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はじめてのひと

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●祝福あれ

 戦い終わって、日も暮れて。
 いや、暮れたどころかもう明け方近い。

 冷たい地面にも関わらず、エヴァルト・マルトリッツは大の字になった。
「今回は無茶をした……もう、一歩も動けん」
 依頼は成功、脱出も成功だ。その分、すさまじい疲労感が襲ってきている。
「……若いくせにだらしないぞ。我か? 我は年長者ゆえ、これでいいのだ」
 デーゲンハルト・スペイデルも同様の体である。杖を抱いてうずくまっている。
「金欠ほど辛いものはないな……」
 ぼやきながらエヴァルトは携帯電話を取りだした。
 着信は二件。
 ひとつは、ロートラウト・エッカートからの『初メールだよ!』というタイトルのタイムカプセルメールだ。

「新しい携帯電話買ってくれてありがとう! ちょっと金銭的に無理させちゃったかな……と思うけど、多分大丈夫だよね? 新型の『cinema』、すごく格好いいから一発で気に入ったよ!
 せっかくだから、右胸部装甲をちょっと改造して開閉できるようにして、内側に『cinema』を収納できるようにしたんだ。知ってる人が見たら、勇者の王なサイボーグ風だって分かると思うよ。

 タイムカプセル機能なんて斬新だから、最初のメールはそれにしたんだ! これが届くのは一週間後、どんな状況で読んでもらえるかな? 楽しみだよ。

 いつも苦労かけてごめんね。とくに、金銭的には苦労させてると思う……。
 だけどこれからも一緒に頑張ろう! いつかはボクも、家計を支えられるようになりたいな。」


 もう一件はミュリエル・クロンティリスから。
 タイトルは『ありがとうございました』だ。

「お兄ちゃん、今日は新しい携帯電話を買ってくれてありがとう。
 簡易タイプだけどタイムカプセルメールも使えるし、なにより操作が簡単なので私はすごく気に入っています。

 これがはじめてのメールです。
 ロートラウトさんが一週間後設定でメールを出したそうなので、私もそうしました。
 面白い機能ですよね。お兄ちゃんと一緒にこのメールを読むことができれば嬉しいんですが、もし今、お兄ちゃんが一人でいるとしても、私が横にいるような気持ちでいてくれれば嬉しいです。

 お兄ちゃんには苦労をかけっぱなしで、いつもありがたく感じています。
 でも、いつかお兄ちゃんのお嫁さんになったら、逆に楽させてあげますからね。
 それでは失礼します。

 いつもありがとう。大好きです。」


「返信せんのか?」
 デーゲンハルトが片眉を上げて問うも、エヴァルトは首を振って携帯電話をしまった。
「礼やらは、直接伝えるとしよう」

 すべての人々の『はじめて』に、祝福あれ。

担当マスターより

▼担当マスター

桂木京介

▼マスターコメント

 マスターの桂木京介です。
 お疲れ様でした。ご参加いただきありがとうございました。

 はじめてのメール、電話、あるいはタイムカプセルメールに込められた皆様の思い、とても分厚いもので感銘を受けました。できるだけ丁寧に読んだつもりです。与えて下さったたくさんの『物語』に感謝したいと思います。

 さて、本編途中にでてくる『暗号』(15ページ)の答です。
 これは、パソコンのキーボードに書かれている『ひらがな』をそのまま打ちこんで作成した文章でした。
 訳すと『キュウリにハチミツをかけるとメロンの味になるって言うけれどやっぱりキュウリとハチミツの味だったよ』となります。面白いアイデアですよね。考案者の五月葉終夏さまにお礼申し上げます。

 それでは、また近いうち、新たな物語でお目にかかりたく思います。
 桂木京介でした。

 ※10月31日 初稿
  11月 9日 一部修正を加え、リアクションを再提出しました。
  11月16日 たびたび申し訳ありません。さらに誤記修正を加え、リアクションを再提出しました。