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アグリと、アクリト。

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アグリと、アクリト。

リアクション


chapter.14 アグリと、アクリト。 


 細胞の活性化装置で盛り上がった日からしばらく経ったある日。
 あの後、取り調べを受けた増多教授から、さらなる余罪が明らかになった。
 それは、名前の詐称である。

 彼は自らを「増多端義」と名乗り、事実あらゆる登録をする際にもそれを記入していた。が、問題はそのフリガナである。「マスタ ミズヨシ」というその読みがなは、誤りであった。なぜなら端という字は通常、ミズとは読まないからだ。ミズと読むのは「端」ではなく「瑞」である。
 ゆえに、「マスタ ハシヨシ」または「増多 瑞義」が正しいのだが、前者では語感が悪く、後者では「瑞」の字が許せないと主張したため、留置場を出た後、彼はその名前を「増多端義(ますた はなよし)」に変えた。なぜ彼が偽名を使っていたのか、それが明かされるのはもう少し先であった。



 一方、空京大学では。
 装置に関する噂が下火になり始めている中、アグリが再びアクリトの元を訪れていた。
「どうしたのかね?」
 目の前で沈黙しているアグリに、アクリトが尋ねる。するとアグリは、意を決したように、小さく声を発した。
「また、装置を使わせてほしい」
 どうやら、腰痛が肉体に与える痛みが心地良かったらしく、その感覚が忘れられないアグリは恥を忍んで、そう願い出たのだった。
「構わないが、本質的にはたいして意味がないだろうな」
「……? 細胞があるのなら、活性化を続ければまた腰痛が……」
 言いかけたアグリを、アクリトが遮った。
「今自分で、何か気付かなかったかね?」
 よく分からない、といった表情をしたアグリだったが、自分の発言を思い返し、やがてあることに気付いた。機晶姫の中には確かに、人工皮膚に人口細胞を使用しているタイプもある。が、コンバイン型の自分には、それがない。
「ということは、先日の腰痛は……」
「まあ、病は気から、と言うだろう。その逆もまた然り、ということだな」
 愕然としたアグリの頭には、もうひとつの疑問が自然と浮かんだ。
「ならもしかして、そもそもその装置自体に何の効果も……?」
 この実験を受けた生徒たちのことを思い、アグリは恐る恐る尋ねる。
「さて、どうだろうな」
 アクリトが、にやりと笑って答えた。


担当マスターより

▼担当マスター

萩栄一

▼マスターコメント

萩栄一です。初めましての方もリピーターの方も、今回のシナリオに参加して頂きありがとうございました。

予想以上に下ネタアクションが多くて驚きました。
ところどころに下品なネタが入っているため、気分を害された方がいないことを祈るばかりです。
コメディということで緩めの判定をさせて頂きましたが、
ダブルアクションなどに関しては没にさせて頂いた部分もあることをご了承ください。
なお、複数場面に登場している方が何名かおりますが、
これらはアクションが面白かったため、プチボーナスとして僕の方で描写を加えただけであり、
ダブルアクションを全通ししたわけではないことをご理解頂ければ幸いです。

最後のページにある、増多教授の秘密についてですが、
これは完全にガイド作成時点での僕のミスでした。
ガイド公開後に気付いたのですが、アクションで誰にもつっこまれなかったのでほっとしました。

なお今回のリアクションの結果、ロイ・グラードさんが、
NPCへの身分を著しく貶めようとし、公序良俗に著しく反する行為を行い、
なおかつ露出した下半身に著しくダメージを受けた結果、ロイさんの男性器に死亡判定がくだされました。
ロイさんの男性器はナラカへと行ってしまったため、
今後ナラカが舞台のシナリオ以外はどのシナリオでも、男性器を使用したアクションは不可となります。
ここで念のためもう一度書かせて頂きます。
ところどころに下品なネタが入っているため、気分を害された方がいないことを祈るばかりです。

今回の称号は、MCLC合わせて2名のキャラに送らせて頂きました。
ちなみに称号の付与がなくても、アクションに対する意見などを個別コメントでお送りしているパターンもございます。

次回のシナリオガイド公開日はまだ未定です。
詳しく決まりましたらマスターページでお知らせします。
長文に付き合って頂きありがとうございました。また次回のシナリオでお会いできることを楽しみにしております。