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太古の昔に埋没した魔列車…環菜&アゾート 2

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太古の昔に埋没した魔列車…環菜&アゾート 2
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第13章 Christmas Eve After2

「外の待合室って、誰も使ってないのかな?」
 両手いっぱいに酒や料理を抱え、中に誰もいないか透乃が覗き込む。
「やったー、いないみたいっ。陽子ちゃん、おいで!」
「コテージっぽい作りですね?」
「ここって寒くないし、扉も閉まるんだよ」
 終電を逃した人も雨風をしのげるタイプとして造られたのだが…。
 他の者のがいないこの空間は、透乃にとっては絶好のチャンスだ。
「これで寒くないし、ご飯食べよう♪」
「たまには2人きりで食べるのもいいですね」
「クリスマスイブ最高ーっ。私にはこーんなキレイなお嫁さんがいるし!」
「キレイだなんて…そんなっ」
「その上料理も出来て、私をずぅうっと愛してくれる陽子ちゃんが、私のお嫁さん〜!永遠なんてありえないっていうヤツはどいつだよぉお!幸せな私を見てみなよーっ。ずーっと陽子ちゃんと一緒に、幸せであり続けるんだかねぇええ。…ヒック」
「あのー…透乃ちゃん。もしかして酔ってますか?」
「なーにいっちゃってんの?私はー…まだまだ、ぜーんぜんよっぱらってなんか、いないよーっ」
 とは言いつつ、持ってきた酒を全て飲み干した彼女の顔は真っ赤になっている。
「あれれ〜?」
「な、何ですか?私の顔に…なにかついていますか?」
 急に顔を近づけられた陽子は壁際へ仰け反る。
「ついてるよー。んふふ〜♪」
「と…透乃ちゃん、むっ…」
 彼女の唇で口を塞がれ、その先の言葉を奪われる。
「口にジャムがついてたから、一緒に食べちゃった」
 嫁の唇から離れ、ぺろりと自分の舌を舐める。
「陽子ちゃん、美味しそうだね。食べちゃってもいい?」
「(―…透乃ちゃん、本当は酔ってなんて…)」
「テイクアウトしてからにするけど…。外は寒いからもう少し、ここで食べてからね」
 永遠を誓ったお嫁さんを抱きしめ、透乃の唇で彼女の口を塞ぐ…。



「んもぅ〜、透乃ちゃんも陽子ちゃんもどこいったのよー!私と酒が飲めないっていうのーっ!?」
「そういうわけじゃないと思うが…。芽美ちゃん、もう飲まないほうがいいぞ」
 すっかり酔っ払った芽美を支え、泰宏は彼女の酔いを冷まそうと、水をもらいに列車へ向かう。
「ちょっとやっちゃん、こっちにきなさい!」
「もうすぐで列車にたどりつくから、こっちにきてくれ」
「いーから、私のほうにきなさいよっ」
「一緒に飲もうっていうんじゃ…」
「私たち2人ってー、独身じゃない〜?2人が結婚したんだからー…、私たちもしちゃいましょうよ!やっちゃんカッコイイんだから私と釣り合うはずよっ」
「な…何言っているんだ、芽美ちゃん!?」
 酔っているとはいえ少し嬉しい気もするが、突然口説かれた彼はぶんぶんとかぶりを振る。
「私じゃ不満ってことー?まさか…独身貴族でいるつもりぃいい!?あれ…私って貴族じゃない?やっちゃんも貴族…同じ貴族同士、くっついちゃえばいいのよー。そーよ、そうしましょうよ〜」
「芽美ちゃん、まずは酔い覚ましをしようぜ」
「これくらいの酒でー…私がよっぱらうわけないじゃないのぉお!さぁーやっちゃん、私をお姫様抱っこしなさい!私〜疲れてもうー歩けないっ。抱っこして〜、ねぇ〜やっちゃーん」
 人目を気にせず彼に甘え、ぎゅっと抱きついた。
「(うぉおおお、私の理性がそろそろ限界に近いっ。だが、正気に戻ったら芽美ちゃんの仕置きが…っ)」
「外はイヤッ寒いー、温めてやっちゃん〜。私の彼氏になるっていうまで離れてあ〜げないっ」
 べったりと彼にくっつき、離れようとしない。
 その後、真冬の寒さでだんだん酔いが醒め、いつもの彼女に戻ったのだが、彼を口説いていた時の様子を鮮明に覚えている。