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シャンバラの宅配ピザ事情

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シャンバラの宅配ピザ事情

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 〜シャンバラピザ―キマク店〜


「今回の任務は、このピザを指定されたところまで守り抜きつつ、30分以内に配達することだ…良いな。道中危険だが、障害は適宜排除して構わない。以上だ、健闘を祈る」
 まるでこれから戦地へ行くかのような口調で、宅配員に話しているのは、林田 樹(はやしだ・いつき)である。
 まあ、彼女は教導団に所属している身で、このバイトにも軍事訓練の一環と思って参加しているので当然といえば当然か。
 そして、彼女に今回の任務内容(?)を告げられた2人のバイト宅配員は、元気よく返事をすると、すぐに宅配先へと駆けて行った。
 しかし、そこで。
 彼女のパートナー、緒方 章(おがた・あきら)が、ある事に気づいた。
「……えっと、樹ちゃん」
「なんだアキラ。問題でも生じたか」
「いや、問題といえば問題なんだろうけど。さっき宅配に行ったの、上杉 三郎景虎(うえすぎ・さぶろうかげとら)くんと、フレンディス・ティラ(ふれんでぃす・てぃら)くん、つまり、『チーム時代錯誤』なんだ。……近場には普通に届けられるようになったらしんだけどさ。今回が初めての遠出なんだよね〜大丈夫かな?」
「なに? ! あの問題児コンビか! しまった……」
 そう言って樹はその場で頭を抱え込んだ。
 結構なショックらしい。
「いやまだ失敗したわけじゃないんだから、そんな落ち込むことないよ。でもまぁ、念を押しとくか。太壱君。心配だから、ちょっと着いてってあげてくれない?」