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リアクション
第2章
森の中で光臣 翔一朗(みつおみ・しょういちろう)がドラゴンアーツとヒロイックアサルトを使い、ランスを振り回して辺りの木々を薙ぎ倒していた。翔一朗の動きとともに、爆発が起こる。紀の仕掛けた地雷トラップだった。
うんちょう タンが伽羅からの報告をマーゼン・クロッシュナー(まーぜん・くろっしゅなー)に上げ、マーゼンはそれを各グループに連絡していた。翔一朗はその報告を元に、地雷を爆破し、鏖殺寺院の構成員をおびき寄せるべく、森の中で暴れることにしたのだ。
「これだけ暴れていれば、鏖殺寺院の連中の注意をこちらに向けることもできるじゃろう」
その翔一朗をめがけ、不意に銃弾が降り注いでくる。しかし、禁猟区のスキルを使い、翔一朗はそれを防ぐ。
「さっそく引っかかってくれたようじゃ!かかってこい、鏖殺寺院ども!」
鏖殺寺院の構成員が四人姿を現した。
「四対一か…」
翔一朗は一人で戦い抜くつもりだったが、急に三人の構成員のうちの一人が、突然、どうっと倒れてしまう。
神和 綺人(かんなぎ・あやと)が隠れ身で相手の死角に回ってクリス・ローゼン(くりす・ろーぜん)と連携し、バーストダッシュを応用、森の木を足場にして、敵の背後に回って倒したのだ。
神和 綺人とクリス・ローゼン、早川 あゆみ(はやかわ・あゆみ)とメメント モリー(めめんと・もりー)の四人はドラゴニュートの赤ちゃんを捜すために森に入り、この場に遭遇したのだ。
「其の疾きこと風の如く、其の徐(しず)かなること林の如く、侵し掠めること火の如く、知りがたきこと陰の如く、動かざること山の如し、動くこと雷霆(らいてい)の如し」と、綺人は鏖殺寺院の構成員を倒していく。驚く翔一朗に、綺人が叫ぶ。
「助太刀しますよ! クリス! 他の鏖殺寺院の構成員を!」
「判りました! アヤ! メメントも頼みます」
「はい!」
メメント モリーが光学迷彩を使いながら、綺人とクリスをサポートし、怯んで逃げ出し始めた鏖殺寺院の構成員を倒す。
「無茶しないで、モリー!」
早川 あゆみの声にモリーはにっこりと笑い、あゆみをかばいつつ、最後の一人を捕縛した。
「助かったぜ。四対一はちぃと厳しかった」
翔一朗の言葉に、女の子のような美しさの綺人が微笑む。
「力になれて良かったよ」
「身体は大丈夫?」
あゆみが翔一朗に駆け寄ってくる。音楽教師で親友の忘れ形見を育てているあゆみは、母親の端くれとしてドラゴニュートの赤ちゃんを助けたい、そういう思いで鏖殺寺院にも立ち向かうことを決意したのだ。
「大丈夫じゃ。地雷もかなり爆発させられたし、囮としての役目も果たせたしの。あたぁ捕まえた連中を尋問班にひきわたすことにするかいの」
翔一朗は気遣うあゆみを心配させないよう、微笑んだ。
「お師匠!挟み撃ちですよ!」
ロレッカ・アンリエンス(ろれっか・あんりえんす)と、クゥネル・グリフィッド(くぅねる・ぐりふぃっど)は鏖殺寺院の構成員を三人見つけ出して、弓を射かける。
「ロレッカ、右ですじゃ!」
携帯電話で連絡を取りながら、クゥネルはロレッカに鏖殺寺院の構成員の場所を的確に与えていく。おおよその森の地形と、既に得ていた情報から、鏖殺寺院の構成員が隠れている場所を特定していた葉の指示を受け、光学迷彩で身を隠して動いていたのだ。
二人の弓の攻撃を合図に、戦闘が始まった。
とはいえ、鏖殺寺院の構成員もさるもの。反撃を仕掛けてくる。
そこにロレッカの弓の攻撃の合間に、弐識 太郎(にしき・たろう)が鏖殺寺院の構成員背後から飛び出してくる。
「くらえっ! 弐識式実戦格闘術派生、太郎ダイナマイトォォォ!!!」
「ぐあ!」
ロレッカたちの攻撃に気を取られていた鏖殺寺院の構成員は、すっかりと背後がおろそかになっていたのだ。
かけ声と共に、一斉に鏖殺寺院の構成員が上空高く放り投げられ、そのまま地面に激突すると、『太郎ダイナマイト』が凄まじい勢いで炸裂した。
☆ ☆ ☆
他の場所でも、ゲリラ的に戦闘は行われていた。
葉からの指示を受け禁猟区で鏖殺寺院の構成員を特定したクレア・シュミット(くれあ・しゅみっと)と、スナイパーライフルとシャープシューターを使い攻撃を仕掛けると、ハンス・ティーレマン(はんす・てぃーれまん)が、味方にパワーブレスを与えた。
「鬼太刀会」の野望を阻止すべく、他の面々を助けるため、二人は『鬼太刀会』以外の鏖殺寺院の構成員を倒す事に専念していた。
「もともと、『鬼大刀会』は何を狙っていたのか…ドラゴニュートの子供を攫うこと、その後、蒼空学園近辺に身を潜めることは予定通りの行動のようだが…。なんにせよ、ヒラニプラで捕らえられれば済んだ話だ。教導団の失態と言っても過言ではない。責任は取らねばな」
クレアの言葉に、ハンスもうなずく。
「『鏖殺寺院』の目的は、『パラミタ建国の阻止』にあるとのこと…。それにシャンバラ教導団が利用されたとあれば、許してはおけません」
駒姫 ちあき(こまひめ・ちあき)は、常に同じ目的の仲間と一緒に行動し、数で勝った戦闘が行えるように心がけていた。パートナーのカーチェ・シルヴァンティエ(かーちぇ・しるばんてぃえ)は、回復役を主に担当している。
「教導団からの情報が正しければ、相手は多くても20人前後。それで倍以上の相手を迎撃しようというのだから、森での戦闘によほど自信があるか、なにか切り札を用意しているんだろう」
その言葉に、相沢 洋(あいざわ・ひろし)が応えた。
「さっき、マーゼンから連絡が入った地雷トラップって奴ですね…よし、クレア、ちあき、耳を貸してください。私に考えがあります」
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