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リアクション
【終章 6:00〜7:00】
「いやー、皆さん。昨日はご迷惑をおかけしました」
その朝、一日不自由をかけたと、パーティーの開催者から謝罪を受け、パーティー参加者たちは、豪勢な朝食を取ることとなった。
全員が席に着き、一様に疲れた表情を浮かべていた。
「しかし、疲れたぜ……いくら仕事だったとはいえ、こんなに館の中を走り回るなんて」
「お疲れ様。おかげで怪我人も出なくてよかったじゃない」
「力任せに動くお前たちのサポートは、かなり疲れたがな」
垂とダリルは疲れた表情を浮かべ、ルカルカだけがニコニコと元気な笑みを浮かべている。
「うーん。でも黎明華は、怪物クンとお友達になれなくて残念だったのだ」
「オレも残念だぜ……くそっ、もうちょっとだったのに!」
「武尊……キミが悔しがってるのは、女の子からパンツをもらえなかったからだろう」
ため息をつく黎明華。涙を流している武尊。呆れたように見つめる恭司。三者三様の反応を見せている。
「まあ、自分が苦労して集めた情報も、色々役に立ったようだし、いいだろう」
疲れた表情を浮かべながらも、満足げにザカコは微笑む。
「……アスカ。いい加減、落ち込むのはやめたまえ」
「だってぇー……はぁー。私の大事なスケッチモデルぅ〜。ルーツと闇商人さんが邪魔しなければぁ」
「だから闇商人いうなっ!」
ヘコんでいるアスカと、それをなだめるルーツ。その横で亮司は、ガーッと文句を言っていた。
「俺もベティも無事でよかったぜ」
「ええ。一時はどうなることかと」
カイとべディは戦い疲れた身体を椅子に預け、自身らの無事を喜んだ。
「あの怪物、消えちゃったんだよね?」
「残念ですねぇ。不死身の敵なんて、好都合な存在だったのに」
「くっ! わたくしはまだ身体をバラバラにされた恨みを返しきってないですのに!」
不死身の怪物の消滅を、ミリーとフラットは悔やみ、まだ怒りの治まっていないアシェルタは歯軋りして悔しがっていた。
「うふふっ……まあ、私はちゃんと百合園の生徒から信頼を得ましたし、十分ですわ」
ニヤニヤとマリアは笑みを浮かべ、計画通りとひとり呟いている。
「ね、ネル! もう少し優しくだな」
「うるさいわね。男なんだから、このぐらい我慢してよ」
ネルに小言を言われながら、邦彦は戦闘で擦りむいた箇所を治療してもらっていた。
「アリス、これ美味しいぞ」
「ホント! すっごイ、おいシー!」
あれだけ飯を食べていたアキラとアリスは、ふたたび目の前の朝食にがっついている。
「はぁー……まさか、バイト代があんな形でなくなるなんて……うう」
「それに関してはすまない。まさか、割った壷の代金を要求されるとは」
「まあいいじゃない。とりあえず、二人も飲んだら? ワイン美味しいよ?」
嘆くニサトを、しゅんとした様子で見るクリス。そんな二人を優華がワイングラス片手になだめていた。
「刀真……雷のこと、もし誰かに言ったら」
「わかってるって。誰にも言わないから」
「……刀真。亜璃珠に近づきすぎよ」
「そ、そうですよ! あ! 御姉様! この料理美味しいですよ! はい、あーん!」
「ま、まあ、月夜様も小夜子様も。そうカリカリしないで」
刀真と亜璃珠を、両サイドの月夜と小夜子が取り合っている。ひとりマリカがそれをなだめていた
「おかしいわね……私の推理が外れるなんて」
「ふぅ……いつも通でしょう」
何度も首をかしげるブリジットに、呆れた様子で舞がため息をついた。
「ん? フランツ? 泰輔はどこへいったのだ?」
「ああ。レイチェルさんに謝罪の電話をかけてるよ」
「い、いや、ホンマになんもなかったんやって! 僕を信じろや」
『どうでしょうかね? とりあえず帰ってきてからたっぷりと言い訳は聞きましょう』
顕仁とフランツが食事をしている間、泰輔はずっと電話先のレイチェルを誤魔化していた。
「まったく、チーシャが無茶するから、心配しっぱなしでしたわ」
「えへへ。ごめんね」
「俺も怪物が動いたときは、ハラハラしたぜ」
リリィとウィキチェリカ、カセイノの三人も互いの無事を確認して、安堵していた。
「いやいや、きみらのおかげで助かったのだ。我は感謝しているぞ」
「はぁー、ドレス……あたしのドレス……」
「いつまで引きずってるのよ」
破れたドレスに嘆くセレンと、それを呆れて見つめているセレアナに、大佐が礼を言っている。
「いやー、暴れた、暴れた」
「透乃は暴れすぎですよ」
満足げな表情を浮かべる透乃と、目に見えて疲れた表情を浮かべる陽子。
「繭。よく頑張りましたね」
「う、うん。ルインも無事でよかった」
繭とルインは、まるで親子のように優しい笑みを浮かべ合っていた。
「はふー……さすがのボクも走り疲れたよ」
「ううー……チムチムも疲れたアル〜」
へとへとになったレキとチムチムは、ご飯も食べずに、グテッと椅子に座っていた。
「それにしても、今回の紅凛さんは、とても素敵でしたね。私、惚れ直しましたよ」
「ブーッ! ……そ、そそそそうか!」
平然と褒め殺してくるシキに、紅凛は紅茶を噴き出し、顔を真っ赤にしていた。
「み、ミリィ! 大丈夫だって、このぐらいの傷!」
「駄目だよ! ちゃんと消毒しないと、膿んだりしたらどうするの!」
「セルマ。諦めたほうがいい」
怪我をしてるのが見つかったセルマは、ミリィとヴィーの治療を受けさせられていた。
「ふぁー……さっさとメシ喰って帰るぞ。もう金持ちには近づきたくねえ」
「りょーかいっス、姉御」
乱世とビリーは疲れた表情のまま、機械のように食事を口へ運んでいった。
「でも、最後に幽霊さんがちゃんと成仏できてよかったです」
「ホントですね。セリカさんの言葉が伝わってよかった」
歩とルークは二人でほんわかと事件の解決を喜んだ。
こうして無事、幽霊騒動は終了した。
誰もがそう安心し、ホッと息をつく。
だが、
「ん? どうした? ……なに? 食事がひとり分、多いだと? そんなわけない。ちゃんと人数を確認して出したんだからな」
主催者の言葉を聞き、その場の全員の背筋を冷たいものが走っていった。
【完】
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担当マスターより
▼担当マスター
海原三吾
▼マスターコメント
初めまして皆様。マスターの海原三吾です。
私の初シナリオ「さまよう死霊の追跡者」いかがだったでしょうか?
少しでも「楽しかった」と言ってくれる人がいてもらえたら、こちらとしても幸いです。
まだまだ力の足りないマスターですが、皆様またよろしくお願いします。
▼マスター個別コメント