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リアクション
「俺たちの気が惑わされている間にすり替えたのか」
「なら、さっきの所に戻って取り返すか?」
「……いや、もともと俺たちはスタンプラリーをしにきた訳じゃない。噂がただの噂かどうか確かめに来ただけだ。どうせなにも無いだろうが、このままここの周辺を探ろう」
「おっけー。でもよ、この男はどーすんだよ」
親指で未だ妲己の魅了に囚われている男性をひよのは指さす。
「そのうち正気にかえるだろ。ここで一緒に行動されても足手まといにしかならない」
「それもそうだな。……ん?」
「どうした?」
ひよのは部屋の片隅に設置されたスタンプ台を発見する。
「こんな変哲もない部屋にスタンプだけがあるなんて怪しすぎる! きっと、危険生物がスタンプに化けているに違いない!! とりゃーーー!!」
掛け声とともにスタンプを台ごと砕く。
見るも無残に破壊されたスタンプと台。
「今日もシャンバラの危機を救ったな」
満足げなひよのとは裏腹にまーけっとは主催者に申し訳なくなってしまう。
「ただのスタンプだろうに……」
せめて粉々にしてしまったモノを部屋に転がっていたゴミ箱に片すと、なにやら代があった場所の床がずれている。
ずれていた床をまーけっとが外すと、そこには地下へ続く階段があった。
「これ、地下に続く階段じゃねーか。ってことはそこで危険生物の実験をしてんだな!」
まーけっととひよのは地下へ続く階段を下りていく。
階段の下からは話し声が聞こえる。
「ん? 誰かいるみたいだな」
「敵か?」
「違う。よく耳を澄ましてみろよ」
敵ならば倒してやると息巻くひよのを抑え、下の方から聴こえてくる話に耳を傾けながら降りていく。
「一階のこの部分、二階のこことここ。ずいぶんと離れた場所で研究をしていたもんだ」
「たまたまお化け役の人がいない場所が重なってて良かったよね」
「だが、もしいたとしてもホラーハウスのセッティングだと思われるのが関の山だろう」
「あちこち隠し部屋や隠し通路っぽいのもありそうだったな。行方不明が出たとしても見つけらんないハズだぜ」
エースが作っていた見取り図の部屋を指さしていくダリル。
ルカルカやエース、メシエもそれぞれ感じたことを話していると、まーけっととひよのが降りてくる足音が聴こえてくる。
話を切って階段の方へ視線を向ける4人。
見取り図を手にしていることや、スタンプラリーをしに来た雰囲気ではないことを肌で感じたまーけっとは事情を尋ねる。
「なぁ、それに俺たちも入る事はできるのか?」
「もちろん! 手数は多いに越したことないもんね! それに、あと二人もうすぐ来るんだ」
「二人?」
誰が来るのだろうと思っていると、階段から銃型HCで連絡を受けていたティファニー・ジーン(てぃふぁにー・じーん)とゲイル・フォード(げいる・ふぉーど)が降りてくる。
「ごめんネ、なかなか地下へ続くルートが見つかんなくテ」
「主催者の二人じゃないか」
「ミーたちはもともとこの館に関する噂を解明する為にこの企画を立てたネ」
「この館の復興も兼ねてですがな」
企画を立てた理由を知る面々。
「依頼してきた彼女はここのままホラーハウスが取り壊されるのをすごく怖がっていたワ」
「噂がどうして出来たのかだけでも知って、安心させたいわね。それより」
陽気な顔をしていたルカルカはきゅっと表情を引き締める。
「噂の生物はこの地下に確かに存在する」
ルカルカの言葉を引き継いでダリルが呟くようにそう話す。
「やっぱり噂は本当だったんだな」
パキポキと自分の指を鳴らすひよの。
ここに集まった8人の噂究明メンバーは奥へ続く通路を歩きだした。
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