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【ろくりんぴっく】貫け! 君の想い!

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【ろくりんぴっく】貫け! 君の想い!

リアクション

「彩羽〜がんばろぉ〜」
「彩華、勿論よ」
 双子の天貴 彩華(あまむち・あやか)選手と天貴 彩羽(あまむち・あやは)選手が追いかけているのは、逃げ回ってばかりいるカレン・クレスティア(かれん・くれすてぃあ)選手とジュレール・リーヴェンディ(じゅれーる・りーべんでぃ)選手のカヌーだ。
「きゃーっ! きゃーっ!」
「コラっ! そんなに逃げ回っていたんでは、ポイに当たらないではないかっ!」
 カレン選手をジュレール選手が叱るが、まったくオールの動きは止まらない。
 逃がさないとばかりに、彩羽が指示を出し、彩華が必死に追っているが差は縮まらない。
 このまま逃げ続けるだけで終わってしまうのか!
「カレンさん! 頑張ってーー!」
「ホイップ!! うん! 見ててねっ!」
 丸い台の近くまで来ると、カレン選手にホイップからの声援が飛んだー!
 声援を受けると、くるりとカヌーを反転させ、やっと攻撃をする気になったようだ。
「ホイップが見てるんだもん! 負けられないよね!」
 カレン選手にやっとやる気にみられます。
「ホイップの声援をもらいたかったのは分かるが……まぁ、良い! ここから頑張るぞ!」
 ジュレール選手も水鉄砲を構える。
「双子パワーは無敵なのよ。見せてあげる。彩華、突撃ー!」
 彩羽選手も元気いっぱいヨ。
「まかせて〜」
 彩羽選手の指示に合わせて、彩華選手がカレン選手達のカヌーへと正面から向かっていく。
 突撃しながらも、水鉄砲でちゃんと攻撃もしている。
 それにはジュレール選手も水鉄砲の攻撃で応戦ヨ。
 互いに牽制状態なのか、なかなか的には当たらない。
 2つのカヌーは目の前まで来ている。
 カヌーが交差し、位置が入れ換わった。
 すれ違う瞬間、水鉄砲を撃っているが……果たしてどちらのポイが破れたのか……これは!
 カレン選手達が生き残っているー!
 彩羽選手達のポイは残念ながら破られていた。
 さあ、VTRでどういう状況だったのかを見てみるヨ。
 すれ違う瞬間……ほぼ同時に水鉄砲を撃ち……あーっと! ジュレール選手が撃った直後、なんとカレン選手がサイコキネシスで跳ねあげた湖の水をブリザードで凍らせて防御していたーー!
 必殺防御技『なんちゃって大氷壁』が見事に功を奏した形ヨー!
 熱い戦いだった。
 さあ、次にいってみるヨ!


 ここで動きがあるのが、戦部 小次郎(いくさべ・こじろう)選手とリース・バーロット(りーす・ばーろっと)選手のカヌー。
 今までずっと、他の戦闘を尻目に敵陣の後ろへと回り込み攻撃をかわしていたが……ここにきて、攻撃へと転じようとしているヨ。
 狙われているのはクライス・クリンプト(くらいす・くりんぷと)選手とジィーン・ギルワルド(じぃーん・ぎるわるど)選手ネ。
 上空からの妨害を警戒してジグザグにカヌーを動かしているが、背後の小次郎選手達に気が付いていない。
 なんと!
 クライス選手達に近づいているのは小次郎選手達だけではなかった!
 死角から近づいてきていたのは守屋 輝寛(もりや・てるひろ)選手と大祝 鶴姫(おおほうり・つるひめ)選手だ。
 互いのカヌーの色を確認し、味方だとわかると、目線で合図を送り合う。
「妨害者は……うん、あっちに確認」
「なんか、人数が少なくなってきたなぁ」
 クライス選手の報告を聞きながら、ジィーン選手が水鉄砲をくるくると回す仕草とつまらなさそうな表情で言葉を返す。
 それもそうネ。
 だって、情報によるとまだ一隻も倒せてないんだから。
「気付かないうちにやられてしまってください」
 先に仕掛けたのは輝寛選手ヨ!
 死角からの水鉄砲攻撃。
 水圧を高めて、弾道を安定させようとしたみたいだけど、あんまり意味がなかったみたいネ。
 攻撃は少しだけポイをかすめて、湖に着地したヨ。
 クライス選手、この攻撃により、輝寛選手達の方へと向くようにカヌーを操作。
 クライス選手、ついでにバニッシュを仕掛けて目くらましもしてるヨ!
 これには慌てたけど、鶴姫選手がちゃんとオールを握って、操作したから、バニッシュだけで転覆とかはなかったヨ。
「殿、お怪我はございませんか?」
「うん、大丈夫。流石、鶴姫ですね」
 輝寛選手が褒めると鶴姫選手嬉しそうだ。
 しかし、目くらましの間にカヌーを横に付けられていたー!
 そのままクライス選手達のカヌーが横っ腹を突く。
 ジィーン選手、カヌーのへりから乗りだして、超接近からの水鉄砲攻撃ヨー!
 輝寛選手も鶴姫選手もびちょびちょヨ。
 水鉄砲の水がなくなったから、その攻撃はなくなったけど、今度はクライス選手がそのまま、カヌーごと突っ込んでいるのを続行してるネ。
 このままいくと転覆の危機ー!
 それをオール捌きでうまくかわそうと動く鶴姫選手ー!
 おっと、それだけじゃない!
 なんと向こうのカヌーをひっくり返そうとオールを動かしているー!
 押しあいへし合いが続くが、決着はつくのか!
 ここで、背後に回り込んでいた小次郎・リース選手が近づいて来たー!
「これは絶好の的……ですよね」
 なんとも少し黒い発言が飛び出した小次郎選手。
「小次郎さんの後ろは守りますから存分にやってください」
 リース選手が、それを後押しするような発言をする。
 クライス選手がカヌーを動かそうにも、鶴姫選手のオール攻撃で動かせない状況だ。
 水鉄砲の補給が終わったジィーン選手がさらに猛攻を掛けていく。
 ポイに…………当たったーー!
 輝寛選手も地味に攻撃していたけれど、当たらず、この勝敗はジィーン選手に軍配が上がったネ。
 問題は小次郎選手ヨ!
 体勢を立て直せないまま、小次郎選手が攻撃を繰り出すー!
 これは……一撃で決まったー!!
 クライス選手達のポイが破れ、勝利の美酒に酔いしれる暇もなく敗者となった。
「さて、戦いはまだ終わっていません。次に行きましょうか」
「はいっ!」
 小次郎選手達は次の戦いの場へと向かって行ったようヨ。


 ここまでで……かなりの数のカヌーが敗者となっているヨ。
 競技も終盤!
 張りきって実況をしていくヨ!!
 ここで注目したいのは、助っ人として呼ばれたという東の山葉 涼司(やまは・りょうじ)選手と西の山葉 聡選手!
 情報によるとこの2人は従兄弟同士とのこと。
 さあ、どんな熱い戦いが繰り広げられているのでしょうか!
 …………って、どちらも一緒に乗ってくれる人がいなくて漕ぎ手にしかなってない!
「なんで聡まで1人なんだよっ!」
「知るかよっ!」
 思わぬところで会って、感激の再開かと思いきや……まぁ、仲はかなり良さそうネ。
 顔を突き合わせられるぐらいまで、カヌーを寄せて会話している。
「この間、またナンパしに行って失敗したんだって?」
「わーーーっ!!! どこで誰に聞かれてるか分からないだろっ! 余計な事言うなよ! 涼司! お前こそ、パートナーの人と――」
「わーーーっ!!!」
 うん、本当に仲が良さそうネ。
 ミーの実況が聞こえてないヨ。
 情報によると聡選手には怒らせると怖いパートナーがいるみたいネ。
 一方、涼司選手のパートナーは……うん、これは説明するまでもないネ。
「生き残る事が目的! 最後まで逃げ切ってみせるよっ!」
 そう叫びながら、山葉両選手達に近づくカヌーがある。
 こちらも1人で漕いでいる如月 玲奈(きさらぎ・れいな)選手ネ。
「って、どいてどいてーーーっ!!!」
 後ろばかり見ていた玲奈選手、どうやら前にいる涼司選手と聡選手が見えてなかったよう。
 2人のカヌーに突っ込んでいく。
「はっ!?」
 涼司選手と聡選手の声がハモったヨ。
 2人も会話に夢中になってて、玲奈選手が突っ込んでくるのに、気が付いてなかった!
「ええーっ!?」
 玲奈選手、びっくりしながらも目の前にいる2人に向かって轟雷閃を使ったー!
 自分の進路の邪魔になるからでしょうネ。
 しかし、涼司選手も聡選手も間一髪のところで、カヌーを操作して、玲奈選手の進路から外れ、雷も避けたヨ!
 これによって、湖に雷が落ちたー!
 湖全体に電気が走るー!
 カヌーに普通に乗っている人達の様子は……うん、無事ネ。
 って、なんか……湖の水がどんどん暗くなってきたみたい……湖の中心から盛り上がってるような……?
 皆、何が起きているのかわかっていないー!
 こちらも何が起きているのか全く…………いや、もしかして……使われていないこの情報の選手……が……?
 おっとーーー!
 湖の水を盛り上げ、湖の下から何か巨大なものが浮かび上がってきたーーーっ!
 これは……巨大なシロナガスクジラーー!
 情報によるとキャプテン・ワトソン(きゃぷてん・わとそん)選手のようヨ!!
 姿が見えないと思ったら、湖の中で待機していたー!
 その巨体が浮かび上がった事で、大きな波が起こっている!
 西のカヌーが大半を占めていたこの湖の戦況が一変!
 その全てが波に飲まれ、湖の中へ消えたー!
 残っているのは……腹を上に向けて、感電してしまっているキャプテン選手ー!
 なんと。
 キャプテン選手の口がぽっかりと開くと、中から青い色のカヌーが……ジャジラッド・ボゴル(じゃじらっど・ぼごる)選手ヨー!
 湖の色がいつもより暗くなっていたのはこのせいだったのネ!!
 しかし、彼も出てきたは良いけど、浮かび上がって来る時に、キャプテン選手が上下逆転して頭をぶつけたのか、カヌーの上で動かないー!
 他の生き残っていた選手はカヌーが破壊され、敗者になってしまっている。
 これでは、戦闘不能とみなされ敗者に……っと!
 ここで、なんと、カヌーが1艇無事な姿で浮かび上がってきたー!
 青ヨ!
 カヌーの色は青!
 カヌーに乗っている選手は……クレーメック選手と優子選手だー!
 情報によりますと、必殺防御『奇跡のターン』が作動したようヨ!
 この必殺防御はカヌーが転覆しても一度だけ元通りにするという……なんと今回のハプニングにぴったり、しっくりくる必殺防御だったのかーー!
「勝った……のか?」
「そうみたい……ね」
 まだ、勝ったという実感がつかめていないみたいだけど、この2人が生き残りに決定ヨーーーー!
 この観客からの歓声を……って、みんな呆然としてて、歓声が出てないヨ?
「…………はっ!? オレ達の出番は……!?」
「どうやら、決着がついてしまったようよ……残念」
 やっと目覚めたジャジラッド選手はちょっと悔しそうネ。
 キャプテン選手も苦笑(たぶん)しているみたいネ。
 何が起きたのか把握した人達がどんどん湖から上がって来る。
 水が苦手な北斗選手をクド選手が担いで泳いでいる姿も見えるヨ。
 これで今回のボート競技は終了となったネ。
 みんな楽しめたー?
 実況はろくりんぴっく公式マスコットキャラ『キャンディス・ブルーバーグ』がお送りしたヨ!