーを泣かすなんて、どういうつもりだ!」
予想外の展開に、ケイは慌てる。
「まったくそのとおりだな。女の子を泣かすなんて最低クマー」
カナタも、一緒になってベアを責める。
「ま、待てよ! ご主人、泣くなーっ!! 俺様はピンピンしてるぜ!!」
やはり、ソアを泣かせることが完全に予想外だったベアは、ソアの目の前に駆け寄り、ぴょんぴょん飛び跳ねてみせる。
「ぐすっ、でも、このままじゃ、熊さんが……」
「熊も死なねえよ! 俺様たちがなんとかするって!」
ベアは、必死になって、ソアをなだめる。
「女の子を泣かすなんて最低クマー」
「『最低クマー』じゃねえよっ! てゆうか、カナタ、ご主人を泣かせたのはおまえのせいもあるだろっ!!」
口調が気に入ったのか、繰り返し言うカナタに、ベアが突っ込む。
「ばかばかしいざんす! ミーは先を急ぐざんすよ!」
立ち去ろうとするざんすかに、コード付きマイクが飛んできて、縛り付けた。
「な、なにするざんす!」
ざんすかが驚いてふりむくと、はるかぜ らいむ(はるかぜ・らいむ)が、カウガールよろしくマイクを振り回してざんすかを捕らえたのだった。
パラミタ一のアイドルを目指すらいむは、常にマイクを持ち歩いているのである。
「やったね! 捕まえたよっ! ……って、えええっ!!」
ざんすかは、コードを引きちぎると、すごい形相でらいむを追い始めた。
「こらーっ、待つざんす!」
「わー、やめてー! ボクはアイドルだから、殴らないでー!! と、特に顔は大事だから!」
「じゃあ、ボディ狙うざんす!」
「それもやめてー!!」
ざんすかとらいむが走り回っていると、空中から声が響いた。
「抱きしめたいな! ざんすか!」
機晶姫のメリエル・ウェインレイド(めりえる・うぇいんれいど)が、空飛ぶ箒に乗って突撃してきたのである。
真正面から体当たりされ、転ばされたざんすかであったが、即座にメリエルをぶん殴って立ち上がる。
「いったいなんのつもりざんすか……って、冷たいざんす!?」
パートナーのメリエルが突撃した隙に、エリオット・グライアス(えりおっと・ぐらいあす)が、ざんすかの足元を氷術で氷漬けにしていた。
「フロイライン・ざんすか、除草剤を使わないと誓うんだ」
「何を言い出すざんす!」
「誓わないなら、このまま少しずつ氷漬けにしていくぞ」
エリオットの眼鏡の奥の緑の瞳が光る。
「エリオットくん。何か今回、悪役っぽいよね……」
「……言わんでくれ。自分でもそう思っているのだ……」
茂みに突っ込んだままのメリエルの言葉に、エリオットはこめかみを押さえる。
「そんな脅しが効くと思ってるのかざんす!」
ざんすかは、力づくで、足元の氷を破壊した。
「なっ!? なんて怪力だ! グハッ!!」
「エリオットくん!!」
エリオットはざんすかの返り討ちにあい、メリエルが悲鳴を上げる。
「まったく、どいつもこいつも、なんなのざんす! 次から次へと……!?」
再び、ざんすかは、今度は全身を氷漬けにされる。
アルツール・ライヘンベルガー(あるつーる・らいへんべるがー)が氷術を使ったのだ。
アルツールは、上半身だけ火術で溶かすと、ざんすかに往復ビンタをくらわせた。
「さあ、二度とこんなことはしないと誓い、アーデルハイト様にも謝罪しろ。でなければ、次は貴様の脳みそをえぐるっ! もっとも、脳みそがあればの話だがっっ!!」
子どもの悪さにはそれなりの制裁が必要と考えたアルツールであったが。
「なにしやがるざんす!!」
ざんすかは、氷術から逃れると、アルツールに往復ビンタを倍返しして、思いっきりぶっ飛ばした。
「アーデルハイト様だけでなく、講師の俺にまでっ! この不埒者めっ!!」
ぶっ飛ばされつつも、アルツールはさらにざんすかを非難していた。
ざんすかが、地面に落ちた除草剤を拾って立ち上がろうとすると、白波 理沙(しらなみ・りさ)が、思いっきりざんすかの頭をハリセンで引っぱたいた。
「だから、さっきからユーたちは何するざんす!?」
「え、ボケてたんじゃなかったの!?」
理沙は、ざんすかが除草剤を撒くというのは、パートナーのようにボケているんだと勘違いしていた。
理沙のパートナー、シャンバラ人のチェルシー・ニール(ちぇるしー・にーる)は、甘ロリ服に身をつつみ、トレードマークの大きなリボンをゆらしてにっこり微笑んだ。
「あらあら、理沙さん。ざんすかさんは本気で除草剤を撒こうとしていますのよ。ここはひとつフルボッコでどうですかねぇ?」
「除草剤なんか撒き散らしたら今までその場所に住んでいた何の害の無い生物にも影響しないとは限らないのに自分の都合だけで除草剤なんてダメに決まってるじゃない!」
最初から戦闘モードのチェルシーと、あくまで正論をぶつ理沙に、ざんすかはキレる。
「ユーたち、まとめてぶっ飛ばすざんす!」
なし崩しに戦闘が始まり、水神 樹(みなかみ・いつき)も、自分にディフェンスシフトをかけて、肉体言語で訴えようとする。
「可愛い女の子に技をかけるのは心が痛むけど……。あの、アーデルハイトさまにラリアットぶちかました猛者に手合わせを願いたいわ!」
武士道を重んじるナイトの樹は、説得を聞き入れてもらえないのなら実力行使するつもりであった。
幼いころから武術道場に育った者として、ざんすかのような強者とまみえることは楽しいと感じる部分もある。
「ああっ、もう、面倒くさいざんす!」
3対1の戦闘に、ざんすかは背を向けて逃走する。
「待ちなさいっ! まだ話は終わってないわよ!」
「逃げるなんて卑怯ですわ!」
「森の精が除草剤なんて撒いたら駄目よ!」
理沙とチェルシー、樹が必死に追うも、ざんすかは止められず、ジャタの森の奥に走っていってしまった。
「おい、そこの小娘!」
カーシュ・レイノグロス(かーしゅ・れいのぐろす)が、ざんすかに声をかけるが、ざんすかは無視して走り去ろうとする。
「俺を無視するんじゃねぇ! 俺はパラ実の暴走族の頭よ! てめぇ、何しに来た!?」
「ミーはジャタの魔大樹を除草剤で枯らすざんす!」
「んな事ぁさせねぇ! 俺の住処が無くなっちまうじゃねぇか! それにジャタの魔大樹様はここの御神木よ! こいつはただの樹じゃねぇ! 現人神であらせられるドージェ様が若い頃に張り手や頭突きの修行をしていたとされる樹なんだ! ……それを枯らすだと? この腐れ精霊が!!」
カーシュは、パラ実の暴走族の頭を名乗り、魔大樹を守るつもりであった。なお、ジャタの魔大樹についてドージェ関連の伝承は特に伝わっていない。
カーシュは、スパイクバイクでざんすかに突撃する。
「いい度胸ざんす!」
「ぐわあっ!!」
カーシュは、スパイクバイクごと、ざんすかにぶっ飛ばされる。
ざんすかがカーシュに蹴りを入れていると、九条院 京(くじょういん・みやこ)の声が響いた。
「そうはさせないざんす!……伝染ったのだわ」
道の真ん中で京が立ちふさがり、ざんすかがそちらをふりむいた隙に、京のパートナーの守護天使文月 唯(ふみづき・ゆい)が、ざんすかに攻撃する。
「京が口調崩壊しないためにも、君を止めてみせる!」
「口調崩壊ってなんなのだわ、唯!」
「なんだかミーもムカつくざんす!」
唯がざんすかを攻撃している間に、京はざんすかが落とした除草剤を奪おうとする。
しかし、ざんすかの猛攻に、唯も返り討ちにあい、京もぶっ飛ばされるのであった。
「全ての生物を分け隔てることなく照らし、大いなる恵みをもたらすもの。人、それを……太陽という!」
「誰ざんす!?」
突然の声に、ざんすかが振り返ると、顔を含め、全身を金粉で塗り、金色のビキニ、ネクタイ、靴下、靴を着用したエル・ウィンド(える・うぃんど)の姿があった。
顔バレ防止のため、金色のサングラスも着用している。
「キミ達に名乗る名前はないっ! でも可愛い女の子なら連絡先教えるからよろしくねっ!」
「へ、変態だ……」
「変態、なのだわ……」
「変態がいる……」
薄れ行く意識の中、カーシュ、京、唯は、同じ感想を抱いていた。
「さすがに全裸はまずい、紳士な服装を着用しよう!」というのが、エルの心情であったが、実際にはあまり変わらないのだった。
「サンシャインアタック!」
ただのチェインスマイトだが、太陽の戦士っぽく叫び、エルが攻撃する。
「サンシャインブレイク!」
魔法の箒に乗って体当たりするだけだが、太陽の戦士っぽくエルが叫ぶ。
「サンシャインディフェンス!」
ただのディフェンスシフトだが、太陽の戦士の防御技っぽくエルが叫ぶ。
「変態ざんす! どう考えてもただの変態ざんす!」
ざんすかが、必死でエルをどつきまわす。
「なかなかやるな! こうなったら、超必殺技! サンシャインオーバーブレイク!」
エルは、箒にのってキリモミ回転しながら体当たりした。
「ぎゃああ、金粉が身体につくざんす!」
自分の技の回転のせいで、激しく酔っていたエルだったが、ざんすかには思いっきり避けられてしまう。
「は、はあはあ、くっ、酸欠だ……」
皮膚呼吸ができなくなり、エルはぶっ倒れる。
「いいかげんにしろざんす!」
ざんすかはエルもぶっ飛ばすと、さらにジャタの森の奥に走っていった。