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第四章 暗躍を行う者達

「……暗殺というのは最も手っ取り早くて……最もリスキーなギャンブルよ?」
「ああ、構わない。成功した暁には報酬をたんまりやろう……それにしてもギリギリだったな、あんたらが最後だ」
 森の奥へと動き出した自警団と共に行動している村長の息子の元にセレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)セレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)が暗殺の依頼を受けに近づいた。
「あたし達にも色々あるのよ……他の人は、どのようなルートで実行に?」
 セレンフィリティの質問に村長の息子は、地図を広げ、
「親父達は、この道を使うだろう、他の奴らにはこの位置とこの位置、この位置からの暗殺を頼んである。お前達には……この位置での暗殺を行ってもらおう」
 他の暗殺者の場所の他にセレンフィリティ達が暗殺を実行できる場所の支持も行った。
「分かった、あたし達に任せなさい」
 セレンフィリティが言うと、すぐ傍で
「勇敢にして栄光ある討伐隊諸君! 諸君らは……」
 自警団を激励する声が聞こえた。
「ドラゴン討伐の方も問題なさそうだし、これで、俺様が村と森を支配する日も近いな、支配した暁には……」
 激励の声に気を良くした村長の息子は、村長が死んだ後の話を永遠と語り始めたが、頃合を見てセレンフィリティとセレアナは行動に移した。

(今度は前方やや左に二人)
 セレアナが銃型HC弐式と殺気看破で人を探し当てると、秘めたる可能性でセレンフィリティに指示を出した。
 セレンフィリティは、気づかれないように近づくと一人を脇腹を思いっきり殴り気絶させ、もう一人をブラインドナイブスで頚椎をへし折った。
「……特殊部隊の訓練受けててよかったわ」
「学んだことは無駄にはならなかったわけね」
 気絶した男……暗殺者を目の前に二人は合流した。
「あの男の話が本当ならこれで最後だわ」
 セレンフィリティが男を片手で担ぎ上げて話した。
「そうね、いきなり暗殺の依頼が来た時はびっくりしたけど、セレンが利用して暗殺者をやっつけるって言い出した時はもっとびっくりしたわよ」
 セレアナが返し、セレンフィリティは空いた手で携帯電話を持ち、
「あの男の証言も取れてるし、証人もいるわ。村長がドラゴンに会いに行っているのならそちらの方が近いわ、ドラゴンの方に向かいましょう」
「分かったわ」
 セレンフィリティの提案にセレアナも合意して歩き出した。
「それにしても何であたし達に暗殺の依頼が来たのかしら」
 歩きながらセレンフィリティは疑問を口にした。
「セレンが壊し屋なんて呼ばれているのを殺し屋と勘違いしたんじゃない?」
「それはないんじゃない?」
 二人は、たわいもない話をしながら森の奥へと進んで行った。