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リアクション
「何かが起こりそうですね――それなら、こちらも手を貸しましょう!」
ラムズ・シュリュズベリィがそういうと、彼の使役していた弓引くものが大量の弓矢を放つ。
その弓矢は受けた千年王の四股は、時が止まり動かなくなる。
「いまやッ、みんな! 千年王のウィークポイントはあそこやでッ!」
瀬山裕輝はそういって遠当てで狙い続けていた場所を攻撃した。
それを見て、相田なぶら、木之本瑠璃、中願寺綾瀬、紫月唯斗、アキラ・セイルーン、ルファン・グルーガ、ギャドル・アベロン、ウォーレン・シュトロンが一斉に飛び掛る
だが、千年王の動きを封じ込めていた効果がそこで切れた。
『――オオオオオオッ!!』
王は天を貫くクライ・ハヴォックをあげると、アナイアレーションの構えを見せる。
「やらせませんよ!」
と、エッツェル・アザトースがその全身に浮かび上がらせた不気味な無数の眼で千年王を睨みつける。
さらに奈落の鉄鎖で体を縛りつけ、フールパペットの術を使って千年王の動きを完全に掌握した。
自身に残った全魔力で千年王の動きを封じるエッツェルは、歯を食いしばいながらいう。
「いまだ数千年前の戦いの中に居る王よ……あなたが護り抜いた。あなたを慕う者達の声を聴け。あなたのために捧げられる聖歌に耳を傾けたまえ――!」
『グギィィッッ――!!』
千年王はなんとか体を動かそうとするが、その体は自分の思うように動かない。
とそこへ、ギャドルが拳を振り上げて突っ込んできた。
「千年王ォッ、覚悟しやがれェッ!!」
ギャドルは咆哮し、拳を前へと突き出す。
「こいつもおまけじゃ!」
「おまけにしちゃ豪華だけどな!」
それに続き、ルファンとウォーレンのふたりが同時に強烈な一撃を加える。
「なぶら殿!」
「わかってるって!」
そこへ追い討ちをかけるように、瑠璃となぶらが攻撃を放つ。
「こんにゃろーッ! いいかげんに目を覚ませ!」
さらに、アキラの巨大ハリセンが炸裂し、小気味の良い音が聖堂内に響き渡る。
「でりゃァッ!」
と、唯斗が必殺の攻撃を疾風の如き速さで繰り出す。
そして、その後ろからすぐさま現れた綾瀬が叫んだ。
「とどめの一撃ですわ!」
その声に反応し、彼女の身に纏っている漆黒のドレスが狙いすました錐の一撃で千年王を串刺しにした。
『グゥ……オォオォォォオオォォッッ!?』
契約者たちの一斉攻撃を受けた千年王の体の一部は、そのダメージに耐え切れずに崩壊していく。
エッツェルの魔力が切れ、自由の身になった千年王だったが、彼はその場に膝をついた。
『ワ、我ハ……千年王ゾ……マダ眠ル訳ニハ、イカンノダ……敵、敵敵ヲ、倒サネバ、倒サネバァァ……!!』
千年王がしゃべるたび、ドシャリドシャリと腐った肉がこそげ落ちる。
と、そんな千年王の前にレン・オズワルドが現れた。
「千年王よ、戦いはもう終わったんだ」
『戦イ? ……戦イ!』
千年王はレンの言葉に反応し、まだ戦おうとヘルファイアを吐き出す。
その炎に飲まれて、レンの姿が消えた。
「レン・オズワルド!」
それを見たアリス・ハーディングが声をあげた。
そして炎が消えると、そこには残り火に囲まれて膝をついているレンの姿が浮かび上がってきた。
そんなレンは再び立ち上がると、千年王を見つめる。
「千年王よ、俺の言葉は伝わらずとも……この歌はどうだ?」
レンはそういうと、踵を返す。
するとそこには光り輝く魔方陣の中で歌うエンヘドゥたちの姿があった。