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渚の女王、雪女郎ちゃん

リアクション公開中!

渚の女王、雪女郎ちゃん
渚の女王、雪女郎ちゃん 渚の女王、雪女郎ちゃん

リアクション

「誰だ!」

 パートナーとともに岩場から飛び降りてきたのは無限 大吾(むげん・だいご)。姿勢を正してキッと親衛隊を見つめる。

「いつまでもみんなの浜辺を占領するなんてよろしくない行為だ。親衛隊とか呼ばれてる君たちだってそんなこと当たり前に分かっているはずだろう」

「う、うるさい! 僕たちはただ快適に雪女郎ちゃんに過ごしてもらうために……」

 突如現れた無限と親衛隊がやり取りしている間、岩の陰でしょんぼりとしながら頭を拭いている雪女郎に瀬山がこっそりと忍び寄っていた。

「一体何の騒ぎだ!」

 隊長、と口々に呼ばれた先には筋肉質の背の高い男が立っていた。
 髪は角刈り。身長は二メートルはあろうかという大男。
 腕の筋肉は逞しく、その体を支える足の筋肉も発達していた。

「実はこの男が――」

 きゃああああああああああああああっ!

 隊長に親衛隊が事の次第を話そうとした矢先、甲高い悲鳴と笑い声が岩場に響き渡った。
 何事かと皆声のした方を向けば、先ほど無限が飛び降りてきた場所に瀬山が立っていた。
 その腕の中に雪女郎を抱えて。

「ふぅーはっはっはっはっは!! 妬み隊、参・上!!」

「貴様、我らが姫に気安く触れるな! 手を離せ!」

 隊長が口火を切ると周囲から野次が瀬山に向かって飛びまくる。
 そんな様子を見て雪女郎が少し不安げに瀬山を振り返った。

「こ、こんな感じで大丈夫かな?」
「あぁ、大した役者やで嬢ちゃん。これで今からめっさおもろいイベントが始まるで!」

 こそこそと小声で会話をする二人。
 実は先ほど無限と親衛隊たちが言い合いをしている隙に瀬山が雪女郎に声をかけたのだった。

 ――あんた、えらい嫉妬もってんなぁ。どや、うちの妬み隊に入って今からおもろいイベントやらへんか?

 こうして雪女郎さえもけしかけた瀬山は、雪女郎と口裏を合わせて皆の前へと姿を現したのだった。

「ええのか? こちとら武器持っとんのやで。おとなしゅうしとくのはオレやのーてあんたらの方やで」

 先ほどテーブルから拝借した果物ナイフをちらつかせると、卑怯者、雪女郎ちゃんを離せと下から罵詈雑言が飛んでくる。
 その中には親衛隊だけでなく刀村の姿もあった。

「えぇい、要求はなんだ!」

 騒ぐ親衛隊を黙らせて瀬山の行動の真意を探ろうとする隊長。
 そんな状況を和輝やメイリアも何が起こっているのかとぽかんとしながら見守ることしか出来なかった。

「ビーチバレー。戦ってもらおうやないか」